経営者のためのIT講座

Altairの渡部です。noteでの発言は個人的なものであり、Altairの公式見解で…

経営者のためのIT講座

Altairの渡部です。noteでの発言は個人的なものであり、Altairの公式見解ではありません。 特に地味すぎて語られてこなかったスケジューラについて紹介していきます。システムというよりも、ビジネスにどのような影響を与えるか考えていきたいと思います。

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  • 半導体設計インフラの最適化

    半導体設計インフラに関する記事をまとめます。

記事一覧

固定された記事

ジョブスケジューラとは何か?なぜ導入したほうがいいか

複数のユーザがサーバを使うとき、ジョブスケジューラを導入すれば、全体のスループットを高めることができます。ジョブスケジューラは、「ジョブ管理システム」、「ワーク…

国際的な開発拠点でのEDAライセンスの割振り

半導体設計業務は、国際的に行われます。米国を拠点とする半導体設計会社は、EDAライセンスの購買と管理を一括で行い、ライセンスサーバを米国において、世界中の開発拠点…

世界初?AIを搭載したジョブスケジューラ

アルテアは「HPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)」と「データ分析」のソフトウェアを開発・提供しているので、ジョブスケジューラにAI機能を搭載するのは自…

米国大手が採用するAltair FlowTracerが注目される理由とは?

半導体業界は、経済安全保障の観点からも注目が高まっています。素材や製造技術開発への投資に加えて、顧客のニーズに合ったPPA(Power、Performance、Area)の最適化や高…

半導体設計をどのくらい効率化できるか?

ある日本の半導体設計会社では、Accelerator導入前後でEDAライセンスの使用率がどれだけ向上したか実測しました。ライセンスもハードウェアもピーク時にどれだけ使うかとい…

大量のジョブを瞬時にさばくイベント型スケジューリング

長篠の戦いとスケジューリング織田信長が武田の騎馬隊を打ち破った長篠の戦いでは、「三段撃ち」ではなく「先着順自由連射」の戦法がとられたのではないか、と言われていま…

半導体設計インフラにおけるライセンスマッチング

他のスケジューラに比べ、Acceleratorが高速にElectronic Design Automation(EDA)ライセンスを制御できるのは、ライセンスマッチングという仕組みがあるからです。 Acce…

最先端半導体会社が採用するライセンス・ファースト・スケジューリング

半導体の設計では、Electronic Design Automation(EDA)の計算を行います。数千のジョブを一度に流したり、一つのジョブの中で複数のフィーチャーを使用しながら計算した…

半導体設計に最適なスケジューラはどれか?

ジョブスケジューラの選択高価なEDAライセンスをいかに効率的に使うか、365日24時間、ハードウェアをフル活用するために、どのジョブスケジューラを採用するかは重要な選択…

成果の出る半導体設計インフラ

効率的な半導体設計環境半導体業界において、限られたリソースで、高性能・高品質な設計を迅速に実現することは至上の課題となっています。このような状況の中で、世界最先…

経営者はITを知らなくてはならない

経営者の関心ごとは、3つにまとめられる。1)利益率を上げる、2)競争力ある製品を開発する、3)市場の需要に素早く対応する、ことだ。これら3つは、社内のITシステムのあ…

ジョブスケジューラとは何か?なぜ導入したほうがいいか

ジョブスケジューラとは何か?なぜ導入したほうがいいか

複数のユーザがサーバを使うとき、ジョブスケジューラを導入すれば、全体のスループットを高めることができます。ジョブスケジューラは、「ジョブ管理システム」、「ワークロードマネージャー」など様々な呼ばれ方をされていますが、どのように業務を効率化させるか、基本的なところを説明したいと思います。

ジョブとキューとは何か?ジョブとは、サーバで計算を行うときに、どのソフトウェアライセンスとインプットデータを使

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国際的な開発拠点でのEDAライセンスの割振り

国際的な開発拠点でのEDAライセンスの割振り

半導体設計業務は、国際的に行われます。米国を拠点とする半導体設計会社は、EDAライセンスの購買と管理を一括で行い、ライセンスサーバを米国において、世界中の開発拠点からEDAライセンスにアクセスする仕組みを採用しています。そんな地理的な広がりの中で、さまざまな理由からEDAライセンスを効率的に使用できないことがありますが、Altair Allocatorがあれば、ライセンス供給を円滑にし、効率的に提

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世界初?AIを搭載したジョブスケジューラ

世界初?AIを搭載したジョブスケジューラ

アルテアは「HPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)」と「データ分析」のソフトウェアを開発・提供しているので、ジョブスケジューラにAI機能を搭載するのは自然な流れだ。

今回の記事ではジョブスケジューラとAIの組合せでどのようなことができるか、AI Assistの概要を見ていきたい。

計算時間とメモリ容量の予測ジョブスケジューラは通常コマンドラインで操作するが、Accessがあれば、W

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米国大手が採用するAltair FlowTracerが注目される理由とは?

米国大手が採用するAltair FlowTracerが注目される理由とは?

半導体業界は、経済安全保障の観点からも注目が高まっています。素材や製造技術開発への投資に加えて、顧客のニーズに合ったPPA(Power、Performance、Area)の最適化や高品質な製品を迅速に設計(短TAT)することも非常に重要です。半導体設計フローは複雑で、管理も煩雑です。設計に関わるチームやメンバーが増えると、部門横断会議や設計者間での調整も増えてきます。

そんな中、米国や台湾を含む

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半導体設計をどのくらい効率化できるか?

半導体設計をどのくらい効率化できるか?

ある日本の半導体設計会社では、Accelerator導入前後でEDAライセンスの使用率がどれだけ向上したか実測しました。ライセンスもハードウェアもピーク時にどれだけ使うかという基準で、購入する数量を検討すると思います。そのため、導入前後についても設計のピーク時1週間(7日間)を1時間単位、合計168時間を比較しました。

設計のスループットが23.56%向上Altair Monitorはライセンス

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大量のジョブを瞬時にさばくイベント型スケジューリング

大量のジョブを瞬時にさばくイベント型スケジューリング

長篠の戦いとスケジューリング織田信長が武田の騎馬隊を打ち破った長篠の戦いでは、「三段撃ち」ではなく「先着順自由連射」の戦法がとられたのではないか、と言われています。「三段撃ち」とは火縄銃の弾込め、火付け、発砲の三段階で一斉に射撃する方法です。いっぽう「先着順自由連射」は、準備の整った人から自由に射撃する方法です。実証実験から、「先着順自由連射」の方がより多くの射撃ができることが証明されています。

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半導体設計インフラにおけるライセンスマッチング

半導体設計インフラにおけるライセンスマッチング

他のスケジューラに比べ、Acceleratorが高速にElectronic Design Automation(EDA)ライセンスを制御できるのは、ライセンスマッチングという仕組みがあるからです。

Acceleratorは、ユーザが要求するジョブとEDAライセンスの使用やハードウェア負荷といった計算リソースの状況を、リアルタイムで更新しながらマッチングしています。Acceleratorは、投入さ

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最先端半導体会社が採用するライセンス・ファースト・スケジューリング

最先端半導体会社が採用するライセンス・ファースト・スケジューリング

半導体の設計では、Electronic Design Automation(EDA)の計算を行います。数千のジョブを一度に流したり、一つのジョブの中で複数のフィーチャーを使用しながら計算したりするなど、EDAライセンスの割当ては複雑です。高スループットを達成するためには、限られたライセンスを、いかに効率よく割当て、高速にジョブ実行させるかが、鍵となります。

Acceleratorは、「ライセンス

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半導体設計に最適なスケジューラはどれか?

半導体設計に最適なスケジューラはどれか?

ジョブスケジューラの選択高価なEDAライセンスをいかに効率的に使うか、365日24時間、ハードウェアをフル活用するために、どのジョブスケジューラを採用するかは重要な選択となります。ジョブスケジューラ自体の価格は大きくありませんが、その効果はレバレッジが効いて、納期や競争力といったビジネス課題に大きな影響を与えるからです。

アルテアの3つの製品アルテアは3つのジョブスケジューラ製品を提供しています

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成果の出る半導体設計インフラ

成果の出る半導体設計インフラ

効率的な半導体設計環境半導体業界において、限られたリソースで、高性能・高品質な設計を迅速に実現することは至上の課題となっています。このような状況の中で、世界最先端の半導体設計インフラを提供するアルテアのソリューションは、日本の半導体業界においても注目を集めています。

米国・台湾での実績アルテアの半導体設計インフラは、シリコンバレーで開発され、およそ30年間にわたり半導体専用インフラとして改良が重

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経営者はITを知らなくてはならない

経営者はITを知らなくてはならない

経営者の関心ごとは、3つにまとめられる。1)利益率を上げる、2)競争力ある製品を開発する、3)市場の需要に素早く対応する、ことだ。これら3つは、社内のITシステムのありようによって、大きく左右される。ITシステムは、4つの構成要素に分かれ、それぞれの立場があるため、俯瞰して調和させ、まとめ上げるのは経営者でしかあり得ない。

だからこそ、経営者はITについて知らなくてはならない。といっても、自分で

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