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書評 「待つ」ということ

こんにちは😃

今日は、僕の人生観に大きな影響を与えたバイブル的な本を紹介したいと思います。


その本は・・



「待つ」ということ / 鷲田清一



です。(^-^)



この本との出会いは、高校生の頃の現代文の授業でした。

当時、授業でこの本の内容を勉強するまでの僕は、正直に言って現代文の授業を軽視していました。

数学や英語の方が知識が体系的に身につくので、取り組んだだけ勉強が進んでいる感じがして好きだったのです。

ところが、そんな当時の僕にもこの本の内容は刺さりました・・😲


その内容の一部を簡単にまとめると、


・現代人は、全てにおいて待てなくなっている。
・待ってくれる人がいる、何かを楽しみに待ちわびる、そういった感受性が失われる危機に瀕している。
・これは、かつてないスピードで変化・発展する社会が人々に要請していることである。
・この社会に適応して生きていく過程で、人は待つことを放棄せざるを得ないのだろうか。


このような感じです。
ちょっと難しいかもしれませんね笑。



当時の僕は、この内容を勉強した後、言い表せない感動を覚えました。

今思えば、自分の社会の捉え方が変わり、世界がぐっと広がった感覚でした。

そして、今までに考えたことのなかった「待つ」ということについて、自主的に考えることをしてみました💡

現代に暮らす私たちは、今やモノやサービスが行き届いた社会で生活しています。

ここに至っては、あらゆるモノが望めばすぐに手に入るため、逆にすぐ手に入らないとイライラしてしまいます。

人間関係においては、LINEの既読機能が代表的ではないでしょうか。

既読がついたのに、すぐに返信がないと焦ったり、不安になりますよね。

・なんですぐ返信してくれないの?
・私より大事な人がいるんじゃないか・・
・早くみんなの予定を調整したいのに、あいつだけまだ返信来てないし、早くしろよな。


このように、待てないということは、人間関係において軋轢を生むきっかけになると思います。

しかし、これは待てない人々の人間性に問題があるわけではなく、みんな自然にこのような感情を抱きますよね。

つまりこれは、急激に加速する社会の変化が、人々に「待たないことを要請している」ということです。


何かをじっと待つこと、それは今の社会ではただの時間の無駄使いとみなされてしまいます。

時間を無駄にしていると、激しい社会の変化・競争についていけなくなってしまいます。

そうなると、人々は皆スキマ時間を活用して、効率的に同時並行でいろんなことを進めるようになります。


最近では、時短効率化を進めるためのスマホアプリも、たくさん登場しましたね。

それらを使いこなすことで、多くのスキマ時間が生み出されているはずです。


ところが、なんとその生まれたスキマ時間にさらに魅力的なスマホアプリ等が侵入してきています。

ここに至って、人々はかえって息苦しく、余裕が無くなってしまったように思います。

これが、社会が人々に「待たないことを要請している」ということです。




僕は当時を振り返ると、一冊の本が人の考え方・人生観に影響を与えるという、本の影響力を身をもって知りました。

進学する大学を選ぶ際にも、著者の鷲田清一が総長を務めている、という視点も踏まえて進学先を選んだほどです。


待てなくなった社会、すなわち人々が待つことに大きなストレスを感じるようになった社会でも、私は待つことを楽しめる人でありたい。


そんなことを考えさせられる一冊でした。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

※もし心に残るものがありましたら、コメント等していただけますと励みになります。

よろしくお願いします! (^-^)

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