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初めての簡単なイベント開催計画の立て方【8W1Hの企画手順:3】

こんにちは。

イベントづくり先生のオーガナイザーM(@organizermanual)です。

前回、前々回と続いてきた初心者のための「8W1H」のフレームワークを使った企画立案手順の最終回です。未読の方は先にこちらの記事からご覧ください。

8W1Hの「How」の役割と足りないところ

前の記事で、Wの質問群は企画を作るための問いでHは企画を実現するための問いだというお話をしました。日本語で言うと「何をするか」「どうするか」という違いですね。

「1H」が何のためにくっついているのか

「最近、どう?」

っていう質問ってけっこう困りませんか?

「1H」という括りはこれと同じくらいざっくりした、ちょっと大雑把すぎる問いです。

「8W」で詳しく描いたやりたいイベントに対して、「ふーん。で、それどうするの?」と真顔で質問されるようなものです。

ただ、企画というのは立てただけで満足してしまいがちなので、そこに「1H」が居てくれることで「ちゃんとやり方まで考えよう!」ということを忘れない意味があります。

「How」で始まる疑問形のバリエーション

中学・高校の英語の授業で「How」で始まる疑問表現を無数に習います。つまり、「どうするの?」の中にはそれだけ多くの質問が含まれているということです。

代表的なところだと…

How much いくらで(予算)
How many どのくらいで(規模)
How long どのくらい長く(開催期間)
How often どのくらいの頻度で(開催頻度)

キリがないのでこのあたりにしますが、「How+形容詞」でいくらでも量産できるのがHowの疑問表現です。

イベントをやろうと思えば考えるべきことは無限で、しかもその内容はやりたい企画内容によって異なってきます。

「どうする?」を分解する3レイヤー~戦略・戦術・具体策~

先ほども述べたように「最近、どう?」という問いはざっくりして掴みどころがありません。

だからイベント開催を「どうする?」も、もう少し小分けにして考えやすくする必要があります。そこでいったん次の3つに分けてみましょう。

つまり…

1.戦略
2.戦術
3.具体策

「戦略」と「戦術」はビジネスやスポーツの経験がある方は聞いたことがあると思います。ポイントはもう1つの「具体策」というレイヤーの存在です。これがあることで、あなたは今日からイベントの準備を始めることができます。

1つずつ見ていきましょう。

1.イベントづくりの方向性を決める「戦略」

「戦略」は「8W」を使って考えた企画を開催するための道筋を立てるための大まかな方向性を定めるものです。

ここで主に考えるべきはヒト・モノ・カネという重要なリソースの獲得と割り振りです。例えば…

・一人で準備するか、仲間を集めるか?
・必要な資材は借りるか、買うか?
・資金はどこから集めるか?

ヒトについて、一人で準備するなら自分自身が引き受けられる労力を見極めて破綻なく運営していく必要があるし、人を集めるならどんな人を、どこから、何人を連れてくるかを考える必要が出てきます。

モノについて、何が、どれだけ必要で、それをどうやって調達するか。単発イベントならレンタルが賢いですが、継続するつもりなら購入した方が安くつくかもしれません。その場合は、保管方法なども課題になってきます。

カネについて、チケットや入場料を取るか、一般客は無料にして協賛金や負担金を集めるか。もちろんミックスでも良いはずです。資金をいくら、どうやって捻出するかでイベントの性格は大きく変わります。

2.戦略目標の達成方法を決める「戦術」

戦略を立てると「自分がやりたい理想のイベント」を開催するために必要なリソースの量と、それらは集め方や配分にどんな選択肢があるのかが分かります。

では、それら必要なリソースをどうやって集め、どうやって配分するかを考えるのが、次の「戦術」というレイヤーです。

[ケース1]

スタッフを5人集める必要があり、1人はお金を任せられる信頼できる仲間であって欲しい。また、最低1人以上は交通誘導ができる警備責任者の資格を持った人が必要だという状況ではどうでしょう?

まずは、家族や親族、また付き合いの長い友人に頼るとして、専門家は心当たりがない。次善の策として、先に別のイベントを開催している知人に紹介を頼ることになるかもしれません。そういう伝手がなければ、警備員派遣会社を探すことも選択肢に挙がります。

[ケース2]

60万円の開催費用を来場者の入場料で資金を賄うと決めた場合、1人6000円なら100人、3000円なら200人を集める必要があります。さて、どうやって?

100人くらいなら知り合いに片っ端から声を掛ける手がギリギリ使えるかもしれません。200人なら流石に手売りだけだときつくなるので、SNSで募集を併用したり、プレイガイドやWebチケットサイトに載せることも選択肢です。

イベントの魅力を伝えるために、公式サイトやブログで詳しく説明したり、地域に根差したイベントならば人が集まるお店にチラシを設置することも効果的かもしれません。

このように、戦略目標を起点に達成方法を考えれば「どうする?」の中身が徐々に明らかになってきます。

3.戦術目標を必ず達成できる行動に落とし込む「具体策」

3レイヤーの最終仕上げにあたる「具体策」は、戦術で検討した方法をあなたが今日からできる行動に変換する作業です。

先ほどの[ケース2]の事例を引き継いで考えてみましょう。

戦術レベルで「SNS告知と地域のお店にチラシを配って1人3000円の入場料でお客さんを200人集める」という選択をしたとします。

これを「具体策」に変換するとこうなります。

・SNSに投稿する画像や文書を作る
・毎日1回はSNS投稿をする
・チラシを作る
・地域の10店舗の飲食店にチラシを置くお願いをする

「具体策」は不確実性が排除された行動でなければなりません。

「SNSで200人のお客さんを集める」ことはできないかもしれませんが、「毎日1回SNS投稿する」のはあなたのやる気次第です。チラシも紙に書いてコンビニでコピー刷れば必ず作れますし、それをお店が置いてくれるかは分かりませんが、地域の10店舗にお願いするだけなら必ず達成できます。

ここで更に重要なのは「具体策」が必ず達成できることで、行動の結果(成果)を数的に分析でき、行動を改善できるようになることです。

例えば、15店舗にお願いして10店舗が50枚ずつチラシを置いてくれると1週間に1店舗あたり2人の申し込みがあったとします。開催まであと1か月=4週間…このまま申し込みは100人で目標に50%も未達…

マズいと思ったあなたはこう考えるはずです。

「反響の良かったお店と同ジャンルのお店に更に15店舗、チラシを置かせて貰えるようにお願いしてみたらどうだろう!?」

まとめ

今回の記事をまとめると、やはりこれです。

「どうするの?」を戦略・戦術・具体策の3つのレイヤーに分解することで、行動が具体的になり、反省も具体的になるので、行動の改善も具体的になります。

更に言えば、「8W」もあなたの「イベントやりたい!」を具体化するプロセスでした。

企画の役割は「何をする」にしろ「どうする」にしろ、漠然とした理想を具体的な答え(Answer)や行動(Action)に落とし込むことです。

ぜひ、この3記事を何度も読み返しながら、あなたのやりたいことを具体化させてください。

次回は、そうしてできた企画を誰かに説明するための「企画書」「提案書」についてお話します。

ぜひ最後までお付き合いください。

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