超・箇条書き要約
結論
箇条書きをする過程に、コミュニケーションの本質がある。具体的には
・構造的な視点で考えること
・ストーリ性を持ち、相手に刺さるフックを作ること
・メッセージを持つこと
の3つである。今回はその3つの要素で私がここは特に大事だというポイントを絞って要約していきます。
べた書きと箇条書き
本題に入る前に次の2つの文章を比べて見てください。
(べた書き例)
チェーン店の牛丼は安くい。そのため、お金のない学生でも気軽に入ることができる。さらに、提供スピードが驚くほど速く注文してから2〜3分でテーブルに並べられる。極め付けは、味のクオリティだ!リピーターの多さが、その証明にならないだろうか!?
(箇条書き例)
チェーンの牛丼の魅力は3つ
安い
速い
美味い
前者を飽きなく読めた方はいただろうか?
自分なら後者の箇条書きを好む。
理由は簡単!処理量が少なく、分かりやすいからだ!
つまり、
箇条書きの機能=読み手の処理のしやすさだ!
べた書きと箇条書きの優劣をつけたいのではなく、状況に応じて使い分けしてほしいと伝えたいと筆者は訴えています。
普通の箇条書きでも魅力的だが、3つの要素を加えるとさらに魅力に磨きがかかる!
1 構造化
全体像が伝わる
2 物語化
関心を持ってもらえる
3 メッセージ化
相手の行動に繋がるようにする
1 構造化
新入社員Aさんの上司にメール報告をしたことを例にとって話を進めていく。以下の文章を見てほしい。
自分がこの社員の上司だったことをイメージしてほしい。
一見しても理解ができないことが多い。
ここで必要なのは、カテゴライズ!
さらにカテゴライズしたものに題名をつける!すると以下のように変わる。
いかがだろうか!題名をつけ、全体像をつけるだけで伝わる文章になってきたように感じる。
ここには、”時系列””ガバニング”といった要素も含んでいるが今回は説明を割愛する。
2 物語化
ただ構造化された箇条書きでは、人を動かすという目標にたどり着かない。
「聞きたい」「見たい」と人を惹きつける要素が必要である。
では、引きつけるためにはどーすれば良いのか?
キーワードはフックを作ること
=相手の関心を踏まえ、相手がドキっとする仕掛けを用意すること
フックを作る具体的なコツは3つ
1 )イントロでつかむ
=相手が期待していることを伝える。
転職時における自己PRを例にとり、みていく。
例えば採用面接の例めちゃくちゃ忙しい面接官は結論ファーストが良いとされる。
最初の例もテコ入れすると
ベタな例ではあるが、”相手の求めること”をイントロに持ってくることによりスッと話が聞けるのではないだろうか。
2 MECE崩し
=漏れなく、ダブりなくの考え方
早速、例を取り見ていく。
以下では、売上アップのための改善例を提示した文章である。
自分が上司だった時、とてもまとまっている文章だと感じる。
しかし小口顧客の改善策は聞きたいだろうか?エッセンシャル思考で考えれば、大口に尽力すべきである。したがって、瑣末な事は、書くべきではない!
それを踏まえると下記のように修正される
よりすっきりとした。情報処理量も少なくてとても楽に感じないだろうか.
つまり、反射的に網羅性を持たすのではなく、重要な部分を絞って使うことも箇条書きでは大事なことだ
3) 固有名詞を使う
一般名詞だとイメージしにくい
固有名詞はイメージが持ちやすい
2)で上げた例をとってみよう
”山本さん”という固有名詞を入れることで、イメージが持ちやすくなったのではないか。仮定の話だが、山本さんが交渉術に長けていれば
「山本がいるなら、うまくやれそうだ」と思うかもしれない。
また、”プラズマオプティファイ”という商品名を持つことで
「なるほど、◎◎の商品には、その消耗品であるプラズマオプティファイは売れそうだ」と思うかもしれない。
こうして、具体例を用いて相手のイメージ作りの手助けをすることが聞きたいと思わせるためには必要な要素である。
つまり、箇条書きは読み手のことをとことん考え抜く作業に他ならない。
3 メッセージ化
メッセージ化=スタンスをとること
例えば、以下のような決意表明があったとしよう。
いかがだろうか?それで?とは思わないだろうか。
以下では、メッセージ化のコツを3つ紹介する。
1)隠れ重言を消す
重言=”頭痛が痛い”や”顔を洗顔する”のような二重言葉だ。
次の言葉に重言はあるだろうか、考えてみてほしい。
サッカーの解説者が、
「日本はゴールがほしいですね」
サッカーの前提として、ゴールすること。つまり当たり前のことしか言っていない。これが、隠れ重言だ。
では、新入社員の例も考えてみる。
再掲載になるが見やすくするための配慮だと思ってほしい。
まず”お客様に喜んで~”の部分は当たり前のことである。
➡つまり、周囲の同僚には何も響かない
2つ目の”差別化された~”も競争市場なら当たり前のことである。
➡何も響かない
3つ目の”自分の信じる~”はスタンスが見える
⇒これは、スタンスが見えるためGOOD!
4つ目の”できる限り多くの~”は、一部、隠れ重言が入る。それは「できるかぎりだ」これは、当たり前のことである。
⇒後半部分の”数多くの新商品を作る”はスタンスが見えるためGOOD!
5つ目は、文全体が隠れ重言になっている。非効率に仕事をしてもらうことは誰も望んでいない。
➡響かない
6つ目の”すべてにおいて~”も、もっともらしいが当たり前で何も意味を持たない
➡響かない
つまり、生き残る要素は二つになる。
さっぱりしたが、メッセージは2つだけになる。
しかし、数が多いこと=正義ではない
こうして隠れ重言を消した方がよっぽど伝わる文章になるのだ。
2)否定で退路を断つ
新入社員の豊富を掲げる次の文章を見てほしい
・生産性を上げる
・衝突をいとわない
隠れ重言のようだが、見方を変えるとスタンスをとってるようにも見える。このような文章には、文頭に否定を持ってくるとより伝わるメッセージとなる。
・長時間労働に走るのではなく、生産性を上げる
・無難な道を選ぶのではなく、衝突をいとわない
こうするとその人のスタンスや覚悟が伝わりやすくなるのではないか。
絶対的否定を取りにくい場合は、ソフトな否定の2パターンを使うと良い。
「AよりもB」
当面は売上を追求する
これは隠れ重言と受け取られるパターンだ。
ここに「AよりB」の公式を当てはめると
当面は利益よりも、売り上げを追求する。
これでもスタンスに具体性が出てくるように感じられる。
「AからBになる」
一見否定に見えないが立派にAを否定している。
・ボリュームからバリューへ
これは1990年台のドコモのスローガンだ。状況としては
ポケベル>携帯
加入者がポケベルが多い時代だった。ご存知のように携帯の普及は不変的。であるならば、その先はクオリティ勝負になるとドコモが時代を先読みして、質を追求する決意表明である。
3)形容詞や副詞は数字に置き換える。
これは、そのままなので説明を省き、例題を見ていく。
学生の就職面接の自己PRを例にとってみよう。
それでは、修正版
赤字の部分のみ、変更したが、これだけでも読み方が変わるのではないだろうか。
所感
極めて明瞭でわかりやすい本でした。
余談ですが、内容はプログラミング構造によく似ていると思いました。
・宣言があり、
・上から時系列で書く(cssが入ると勝手は違うと思うが(外部なのか内部なのかによっても))
・クラス、プロパティ、メソッドのように指示をカテゴライズしていくこと
等々
200ページもない本です。また、今回はエッセンスのみ抽出しましたが、他の参考になる内容も多いので、よろしければ皆さまもぜひご一読ください。リンクを貼ります
久々の要約記事でしたが、楽しかったです。最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。少しでもためになった・役立った・楽しかったと思う方は”すき””コメント”をいただけると嬉しいです。
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