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入社を大きく左右する、採用担当者との関係性


リクルートとの出会いは衝撃的でした。私は“ミニスカート”に、会社と自分との将来の可能性を見ていたように思います。

しかし私が迷わず入社を決めたのはグループ会社のほうでした。リクルートの内定は辞退してしまったんです。

いろいろ理由はありますが、そこには中小企業をはじめとする小さな会社が採用活動で大手に勝つための担当者側の想い、姿勢、関係性構築力、何より戦略・戦術があったように思います。

●「おまえさー」で成立する信頼関係

当時のSマネージャー(採用実務責任者)とのやりとりを覚えています。Sさんはいつもオシャレで上品で、笑顔が素敵な、若くして出世したかっこいい人でした。

「そういえばさー、リクルートの面接ってどうなってんのー?」とSさん。
「実は明日最終面接なんですよー」と私は躊躇なく答えました。

そうするとSさんがこう言ったんです。

「おまえさー、うちに来たいんだったらさー、きっちりリクルート受かって蹴ってから来てくれよな。俺たちもそのつもりでやってっからさー」

“そのつもり”とは、日頃からプライドと誇りを持って働いている(当然リクルートよりも自分たちの会社のほうが素晴らしいと思っている)、ということだと解釈しました(今にして思えば“私がその気になる”“私向け”のフレーズだったんでしょうねw)。

そして“おまえ”と呼ばれたことが、既に君は俺たちの仲間だよ、とあらためて認めてもらえているようで嬉しかったことも覚えています。

「わかりました!」と私は答えました。そしてSさんとの約束どおりリクルートの役員面接を終え「内定」を確認した上で辞退しました。そして意気揚々とSさんに報告に行き、固い握手を交わしたんです。

……嗚呼、なんと純粋なんでしょうw

ここで特筆すべきは、内々定のタイミングで既に「おまえ」で成立する信頼関係が、採用担当者と学生との間で成立していたことではないでしょうか。

もちろん「おまえ」という言葉を必ず使ってくださいという意味ではありませんので、念のため。

●採用担当者の印象=会社の印象

学生にとっては採用担当者の印象=会社の印象です。“逆ハロー効果”と言えるかもしれませんね。

それは社風そのものですからあながち間違いではないのですが……今の私なら当時の私に「様々な角度から総合的に判断しろよ」と言ってやりたい気もしますw

ではなぜその関係が成立していたのか。

私が以下の3つを複数の採用担当者に感じていたから
だと思います。

1、圧倒的な人間的魅力
2、自社に誇りとプライドを持つビジネスパーソンとしての魅力
3、Open Mindで接し自分を理解してくれようと努める良き理解者、相談者としての魅力

細かく見ていきます。

1、圧倒的な人間的魅力

「会社の中で最も魅力的な人を採用担当者に据える」というのが王道ですが、そうではない企業が多いのはとても残念なことです。難しければ2をしっかり体得する、学生の“気持ちに寄り添い”3を実践することが重要です。

2、自社に誇りとプライドを持つビジネスパーソンとしての魅力

自社で働く魅力が整理されている、そこに独自性がある(必3C分析、SWOT分析)、そして言語化されていること、そしてそれを相手に合わせて提供して行くことです
中小企業で弱いのはこの2、そして次の3の特に(2)です。準備に時間をかける必要があります。

3、 Open Mindで接し自分を理解してくれようと努める良き理解者、相談者としての魅力

(1)まずは単純接触回数を増やすことが重要です(直接接触に限らず)。学生が今どういう心境なのかを理解して、適切な情報を提供する、適切な人と面談の機会を作るといったことを“タイムリーに”畳み掛けていくこと。そして聞かれたらあれやこれや隠そうとせず素直に答える。下手に隠そうとすると不信感となって募ります。

(2)適切な人と接触させるためには、社内の協力態勢が不可欠です。この点ものすごく大変なのですが、採用の重要性を全社が理解し、いい人を全社で獲りに行くという意識の醸成、モチベーションの維持も採用担当者にはとても重要な仕事です。

ちなみにリクルートの採用担当者にも1、2、3は感じていました。でも接触回数に圧倒的な差がありました。採用担当者ひとりあたりの対応学生数が桁違いだったんだと思います。私の自己承認欲求が強すぎたのかもしれませんが。

●まとめ

相手の気持ちに寄り添って丁寧に接して対応して行くことはもちろんですが、結局自社で働くことに担当者自身が心から誇りとプライドを持っているかが最も問われます。それが持てないとすればなぜか。どうすれば克服・改善できるのか。そして全社を巻き込めるのかが重要です。

また、一括採用が崩壊したことは、自社に合った採用活動が展開しやすくなったことでもあります。すべてを機会と捉えてPDCAを回して行く精神も、今まで以上に重要でしょうね。

ここまでありがとうございました。



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