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世界初?AIを搭載したジョブスケジューラ

アルテアは「HPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)」と「データ分析」のソフトウェアを開発・提供しているので、ジョブスケジューラにAI機能を搭載するのは自然な流れだ。

今回の記事ではジョブスケジューラとAIの組合せでどのようなことができるか、AI Assistの概要を見ていきたい。

計算時間とメモリ容量の予測

ジョブスケジューラは通常コマンドラインで操作するが、Accessがあれば、WEBブラウザ上でGUIからジョブ投入できる。このAccessにAI Assistが搭載された。

Accessのジョブ投入画面
(画像出典:アルテアエンジニアリング株式会社)

ユーザがジョブ投入するときに知りたいのは、計算時間(Wall time)消費するメモリ容量だ。自分がこれから投入する計算が、どのくらいの時間で終了するかは本来、計算が終了してみないと分からない。時間が分からなければ、計算中に別の作業ができるかどうか予定が立たないだろう。

また、メモリ容量も計算してみないとどのくらい消費するか分からない。思った以上にメモリを食う場合、別のサーバに投入し直さなくてはならないかもしれない。

AI Assistがあれば、計算時間とメモリ容量を予測してくれる。さらにその予測した数値の信頼度も示してくれる。

このAI機能はAccessに搭載されてパッケージになっているので、ユーザは今まで通りにジョブ投入すればよく、直接データ分析する必要はない。さらにこのAI Assistのライセンス費用もAccessに含まれている。

AIを搭載したジョブスケジューラの仕組み

ジョブスケジューラのPBSは、どのユーザがどんなジョブを投入し、どのくらいの時間で計算を完了したか、履歴を残している。AI Assistはその履歴を学習し予測モデルを自動で構築する。さらに日々蓄積される履歴データを再度学習し、精度を高める仕組みもある。

AIによる計算時間とメモリ容量の予測(画像出典:アルテアエンジニアリング株式会社)

今後の発展

Accessで使用できるAI Assistは、計算時間と消費するメモリ容量の予測だ。今後期待されるのは、全体のスループットを上げるために、予測結果を基にしてジョブの制御を自動でダイナミックに最適化してくれるシステムだろう。


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