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市民オペラに参加するということ 43

7月第3日曜日、本番約1週間前。この日は立ち稽古を2回行う。3回行う公演の、2回目と3回目に出演するキャストそれぞれとの、立ち稽古だ。オケも入るのかなと思ったがオケはおらず、全てピアノ演奏による通し稽古だ。

通し稽古なのだから、頭から本番と同じように通して行う。私だけではないが、ところどころ練習を休んでいるので、わからないところがある。とりわけわからないのが、上手(かみて)と下手(しもて)のどちらから舞台に入るのかということだ。冒頭の場面が下手入りなのはわかる。冒頭の出番が終わったら下手にはけるのもわかる。次の出番も下手からだ。そしてまた下手にはける。
ただ、その次の場面は上手入りらしいのだ。いつも私が一緒に出入りすることの多い相方が、上手側に居る。まずい。私もたぶんあっちだ。
まあ初めての通し稽古なのだから、どちらから入るのかわからなくても仕方あるまい。私は開き直って上手にそっと移動する。
小休憩を挟んで2幕をやるが、なんと2幕は、冒頭の場面を除くと全て上手入りであることが判明した。これはわかりやすくて助かる。
そんなこんなで一度目の通し稽古はさんざんだった。設定を忘れているため自然に演技できない箇所もある。でも一つ収穫だったのは、さすがに歌はほぼ歌えるようになっていたことだ。歌詞がややこしい箇所は会場に向かう電車でさらってきたこともあり、歌はほぼ歌えた。この期に及んでようやく、という感じではあるが、ちゃんと本番に間に合った。水曜日の練習の時、歌が入っていなかったドゥルカマーラも、今日はほぼ暗譜してきていた。

大休憩を挟んだ2回目の通し稽古は、2回目なのでだいぶスムーズに動けるし、逆にどこの演技がわからないのかも、ちゃんと把握できたので、休憩時間に周りの人に設定などを尋ねて確認した。2回目の通し稽古はむしろ、キャストに問題がある。アディーナはあまり上手くないし、ネモリーノは喉の調子を崩している。この組のドゥルカマーラはとても上手だが、メインキャストの2人に問題があるようでは不安が残る。

翌日月曜日には、3回目の通し稽古があった。この日は、土曜日の初日舞台に乗るキャストとの通し稽古だ。この日はネモリーノが欠席で、昨日来ていた喉を痛めていない方のネモリーノが代役する。この日のアディーナはよく声が出ているし、ベルコーレもまずまずだ。本物のネモリーノは、果たして通し稽古を休んだりして大丈夫かと思うが、まあ大丈夫なのだろう。
2日間に渡る通し稽古で結構疲れたが、ちゃんと当日中に疲れを取っておかないと、本番に触る。木曜日は会場で立ち位置を決める、場当たりと呼ばれる
ものがあるし、金曜日と土曜日午後が、ゲネプロと呼ばれるリハーサルで、土曜日夜からが本番だ。いよいよだ。

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