しわのあるエンドウ豆 _『リファ』#07【小説】
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家の中の世界は、小さな私に友好的で親しみ深かった。
在日二世である両親は、「生活は日本にある。ルーツは韓国にある」それ以上でも以下でもない事実として受け止めていた。私と兄にも伝えていた。
両親ともに大学まで進学し、その後も歴史書や学術書を好んで読んでいた。日本のことも韓国のことも中立に見ようとしていた。
母はただ、事実として存在する違いを、その時々で話してくれた。
何気ない会話の中で、在日韓国人が使う日本名には、ある種の