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【緊急テーマ】経験しながら学ぶ Withコロナ時代のリーダーシップと組織への向き合い方③

これまでの2回ではWithコロナ期におけるリーダーの認識(パラダイムとその自覚)について、そしてこの時期を前進すべく自他ともに成長のゾーンに導くあり方について述べてきた。そして、今回は成長ゾーンに入ったリーダーが何を羅針盤に進むと良いかについて考えてみたい。

昨日いよいよ全国に緊急事態宣言が発令された。この全国への緊急事態宣言が発令される前から多くの方が実感していること。それは世界中でどんどんと『空間』と『移動』に関する制約が増えていくことである。すなわちそれは人が認識する物理空間が縮小していくという変化が生まれていることになる。空間が縮小するとそこには不自由さが生まれる。人は元来よく生きたいと願うもの。その不自由さを自由にするための知恵とエネルギーが働くはずである。おそらくこの期間が長引くとするならば人の『空間』と『移動』という概念の認識が変わり、ここに革命を起こしたビジネスが牽引することになるかもしれない。

では、物理空間が縮小する代わりに何が起こっているのか。それは多くの方が実感している通りデジタル空間の変化である。多くの人がすでにご存じのようにzoomはbeforeコロナ期には1000万人だった利用者がコロナ感染拡大後には20倍の2億人になるほどの変化。さらにslackの利用者は同時期で比べると250万人延びた。youtubeは利用者に変化はないものの、需要のある時間帯が増えるなどの変化が生じている。またネットスーパーの利用者も急増しており、スーパーによっては4月に4倍近くの利用者となったところもある。

このような動きを踏まえ、一次と二次パラダイムの時間軸を組み込んだうえでここからの移行について下の図のように考えてみた。

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あくまで一つの見方である。

このコロナ期の初期では、物理空間において現在コロナによる直接的な被害(医療分野など)への対応の他、空間の利用制限と移動制限が生まれる一方で、デジタル空間における既存のサービスが物理空間の代替や支援的位置づけで活用が急速に進んでいるというのが今の状態である。

ここから何が起こるのか。私は現在のような代替ではなく、このデジタル空間の自由自在度を挙げていくことに意識が向いていくことで、よりデジタル空間においてbeforeコロナ期の物理空間の自由度と同じような快適さを求めていくようになると想定している。すなわちそれはデジタル空間の既存のサービスが学習することにより進化・発展を加速させることにつながる。またそれに従い、人々はデジタル空間で自由自在度を高めるための能力(応用力)を次々と獲得していくように思われる。

コロナ期に入って、多くの人たちがこれを期に知ったITシステムやサービスがあったはずだ。だから慣れの期間としてこのまま進む。とはいえ、これまで使用していなかった多くのユーザーがこの期に使用を始めることで、同時におのずと様々なニーズが生まれ、既存のサービスが盛んに応用され始める段階が始まるはずである。

これまで多くの人にとっては、デジタル空間は物理空間の延長であり、サポート機能として物理空間で起きていることを効率化してくれていた。しかしここからは、おそらくそうではない。しばしの間、デジタル空間はメインフィールドとしての進化を遂げていくのではないだろうか。デジタル空間での自由度が高まることで結果的に物理空間での自分とデジタル空間での自分という2つの空間に存在する自分の2元管理が当たり前になっていくという想定だ。

このremoというサービスはその片鱗を感じさせている。

このようにデジタル空間におけるリアリティの高まりと、物理空間で出来ていたことが次々とできるようになっていく。そうなると働き方にも変化が生まれる。多くの仕事がデジタル空間で完結できるものへと変容していく。一方でこのまま懸念された通り経済が縮小していくと仕事のサイズもおのずと小さくなるはず。そうなると、仕事の時間が短縮され、給与も減少し、副業を持つ人が増えるとともに、固有の余暇が生まれ始める。

この段階がwithコロナ後期に重なるようにも思うのだ。その余暇とはいわばデジタル空間で完結するようになった仕事の結果生まれている果実である。その余暇の充実を物理空間が満たしてくれる価値の余白だ。これまで不自由だった物理空間に自由度が戻ってくることで旅行など完全な揺り戻しが起こる分野もあるだろう。そしてデジタル空間で完結したほうが価値のある分野もあるかもしれない。また、フレキシビリティを重視したデジタル空間と物理空間の融合されたサービスが多く展開されると想像する。

4つの象限についてあなたの組織で起こる移行は何だろうか。

社会の変化から2次のパラダイムを形成し、その2次を見据えて1次の現在に向き合ってみることで、今できることが何か見えてくるかもしれない。

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