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映画「銀平町シネマブルース」みんな心に響く作品がある

寂れた映画館で働く、元映画監督の話。映画はなんて人を感動させるのだろうか。映画館で起こる人間模様。館長がいい人すぎるが、かなりダンディ。こーゆー映画館をとりもどす物語は印象的だ。映画監督の近藤はたどり着いた映画館で働く。その館長が梶原で住み込みで働かせてくれる。近藤はホームレスの宇野と共に詐欺に掛かりそうになるが、実は弁護士の梶原に助けられる。3人とも映画が好きでそれぞれに想いがある。映画を見に行けるぐらい人生に余裕を持てというのは至言だ。余裕がないと、映画で他人の人生を観ても楽しめない。映画は娯楽だと思うが、楽しみたいと思っても心に余裕が必要になってくる。劇中の登場人物達はみんな映画が好きであり、人生の中で映画はかなりの割合を占めている。監督、役者、映画館長、ファン、監督の妻と子、映画館で働く従業員。みんなそれぞれに映画が好きで、色んな側面を持っている。映画の登場人物なのだが、映画が好きなそれぞれが主人公である。映画監督は過去に辛い出来事があるのだが、映画に関わることであり、様々な視線から映画好きを表現されているのがすごい。映画は余裕がある時に観るというのは確かに当てはまる。

実際、映画を観ても感動したり、感情移入するというのは他人の人生、キャラクターの人生を観るわけだが、それは心の余裕が必要であり、自分の心の余裕がなくては他人の心が入る余地がない。確かに娯楽ではなくて、映画を観てレビューを書く仕事だったりしたら、仕事として論理的に観ることができるかもしれない。しかし、精神的に参っていると、映画を観ても感動なんてしないし、むしろキャラクターが幸せになったり、仕事で成功していたりすると、どす黒い感情が出るか、まったく無関心になり、内容は頭に入ってこない。仕事や人間関係、将来が不安というイメージが膨らんできてイライラしたり、無気力になる。メンタルをやられると映画どころではない。映画を楽しむならある程度の安定が必要である。ただ、メンタルがやられていても、ある映画によってメンタルに影響して突如やる気がわいてくることもある。それこそが人生においての最高の作品といえるかもしれない。そーゆー映画に出会うのは中々に難しい。偶々観た映画に影響されることもある。アニメ、洋画、邦画に関係なく、突然降ってくるのが不思議だ。わたしも何作かあるが、やる気を出して観ようとは思わずにまさに偶々観ただけだ。そんな映画があると、また来週観よう!とやる中になる。

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