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初心者オーガナイザーに分かりやすいイベント企画の作り方【8W1Hの企画手順:2】

こんにちは。

イベントづくり先生のオーガナイザーM(@organizermanual)です。

前回に続いて、初心者が頼るべき企画立案手順(フレームワーク)をレクチャーします。未読の方は先にこちらの記事からご覧ください。

今回は実際にフレームワークを使った企画の立て方についてお話します。使用するのは前回ご紹介した「8W1H」の思考方法です。

実は万能フレームワークな「5W1H」思考法

「8W1H」思考法は、誰もが小学校の作文の授業で習う「5WH1」をアレンジした私独自の企画の立て方です。

フレームワークというと、ビジネススクールで勉強するような複雑なモデルを想像てしまいがちですが、個人的には考えを整理するのに最も汎用性が高いのは「5W1H」の思考法だと思っています。

・いつ(When)
・どこで(Where)
・誰が(Who)
・何を(What)
・なぜ(Why)
・どうする(How)

…というアレです。

ただ、イベント企画に使うには少し物足りないところがあるので、想定しておいた方が良いことの網羅性を上げるために、Wを3つ付け足しました。

つまり…

・いつ(When)
・どこで(Where)
・誰が(Who)
・誰と(With Who)
・誰のために(Whom)
・何を(What)
・なぜ(Why)
・何のために(For What)
・どのように(How)

です。

「8W1H」のWとHの違いを理解しよう

「5W1H」ってH=Howだけちょっと異質だなと思ったことありませんか?

その感覚は正しいです。

企画において、Wの質問群は企画を作るための問いで、Hは企画を実現するための問いになっています。しかも、1Hに短縮された「どうする」の中には色んな要素があります。

だから、何となく「どうするかな〜」と考えても、漠然としたことしか思いつかないことがあり、しっかり突き詰めるにはテクニックが必要です。

Hまで語ろうとするとかなり文字数が増えてしまうので、今回はWの分について先ず説明し、次回にHの解説をさせてもらいます。

「8W」で3つのイベント構成要素の解像度を高める

このnoteで、すべてのイベントに共通する3つの構成要素を紹介しました。

1.場所 どこに集まるか?
2.人  誰がやってくるのか?
3.目的 そこで何をするか?

個人主催イベントを始める方法〜まずどこから手を付けるのか?〜

イベントはこの3つが揃った時に成立します。そして「8W1H」の8Wは質問グループごとにこの3つに対応しています。以下、順に説明します。


<第1グループ> イベントの場所に関する問い

「いつ(When)」「どこで(Where)」の2つはイベントの開催地点を決める質問です。「Whenは時間じゃないか!」と仰る方もおられますが、未来のどの時点で集まるのかという意味では、時間軸上の地点を決めるのだと思ってください。

ここで大切なのは「そのイベントに相応しくて、集まりやすい地点をどこに定めるか?」です。

同じ内容のイベントでも春と夏と冬では雰囲気がガラッと変わるし、新宿や渋谷のような繁華街で開催するか、郊外の長閑な田園風景の中で開催するか、オンラインか実際に集まるのか、昼か夜かによってまるで別物になります。

特に場所には積み重ねてきた固有の歴史や文化があるので、隣同士のA店かB店かでさえ、企画そのものが変わるくらいの影響があります。

もし、開催場所や日時をあなたの裁量で決められるなら決して妥協なく行うことをお薦めしたいです。


<第2グループ> イベントに参加する人に関する問い

「誰が(Who)」「誰と(With Who)」「誰のために(Whom)」は構成要素の人についての質問です。「5W1H」から2つ追加してあります。

それぞれをもう少し噛み砕くと…

誰が(Who)…あなたは何者で、何ができて、何ができないか?
誰と(With Who)…協力してくれる(欲しい)パートナーはどんな人か?
誰のために(Whom)…そのイベントは誰のために開催するものなのか?

ということになります。

イベントは1人では開催できません。あなたは万能ではなく、できないことは誰かに、何らかの形で頼ることになります(ボランティアかもしれないし、有償スタッフや資金の支援者かもしれません)。もし、あなたが「やりたい」だけで誰も見向きもしなければ、人は集まりません。

場所選びだって、最終的には集まる人に依拠します。

イベントに係る人について深く掘り下げるほど、成功は近づきます。


<第3グループ> イベントの目的に関する問い

最後に残った「何を(What)」「なぜ(Why)」「何のために(For What)」はイベントに集まる目的を明らかにするための質問たちです。ここも「5W1H」に1つ追加してあります。

この3つは現在・過去・未来の時系列になっています。

「なぜ(Why)」はイベントを開催する動機であり、参加者が抱えている課題やその原因です。時系列で言えば過去です。

「何を(What)」は課題に対するあなたからの提案であり、時系列はイベントの開催時点=現在です。このイベントに来ることで、課題のいくつかが解消されて参加者は満たされます。

「何のために(For What)」は課題が解決された参加者の未来。参加者はどうなることを求めてあなたのイベントに来るのかに関する考察です。

参加者と現在・過去・未来を共有できたイベントの満足度は非常に高いものとなります。


以上、8つの問いに対する答えを紙の上に書き出して見える化するだけで、あなたは自分が本当に開催したいイベントが何なのかをよりハッキリと知ることができます。

フレームワークによる企画立案で最も大切なこと

最後に、こうしたフレームワークを使った企画立案で絶対に守ってほしいルールをお伝えします。

それは、もし答えが分からない問いがあったら一旦とばして必ず一通り最後までたどり着くことです。

8つのWを見て既にお気づきだと思いますが、場所について考えるには、人に関する考察が必要があり、人について考えるには目的の深堀りが欠かせません。そして、何をするかは場所の影響を強く受けます。

複数の問いの間を行ったり来たりしながら少しずつ企画の解像度を上げていくのがフレームワークを上手く使うコツです。

人は「分からない」ことを意識していれば、カクテルパーティー効果が働き、自然とアンテナが立って、大切なヒントが近くにある時に気づきやすくなります。

だから、まずは一通り問答してみることから始めてみてください。

まとめ

ご紹介した8つのWに答えるだけで、だいぶ頭の中がスッキリしたのではないでしょうか。このようにフレームワークを使うことで、1人では考えなかった細部まで想定して、企画の密度を高めることができます。

「8W1H」思考法はイベント企画以外にも様々に応用できるので、色んな機会に使ってみてください。

次回は、企画編の最終回として残る「1H」について説明します。

ぜひ最後までお付き合いください。

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