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「私を知らないで」を読んで(とりあえず皆さんに読んで欲しい)

 結末に驚いた。単純ではあるがこんな解決方法があるんだとびっくりした。読み進めていけばいくほど、登場人物には、幸せになって欲しい、ハッピーエンドになって欲しいと思った。でも難しいかなと思っていた。だからこそ、最後には本当にびっくりした。ネタバレせずに、この本の素晴らしさを伝えるのは無理である。自分たちの世界の中で、それぞれの信念で生き、できることを必死に考える中学生達の生き様に単純に感動しました。
 転校を繰り返し波風を立てない方針の男の子、貧乏でクラスからは完全に孤立している女の子、強引な性格のもう一人の転校生、この3人のそれぞれの悩みや成長をミステリー的に描いた作品です。
 「私を知らないで」というタイトルも秀逸と感じました。”私という人物が何者であるかを少しづつ明らかにしていくミステリー的な要素”と”私を知られてしまうことに対する葛藤や期待といった感情がテーマであること”の両方の意味をかけたタイトルなのかなと、勝手に解釈しています。とりあえず、読んで良かったと思った作品。みんなに読んで欲しい作品です。
タイトル:私を知らないで 作者:白河三兎 出版社:集英社 8/31読了


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