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人間の塔

先日、やっとこの目で直接『人間の塔』を見た。
『人間の塔』って何?と思われた方はイッテQでお祭り男・宮川大輔さんが参加したことのあるやつだよと言ったら、思い出される方がいるかもしれない。

これはバルセロナがあるカタルーニャ州の伝統文化で、世界無形遺産にも登録されている。起源はお隣バレンシア州の宗教的な踊りと言われていて、それがカタルーニャに伝わって、宗教的な意味も消え、今の形になったそう。

人間の塔発祥の地と言われているタラゴナには人間の塔の像もあった。

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今回はバルセロナの守護聖人サンタ・エウラリアに捧げるお祭りで披露された。

イベント開始30分前に会場である市庁舎前広場に到着。既にたくさんの人が集まっていた。人々の注目度の高さが垣間見える。そして次々に色とりどりのシャツを見に纏った今回の主役である人間の塔のパフォーマンスチームが集まってくる。

人間の塔の演者たちにはお決まりの服装がある。チームカラーのシャツに白パンツ、そしてFaixaと呼ばれる腰に巻かれた長い布。このFaixaというのがかなり重要だそうで、腰を支えるコルセット的な役割と上段の人が登る時の手がかりと足場の役割を持っている。

今回集まったのは8チームくらい。
1時間の間にそれぞれのペースで自由に塔を完成させていく。

チームには演奏隊もあって、オーボエの原形の様な木管楽器・打楽器を鳴らし、塔を作り始めるとそれに合わせて演奏をする。

近くで見ると、演者たちが全身全霊で塔を支えているのが分かる。一瞬の気の緩みが許されない演者たちの緊張感とオーディエンスの期待感が会場中に充満していた。時には塔全体がグラグラしていて、見ているこちらが冷や汗をかいてしまいそうな場面も何度もあった。

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そんな中、パフォーマンスが始まり暫く経ってから一人の男性が私の目の前に来た。そしておもむろに上裸になったかと思ったら、上の写真の赤いシャツに着替えはじめ、チームの輪に入っていた。完全なる遅刻だと思う。そんな場面に少しスペインらしさを感じたりもした。

たまたまかもしれないけど、今回出場していたチームの塔上段を務めていたのは全員女の子だった。しかもまだ本当に幼くて、私には小学校低学年くらいのように見えた。なんという勇気だろうか!

私は小学校の運動会で3段だけの塔に参加したことがある。
私は2段目。
それだけでもすっごく怖かった。

今は塔上段を務める幼い子供たちにはヘルメット着用が義務付けられているけど、数年前まではヘルメットなしだったそうだ。それは一つの悲しい事故があって、それから今に至るようだ。

こういったお祭りに触れられるのは住んでいるからならではの体験。
本当に貴重なこと。

最短で後半年のスペインでの生活。
どんな風に過ごしていけばいいのか、今それが最大の悩み。


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