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映画「ディア・ファミリー」感想 実話×医学×父親

実話を元にしたストーリーで、大泉さんの演技が良かった。演じてるようで演じていない、どこかにいそうなおじさん。父親としての強い姿と後年の少し達観した姿のギャップが印象的だった。


人工心臓がテーマで1980年代ではまだまだ研究途中。かなり難しい分野だが、そこに挑戦する宣政の苦労。本心では協力に否定的な教授と人工心臓の製造に関する実験など様々な試練があった。無駄なことはなかったが、それへの苦悩があった。


菅野さんが演じる陽子が最初は宣政と一緒に人工心臓作りに協力していたが、それが難しいと分かると次女の佳美との時間を大切にしようとする。宣政は娘との約束を果たそうとするが、陽子も違った道で娘との時間を過ごす。物語が進むと立ち位置が変わってくるのが印象的だ。


人工心臓を研究している教授も嫌な人間だと思っていたが、彼、そして大学からしたら時間もあるし、出世したい気持ちもある。余名はまだかなりあり。教授のポジションを考えると、失敗すれば患者の死につながるから宣政に全面協力は難しかったのかも。現実はもっと冷酷だったのかもしれないが。


一種のドキュメンタリーのようで、実際に起こった事実、生きた人間、人間達の感情などが連想できる、またはできそうにはなる。物事に対して、人間がどう対処したのか、どう思ったのかそのようなものが少しは分かる。

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