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国際的な開発拠点でのEDAライセンスの割振り

半導体設計業務は、国際的に行われます。米国を拠点とする半導体設計会社は、EDAライセンスの購買と管理を一括で行い、ライセンスサーバを米国において、世界中の開発拠点からEDAライセンスにアクセスする仕組みを採用しています。そんな地理的な広がりの中で、さまざまな理由からEDAライセンスを効率的に使用できないことがありますが、Altair Allocatorがあれば、ライセンス供給を円滑にし、効率的に提供します。

複数拠点でライセンスの取合いが起こる

例えば日本の半導体設計会社が、EDAライセンスを一括管理していたとします。太陽は東から昇り、日本の設計者が出勤しインタラクティブなEDAツールを立上げはじめます。次に韓国、ベトナム、インドなどで同じように設計者が仕事を始めます。

すると最初に仕事を始めた日本の設計者は設計ツールを立ち上げることができましたが、順番が遅くなるインドの設計者にはライセンスが足りない状況になりました。納期に間に合わないと焦った設計者は、日本のIT管理者に電話をかけてくるかもしれません。

そのままでは不公平感がある

Altair Allocatorが自動でライセンスを割振る

そんな時、Altair Allocatorがあれば、スケジュールに応じて自動で各拠点に、設定したライセンス数を割り振ります。インタラクティブなライセンスは各拠点の昼に割当て、バッチジョブは人がいなくてもよいので、夜に実行できるように多めに配分するなどです。

さらに、各拠点にライセンスを割り振ったとしても、ある拠点でライセンスが空いていて、別の拠点で使いたいユーザがいれば、そのライセンスを融通させる仕組みも備えています。

このようにライセンスの取合いが起きる状況でも、IT管理者は各拠点の使用状況を把握し、設定した通り動的にライセンスを割り振ることで、ユーザの不満を最小限に抑えつつ、事業の優先度に応じて世界規模で最適なライセンス利用が可能となります。

ライセンスの拠点間割付け画面
(画像出典:アルテアエンジニアリング株式会社)

スケジューラーをスケジュールする

日本には盆暮れ正月があり、台湾には春節、アメリカにはクリスマスや感謝祭があるなど、地域によって休日や終業時間帯も異なります。Allocatorはある拠点の休日は、その日のライセンスを別の稼働している拠点に自動で割り振る設定が可能です。

Allocatorは各拠点にあるジョブスケジューラ(Accelerator)を制御することで、このようなきめ細かいライセンスの供給を実現します。

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