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その日の前に(著 重松 清)

難易度12で読破

7話からなる短編小説です。タイトルにもなっている「その日の前に」は最後から3つ目の話に登場します。各話は、それぞれ独立してるようで、繋りもあります。こういう手法は、荻原浩先生や本を跨いでの繋りだと中山七里先生も多用しています。人生は大抵どうにかなるものですが、中にはどうにもならないことが起きます。本書はその現実を受けとめ生きていく人間模様が描かれています。読者によっては未だ経験していないこと、今まさに経験してること、経験済みの人など色々いるかと思いますが、その距離感で共感する度合いが変ってくるでしょう。私は共感し、目頭が熱くなる場面がいくつかありました。

- ショパンの葬送行進曲
  - フレデリック・ショパンが1827年に作曲した作品。
- ヒステリア・シベリアナ
  - 東も西も、南も北も、ひたすら地平線しかみえない何も無い平坦なシベリアの農地で働く農夫がある日突然、
    鍬を放り出してふらふらと西に向かって歩き出す彼は何も食べず、何も飲まず、
    ただひたすら来る日も来る日も「太陽の西」を目指してどこまでも、どこまでも歩いてやがて最後は倒れて死んでしまう。
    この病気実は村上春樹さんが創作した「架空の病」
- ニイニイゼミ
  - セミの一種。日本・台湾・中国・朝鮮半島に分布する小型のセミ
- スキルス性
  - 悪性腫瘍にみられる間質が多い癌の一種
- 尊厳死とリビング・ウィルとターミナル・ケア
  - リビング・ウィルとは生前の意思という意味
  - ターミナル・ケアとは終末期医療
- ヒア・カムズ・ザ・サン
  - ビートルズの曲
- 小春日和
  - 春の天気ではなく、秋の終りや冬の初めの天気
- 落伍
  - 能力不足のため、仲間から後れること
- チアノーゼ
  - 皮膚や粘膜が青紫色である状態.一般に、血液中の酸素濃度が低下した際に、爪床や口唇周囲に表れやすい。
- 永訣の朝
  - 宮沢賢治の詩
- 久闊(きゅうかつ)
  - 久しく会わないこと。また、便りをしないこと。無沙汰 (ぶさた) 。「―をわびる」
- 平岡篤頼(ひらおかとくよし)
  - 日本の仏文学者、文芸評論家、作家。早稲田大学名誉教授。

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