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無視の弊害と後遺症

もう8年ちょっと前の話。
離婚前の話。

夫が子どもたちとの関りを避け、仕事以外は二階の部屋に閉じこもり、
私を存在しないものとして無視していた時のこと。

どうしてそんなことをするのかの説明もなく、
私が何か聞いたら、黙って布団に潜り込んで、ひたすら無視だった。
子どもたちの誕生日も、参観日も、私の手術も、無視だった。
はっきりとは思い出せないけれど、
ある日夫が蒸発するまで、約8か月間は続いた。

その時の気持ちを思い出すと、
「あー、私は無価値だなー」という気持ちになる。

いや、絶対にそんなことはないのだけれど。

メンタルが弱ると、世界が狭くなる。
夫の反応が、自分の世界の大半を占めてしまって、
客観性を失って、理性ではなく、感情で脳が支配されてしまう。
夫に嫌われることが、死ぬほどの恐怖になってしまっていた。
人一人に嫌われたって、宇宙から見ればなんてことないのに。

どうしてこうなったの?
あんなに優しかったのに。
幸せだったのに。
楽しかったのに。
どうしたら取り戻せるの?

積み上がらない思考がぐーるぐる。

私は、原因を知って、改善して、再構築して行こうと思っていた。
夫は、原因には蓋をして、自分が一番傷付かない方法を取ることだけに集中していた。

お互い、もう、違う方向を向いていたんだから、どうしようもないのに、一生懸命抗った。

「高校からの長い付き合いで、本当に優しくて、家族思いだったのに、他人格になってしまった」と、
本気でその時は思っていたけど、
今思えば、最初からそういう人だったのに、色眼鏡をかけて相手を見てしまっていた。
相手を正しく見ることができていなかった。

無視によって地の底まで落ちた自己肯定感を、死守するためにも抗った。
「自分にも原因があった」「相手は変えられない」と、
自分が思い知り切ることができるまで、抗った。

無視に耐えながらの、小さい子二人を一人で育てながらの、病気治療しながらの、仕事。
身体や脳のキャパが限界だったんだろうけど、
車脱輪したり、車同士で接触しそうになったり、仕事の優先順位がつけられなくなったり、
普段なら起こらないようなことが短期間に次々起こった。

しかも、後遺症もあるんだから、難儀な話。
もう8年経つけど、どこかで、人を信用しないように防御してしまうところが残ってるなーと感じる。
もうあんな目にあうのは、絶対嫌!!!!!と、思うがあまり、回避してしまうとか。
適度な距離?冷静さ?と、頭で考えることで乗り越えようとして、
心が置いてけぼりだったり。
心のままに、自由にやってみて、何か起こればその時だし、
自分が先に信じないと、相手だって信じようもないのにね。

本当に、メンタルの安定って、人生の基礎。
私はこの経験から、無視ひとつで、じわりじわりと人を殺せるなと実感した。

元夫の無視は、めちゃくちゃわかりやすいのだけど、
見た目にはわかりにくい、無意識にしてしまう無視もある。
相手の話を聞き流したり、
頭の中が自分自分で、相手の気持ちを受け止めていなかったり、
どうせこう思ってるんでしょ…と、自分の解釈を相手にぶつけてしまったり。

そんなことを自分がしていないか、日々気を付けて生きるようになった。
まだまだだけど、
せっかく経験したんやから、自分の肥やしにせんとな。

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