スカンジナヴィア・デザインを追う(4) 蚤の市ロッピスとフィンランドの都市型サウナ (Stockholm, 2016.9)
□Day1(Thu.) Tokyo(NRT)→Helsinki Airport→Stockholm
□Day2(Fri.) Stockholm
□Day3(Sat.) Stockholm
■Day4(Sun.) Stockholm→Helsinki(本記事)
□Day5(Mon.) Helsinki
□Day6(Tue.) Helsinki
□Day7(Wed.) Helsinki→
□Day8(Thu.) Tokyo
この旅の動画はこちらからご覧ください。
蚤の市・ロッピスへ(ヒョートリエット駅)
この日はストックホルムを離れてヘルシンキへ向かう日。同じホテルでの朝食も3日目ともなると飽きてくるが、この日初めて食べてみたプレッツェルが美味しかった。初日から食べていればよかった。
可愛い響きのオデンプランともこれでさようならだ。
中心駅は、"映える"場所。
ストックホルム中心地の繁華街、ヒョートリエット駅付近で開催される蚤の市へ向かう。スウェーデン語では蚤の市のことをロッピスというらしい。
すごいキノコの量。
雰囲気のある10-12歳くらいの少年が、スマホで検索しながら必死に蚤の市の品物を物色していた。
ところで、旅に出るたびに考えさせられるのだが、ストリートスナップと盗撮の境目って何なのだろう。私有地での撮影や明らかに個人が特定できるような撮影は控えているけれど、明確に「公有地での撮影だからこれはOK」と言えるわけではない。私がもし有名な存在で、このページが多くの人に見られているとするとこうした人の横顔が映り込むような写真のアップロードは控えるだろうが、そうした状況からは程遠いので細々と続けてみようと思う。
ここでもカンケン。
ストックホルムからヘルシンキ市内へ
アーランダ空港をたってヘルシンキ空港へ。たった1時間のフライト。
フィンランドは国土の約75%が森林というだけあって、ヘルシンキの街がみえてくるまではひたすら森と湖の景色が眼下に広がっていた。
空港に到着して、鉄道に乗り換える。
駅は、こんなコンクリの壁さえもおしゃれだ。ブルーグリーンの釉薬をかけたような色合いだ。
ヘルシンキ中央駅へ到着。
この日の晩御飯は、デパ地下で買おうと決めていた。ヘルシンキで最も大きい百貨店、STOCKMANNの地下で食べ物を物色し、ロールキャベツや肉団子、サラダを購入。
トラムで北へ15分揺られ、小さくて可愛いホテルに到着した。
ホテルに荷物を預け、公共のサウナを目指す。
都市型サウナ「クルットゥーリ・サウナ」
フィンランドにおけるサウナの存在は、日本における味噌汁のそれと同じくらいに重要で、文化に根付いているものだという。フィンランドの人口は約540万人だが、なんと200-300万個のサウナがあるとされているらしい。郊外を中心に、自宅にもマイサウナを設置している人も多い。
今回の滞在で訪れたのは、ヘルシンキの中心地からほど近い、ハカニエミ市場そばの「KulttuuriSauna」。宣伝も取材もお断りという場所だが、建築雑誌に掲載されているのを見かけてぜひとも訪問したいと思っていた。(このページを読むとご夫婦のこととサウナオープンまでの道のりがわかります。)
調べたところによると、近年コミュニティの重要性が再認識されて、フィンランドの若者を中心にサウナ文化を広めようというムーブメントがあるなかで、日本人デザイナーのツボイさんとフィンランド人の建築家のトイヴォネンさんというご夫婦が“人々が集まる場所を作りたい”という想いで企画・設計して、2012年にオープンしたサウナだとのこと。
中に入り、20ユーロ(入場料15ユーロ+タオル5ユーロ)を払うと、トイヴォネンさんと思しき男性が英語で諸注意を説明してくれる。あまりに真顔なので「怒っているのか?!」と思ったが、どうやら日本人とフィンランド人のコミュニケーションスタイルの違いのようだ。(特に怒っているわけではなかった)
「サウナ室には水着着用やタオルの持ち込みは禁止」「写真は撮影するな、でもいつまででも居ていいよ」「アルコールはだめ」「屋外(の海)の水温15度だよ」・・というようなことを言われた(気がする)。
サウナは男女別だ。ロッカーの狭さに圧倒されつつ、タオル以外のものをしまい込む。シャワーを浴びたら、いざサウナへ。
サウナは、日本のそれとは違い、じっくり温めるタイプのものだ。(後日調べたところ、おおよそ日本では90-100度、フィンランドでは70-80度に設定するらしい)
そして、熱した石に水をかけて霧を発生させて体感温度を上げる。これは「ロウリュ」と呼ばれる。サウナに入っている人がおもむろに立ち上がり、思い思いのペースで柄杓から水をすくって石にかけるのだ。熱波が届いて暑くて汗がダラダラと出るが、気持ちいい。
サウナで汗をかいたら、さっとシャワーをあびて水着に着替えて屋外へ。先ほど「水温は15度だよ」と言われたのは、バルト海が作った天然の水風呂、つまり海のことだ。フィンランド人たちは遠慮なく海に飛び込んでいく。私も意を決して、水温15度だというプール・・ではなく海にどぼんと飛び込む! ッ ツ メ タ イ・・・・
サメとかいたらどうしよう、などと一抹の不安が首を擡げる。海とはいえ一応囲いのようなものはあるのでまぁ大丈夫でしょうと言い聞かせた。泳いでみたり流れのままに浮かんでみたり、暮れてゆく日を海に浮かんで眺めて過ごす時間は、大変印象深かった。
水により強制的にクールダウンさせられた後は、またサウナへ。・・ということを繰り返し、シャワーを浴びて退出して夫と合流。なんと、夫は海に飛び込まなかったらしい!なんでだ!!!!!(心臓が止まりそうだから・・とのこと)
じっくりとサウナを楽しんでいたら、もうすっかり日も落ちてしまった。
SAUNAの文字が光輝く。
ホテルに戻って、ストックマンのデパ地下で購入したロールキャベツや肉団子、パンにサラダをいただく。これが大変美味しかった!レストランにいくよりも安価だし、これはいいねとほくほくしながら就寝。