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お兄ちゃんが欲しかった理由。

お兄ちゃんが欲しい。
そう思っていた。

私には弟がいる。
子供の頃から「お姉ちゃんなんだから〇〇してあげなきゃ」と思っていた。
親に「お姉ちゃんなんだから」なんて言われたことは一度もないのに。

今や面影もなくおっさんになった弟も小さい頃はかわいかったから。
自ら自然とそう思っていた。

母は昔、喘息でよく寝込んでいた。
子供の頃から「お母さんのために〇〇してあげなきゃ」と思っていた。
これも自ら自然とそう思っていた。

それから私も弟も大人になり、母も喘息で寝込むこともなくなった。

そして結婚して子供が生まれた。
「〇〇してあげなきゃ」の対象が夫と子供になった。

ところが。
結婚しても、弟も母も父も私を頼る。
私は世間でいう「しっかり者の長女」らしい。

「〇〇してあげなきゃ」の対象が実家と夫と子供と夫の実家と、どんどん増える。

ある時、疲れ果て体調を崩して気づいた。
「無理なことは無理、できないことはできない」って言わなくちゃ。

「して欲しいこと」を全部受け止め答えていたら身が持たない。

環境や状況は人生を重ねていくと変化する。
今までできていたことができなくなってもおかしくはない。

その変化によって「してあげること」が今までのようにできなくなったら。
伝えないと相手は気付くわけがない。
無理していることに何故気づかないの?と思う自分も嫌だ。

ふと気づいた。

お兄ちゃんが欲しい。
そう思っていたのは本当は誰かに頼りかったんだなぁって。
「してもらうこと」に不慣れだったけど。

現在は。
高齢になった父母に「してあげられること」はするけれど、自分が無理をしてまではしない。
自分もアラフィフになり無理して体調を崩しちゃったら、「してあげられること」もできなくなってしまうから。

そして、夫に甘えることを覚えた。
欲しかったお兄ちゃんになってもらおうと思う。笑

娘も大人になり「してもらうこと」も増えた。
でも「無理なことは無理、できないことはできない」って言うのだよ、娘。

そういえば。
娘が「会社の先輩に色々してもらってばかりで申し訳ない」と言った時。
夫が「先輩に色々してもらったことは、後輩にしてあげたらいいんだよ」と答えた。
今年、社会人初の後輩ができた娘はその通りにしているらしい。

「してもらうこと」「してあげること」は長い人生において繰り返し繋がっていくんだなー。


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