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逆算思考でプロジェクトをゴールへ導くスケジュール管理の考え方

こんにちは。

イベントづくり先生のオーガナイザーM(@organizermanual)です。

このnoteは、インターネットや趣味の繋がりを活かして自分のイベントを立ち上げたばかりの初心者オーガナイザーさんに向けて、個人主催イベントから起業して10年以上プロイベンターとして活動した私の経験を元に「転ばぬ先の杖」となる知識や情報をご提供しています。

タスク管理、リソース管理について述べてきた第三部「プロジェクト管理」編は今回から数回に分けて解説するスケジュール管理で締め括りです。

これまでの記事を踏まえた内容になるので、未読の方は先にこちら↓の記事も読んでおいてください。

タスク管理の基本。抜け漏れの無い完璧な作業リストの作り方
タスク管理の基本2。作業の優先度を時間と重要性で判断しよう!
リソース管理の基本。「ヒト」「モノ」「カネ」「トキ」の定義と特徴
リソース管理の基本2。仕事を仲間に依頼しない管理職は罪?

「スケジュールを立てる」なんて、誰にだってできそうなものなのですが、実はこれが意外と難しいものです。

スケジュールづくりで失敗した経験も踏まえて、スケジュールを立てる理由や、スケジュール管理によって何が得られるのかどうすれば正しくスケジュールを立てられるのかについて解説していきます。

スケジュールは予定通り仕事をする為の計画表…じゃない!

ある時、私はその時に仕事を手伝ってくれていたスタッフにスケジュールづくりを丸投げし、そして手痛い失敗を経験させてしまいました。

彼はステージ周りことは任せておけばどんどん前倒しで仕事をこなしてくれる優秀なエンジニアで、非常に信頼しているスタッフでした。でも、スケジュール表はいつまで待っても提出されません。気になって見てみるとうんうん唸るだけで、ぜんぜん形になっていません。

もうちょっと待ってあげようと思って、少しばかりアドバイスして、その場を立ち去ったものの、翌日も、その次の日も報告はなく、最後にはお手上げ状態になってしまいました。

曰く「不確定要素が多くて、予定通りに作業が進んむか分からないから、その先の計画が立てられない」というのです。

彼にとって、スケジュールというのは記された通りに仕事をする為の計画表であって、何もないまっさらな領域に道を描く作業は未経験でした。

現場で作業をする立場とプロジェクトを管理する立場ではスケジュールに対する捉え方がこうも違うのかと、雑に丸投げしたことを悔いました。

リーダーやマネージャーにとって、スケジュールを立てる意味は現実の作業が机上で考えた理想的計画からどの程度ずれるのか、その差分を把握することであって、絶対にスケジュール通りに作業を進めることではありません。

差分をいち早く把握して意思決定できれば、結果的にプロジェクトは期限までに達成され、また次回のイベントの制作スケジュールの精度を高めることにも繋がります。

あなたのプロジェクトは予定より進んでる?遅れてる?

前回の記事までの内容を実行していれば、あなたは既に理想のイベントを開催する為に必要なタスクと、それを実行する為に用いることができるリソースを把握しています。

今、スケジュールづくりは一旦脇に置いて、イベントの準備を始めてみたとしましょう。

あなたもスタッフも頑張って最高の仕事をしようとします。1つのタスクが終われば、次のタスクに取り掛かります。皆が夢中になって取り組んで、非常に質の高い作業ができていて、心も充実しています。

…そして、直前になって時間が足りないと気づいて、ともかく間に合わせる為に仕上げが雑になる…というパターンはあるあるですよね。

いかに早く「このままでは間に合わない」と気づけるか?が重要です。

ここで力を発揮するのがスケジュールです。

タスクを処理すると言っても色んな片づけ方があります。

タスク処理のパターン
・手作業で時間をかけてじっくり作業する
・時間優先で最低限必要なことで完了する
・人員を投入して人海戦術で処理する
・お金をかけて外注する
・機械を買って自動化する

現場の人は、基本的には質の高い仕上がりを求めてお金と時間をかけてしまいがちです(個人的にはそれは正しい姿勢だと思います)。

しかし、プロジェクト全体を見れば適度に要領よく処理して貰わないと困る局面が多々あります。また、ちょっとしたトラブルが重なることで容易に時間は浪費され、その後の工程を詰める必要がでてくるものです。

故に、管理者は今プロジェクトの進捗が遅れているのか、それとも余裕があるのかは常に最優先で把握しておく必要があり、それは「スケジュールに対して現状はどの程度の開きがあるのか」を日々確認することと同義です。

理想のスケジュールから逆算で作業に掛ける時間を考える

スケジュールとはただ守るべき計画表ではなく、理想と現実の差分を測るもの指しです。

だから、最初に立てる計画は、不確定要素を一旦脇に置いて、理想通りに作業が進む想定で自由に考えます。

イベントの場合は開催日は予め(又は計画の早い段階で)決まっており、「最終締切」が明確に存在する中で、今あるリソースを用いて、処理すべきタスクを最大限ハイクオリティでこなして行った場合の理想形をまずはスケジュールとして落とし込みます。

当然、実作業に取り掛かれば、すぐに理想と現実のギャップが現れます。

現実が理想よりも前倒しになっていれば…①更に先の作業も前倒して行うか、②今行っている作業のクオリティを上げるかの判断ができます。

逆に、理想に対して現実に遅れが生じていれば…①作業を理想のラインに戻す対策を講じるか、②現状に合わせて後のスケジュールを修正する必要がでてきます。

ここでもイベント主催者の役目はやはり意思決定です。

まとめ

お気づきの通り、この考え方ではスケジュールは常に修正を余儀なくされることになります。理想の事業は不断の意思決定とそれに基づく変更や修正を積み重ねによって達成されるものです。

官僚組織のような場所では、計画変更は何だかよくないものと捉えられがちです。特に、組織の下層に行くほど「計画変更は許されない」という雰囲気が漂い、現場に負荷がかけられます。

しかし、スケジュールは部下を縛って無理をさせる道具ではありません

この点は履き違えてはいけません。

最初はたいへんだと思いますが、慣れてくるとスケジュールを立てている時点で、おおよそトラブルが発生しやすいポイントや、逆に前倒しで着そうな部分が見通せるようになります。

そうなれば、予め「プランA」「プランB」を備えることもできます。

一歩先が見えているリーダーは、未来の預言者ではなく、理想の形から逆算して、何パターンものスケジュールを想定している努力家に過ぎません。

次回は、具体的にスケジュールを使って進捗管理をするためのテクニックについて紹介します。

ぜひ最後までお付き合いください!

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