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「貨幣の信用」と「貨幣の価値」3   ―金本位の「貨幣の信用」ー

それでは、全世界、全社会、全時代において「貨幣の信用」が普遍的に存在していることを証明してみようと思います。

まず、金本位制の時代、貨幣は金との兌換が可能でした。兌換(交換)は政府が保証していました。
そこで、以下のような形で貨幣に信用が生まれました。

貨幣は金との交換が必ず、絶対に行われるという信用があるため、その貨幣には金と同じ価値がある、と信用される。

これは、言葉を変えればいろいろなものに当てはめることができます。
例えば暗号資産(仮想通貨)でいうビットコインで当てはめてみましょう。
ビットコインは日本円との交換が必ず、絶対に行われるという信用があるため、そのビットコインには日本円と同じ価値がある、と信用される。

米ドルとの固定相場制の国であるレバノンの通貨、レバノンポンドだとこうなります。
レバノンポンドは米ドルとの交換が必ず、絶対に行われるという信用があるため、そのレバノンポンドには米ドルと同じ価値がある、と信用される。

韓国のウォンだと中国元との通貨スワップが行われているので、
韓国ウォンは中国元との交換が必ず、絶対に行われるという信用があるため、その韓国ウォンには中国元と同じ価値がある、と信用される。
ということになります。

つまり、ビットコインの信用や、固定相場制の国の貨幣の信用、通貨スワップを行っている国の貨幣の信用は

疑似的な金本位制を踏襲している


わけなのです。

逆説的に「貨幣の信用」というのは「金本位制」の時点でも、―もしかしたら「貨幣の価値(金の価値)」と混同していたかもしれませんが―、確実に存在していた、ということが証明される、と思います。

そして、金本位制、というのは遡れば、金を貴重なものだと考え、通貨として利用した古代の時代から存在しているわけなのですから、
「貨幣の信用」というのは、ほぼ人間の貨幣の歴史において普遍的に存在していることは既に証明されている、と私は考えています。

次は、「貨幣の信用が壊れる」ということは上記を踏まえた上で、どういう状態のことか?ということを説明してみます。

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