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Viva中国!友人プレゼンツの烏鎮&上海ツアー(1) 美しい水都・烏鎮の夜 (Wuzhen, 2017.4)

同期入社の仲間というのは良いものだ。会える機会はそう多くなくても、お互いを時々気にかけあっていると感じることができる存在。
そんな仲間のうち1名が、母国である上海に赴任して2年ほどが経過していた。
何故同期で上海へ行こうという話になったのかは正直忘れてしまったのだが、おそらく同期会でそんな話が出てなんとなく企画することになったのだと思う。
いくつかの候補日程とともに、ダメでもともとという気持ちで同期に募集をかける。全員家庭があるし、子供がいる人も多いので難しいだろうな・・と思いきや、何名か乗り気なメンバーがおり本格検討に入る。結果、4月下旬の金曜日から日曜日の3日間、同期3名で海を上ることになった。

上海在住の同期が案内したいところがあるとのことで、全てお任せしてしまうことに。ふと気づけば「アジアのヴェネティア」と呼ばれることもあるという水郷"烏鎮"をメインとし、上海の街にも滞在するプランが組み上がっていた。素晴らしい。

旅行時期:2017.4
同行者:友人2名+現地で中国人の友人1名
テーマ:上海近郊全てを知り尽くした中国出身の友人によるガイドツアー!
Day1(Fri.) HND→PVG(上海浦東空港)着→Wuzhen(烏鎮)
Day2(Sat.) Wuzhen→Shanghai
Day3(Sun.) Shanghai→HND
この旅の動画はこちらからご覧ください。

出国〜上海市内着

中国東方航空。安価なため、コスト重視の旅行を検討するときに必ず候補にあがる航空会社だ。中国系の航空会社は中国国際航空(Air China)や中国南方航空等様々あり、正直違いはよくわからない。なるべく安いフライトを選ぼうという志のもと選ばれたのがこの東方航空だ。とある春の休日予約サイトを見ていたら、並びの3席が空いているのを見つけ、速やかに友人に連絡してその場でチケットを予約したのだった。

羽田空港で友人と落ち合い、私が履いている怪しい靴下(ピカソの顔がプリントされている)がネタになりつつ飛行機に乗り込む。3時間のフライドで、並びの3席が取れていたので快適だった。

しかし、我々は知らなかった。東方航空では、なぜか車内のスマホ利用は禁止されているのだ。また、カメラによる撮影も全面禁止だという。我々が呑気にThetaで撮影していたら添乗員に注意され、初めて知ったのだった。なお、タブレットなら機内の利用OKらしい。よくわからない。

食事は覚悟していたよりは良かった。CAさんが我々が中国語がわからないと知ると「チキンor ビーフ」と聞いてくれたのだが、「ビーフ」と英語で回答しても「ううん?※△×◾️..」みたいな回答で全く英語が伝わらないことが衝撃だった。

麺がはみ出ているあたりにクオリティを感じる。

11時頃に上海に到着。

現地の友人とはバスターミナルのある上海南駅で待ち合わせだ。空港からタクシーに乗るまでが最大の難関。中国はGoogleもUberも使えない。Googleはオフライン翻訳とオフラインマップをダウンロードしたものの、心許ない・・。ということでしっかりものの友人が「上海南駅に行きたい。停まる場所は、近くになったら現地にいる友人から電話越しに直接運転手さんに伝えてもらいます」と中国語で書いた紙を印刷して持ってきてくれたので事なきを得た。

車窓からは、結構な高層ビルなのに物干し竿を外に向かって突き出して洗濯ものを干す光景を目撃した。無知な私はたいそう驚いたが、なんでも地方から人が大量に流入し、地価が上昇し続けている上海では当たり前のことなのだとか。(上海限定なのか中国の都市部全体の風習かは知らない)

ジブリのライツとは・・。トトロも顔が随分(略)

これは我々の知る上島珈琲なのか?
そして何故フォントが80年代のペンションの看板でよく使われていたやつみたいなホラー風味なんだ?

上海南站

上海南駅に近づいたところで、現地の友人が電話越しに運転手さんに停車場所の指示を出してくれ、我々は無事駅に到着した・・のだが、この駅が大きく、かつなかなか友人と落ち合えず、本当にドキドキした。無事会えたときは本当にほっとした。

帰国後動画を作成する気満々の私は、友人との感動の再会もきちんとビデオにおさめる。

まずは昼ごはんを食べようとのことで、駅出てすぐのレストラン街へ。駅を出たところには客引きのおじさんたちがたむろしていて、あまりに強引に勧誘してくるのでとても怖い。そしてあたりはアジアの匂いがする。肩がけカバンのみならずリュックさえもすられそうな雰囲気。ぼーっとしていられない場所だな!と改めて実感。
駅出てすぐ、地下に入ってレストラン街へ。途中で見た映画のポスターは、日本のものとは違う雰囲気。

良さそうなお店を見つけてランチをとるが、注文は中国語オンリーだし席がない。

現地の友人からすると、さっと食べられる気軽なレストランということでここを選んでくれたのだと思うが、蛙料理の店だったので、我々は密かに衝撃を受けたのだった。

現地の友人に注文してもらい、店内へ。並んでいても周りの客は割り込んでくる。友人の誘導で3名席に無理やり4名で座る。席もすごく狭い。し、大変な有様だ。店員も来ない。隣の少し広めのテーブルが空いたので、食べ残しがあっても気にせずにそしらに移動する。そして店員を高らかに呼びだし、片付けを依頼する。友人は、ここでは自分から動かないと何もできないよという。この時点で私は上海には住めないと確信した。

味は美味しかった。

烏鎮までのバス旅(トラブル!!)

南駅のバスターミナルは、ローカル色にあふれている。トイレも、かの有名なタイプだ。説明が難しいし、私は今、ご飯を食べながら書いているところなので触れたくない話題だが、とにかく衝撃的なのだ。流しそうめんのような何か。

で、烏鎮行きのバスに乗り込む。

友人がいなければこのバスに乗ることは決してなかっただろうし、烏鎮にもツアー以外ではいかなかったことだろう。バスに乗り込んでいるのは中国人ばかりだ。大学から日本にいたものの中国赴任期間が長くなってきた彼女は再び中国ナイズされていて、ずっとしゃべっている。曰く中国人はいつも話すか交渉するかしているものなのだそうだ。

大型バスの先頭では、「シートベルトをしないとどんなに恐ろしいことになるか」を実際のドラレコの映像をベースに啓蒙する動画が流れ続けている。すごい迫力だ。

そして、とんでもない事故が起こる。高速道路のど真ん中でバスがエンストしたようのだ。最初は渋滞で止まっているのかと思いきや、様子がおかしい。運転手は何度もエンジンを入れようとするが、びくともしない。
幸いなことにカーブした道ではなくまっすぐに続く道の真ん中だったので突っ込んでくる車はなさそうだが、なにせ午後のラッシュ時。後続の車はただの渋滞だと勘違いしてすぐ後ろまで迫ってくるし、クラクションを鳴らされる。道の真ん中で鎮座するこのバスはどうみても邪魔だ。このままいくとぼーっとした後続の車がぶつかってくるのではないか・・。運転手は中国語でかまくし立てている。どうやら救援を呼んでいるようだ。
そして何度目かのエンジン起動により、なんとか車を隅っこに寄せることができたが、これが限界のようだった。しばらくするとどこからともなく周りに赤いコーンが置かれて我々のバスの安全が確保された。

その間、特に乗客に対する説明はなかった。乗客も口々に騒ぎ立てているが、Facetimeで誰かに連絡を取っている人が多いようだ。おそらく運転手に対して文句を言ったりしている人もいるのだろうが、会話は成立していない。しばらくして車内の空気が変わる。運転手や乗客の言葉はどこかの地方のなまりだそうで、上海語を話す友人も聞き取りにくいとことだったが、どうやら車を降りて待たれいと言っているとのことだった。

バスを降ろされて途方にくれる乗客たち。

茶を持ち歩いているおじいさん。

とても大切そうに持ち歩いていた。

空気汚染の問題なのか屋内に体調の洗濯物が干してある。

烏鎮到着・街散策

なんとか代走バスがやってきて、3.5時間遅れくらいで美しく作られた街、烏鎮のバスターミナルに到着。

バスターミナルから景区(西柵)へはバスが出ているのだが、あいにく出発してしまったばかり。近辺にはタクシーの客引きが大勢おり、何かをしきりに話しかけてくるのだが、我々には「チャーシューメン!」という響きにしか聞こえない。きっとこうした客引きはボッタクりタクシーなのだろう・・。ふと見ると現地の友人が陽気そうなおじさんと親しげに話をしている。現地の友人が手招きしている。小走りで合流し、裏手に連れて行かれる。どこにいくの・・?何が起きているの・・?このおじさんは何者なの・・?と疑問符がわいたまま、車に乗車。現地の友人はずっと運転手のおじさんと話し込んでいて、景区に着くまであたかも古くからの友人かのような親しさだ。「知り合いだったの?」と聞くと「ううん。でも話してみて良さそうだったからこの人にした」とのこと。逞しい。

現地の友人のたしかな交渉力のおかげで、ボッタクられることもなく西柵の入り口まで到着。

ビジターセンター。どこをみても新しくて美しい。

現地の友人が受付を済ませてくれ、船で対岸(リゾートエリア)へ。今回予約してくれた宿は、いわく「自分でホテルに電話して値引き交渉したので最安値だ」とのこと。そうか、ここでは全てが交渉文化なのだな・・。

船から降り立つと、美しいブルーモーメント。

10分ほど歩いて、ホテルに到着。

現地では全て友人にまかせきりで、我々は1元も支払いをしなかった(上海の茶藝館にてカードでプーアール茶を買った時以外は)。Google mapも使えないので自分たちがどこにいるかもわからず、帰国後に記憶を頼りに場所を確認すると、西柵のビジターセンターからこのホテルまでおそらく徒歩5分くらいの距離。

なのだが、非日常感を演出すべく。ビジターセンターからは必ず渡し船で対岸へ行き、そこから徒歩10分強ぐるっと回り込んでホテルへ行くような設計がされている。とても興味深い。

高級そうで、綺麗なホテル。ロビーは明るいのだが、何故か廊下がこんなに暗い(笑)

ホテルの部屋ではゾウさんがお出迎え。「チップ・・」(ゾウの圧)

夕食はビュッフェ。

左側の蒸しパンが大変美味しく、何度かお代わりしてしまった。いろんな味があったが、黒糖のものが一番口にあった。

美しき夜の烏鎮

ホテルを後にして夜の散歩に繰り出す。そこそこの入場料を払って景区に入っているため、怪しい人もおらずとても治安がいい雰囲気だ。

すっかり日が落ちても街は元気。

人々が夢想するオリエンタルで美しい中国が再現されているという印象。

漢字を見ればだいたい何を言っているのかわかるが、女紅街だけわからない。

広場で映画を上映していたのだが、戦時中を思わせる軍隊が出てくるモノクロのフィルムだったので見ずに退散。

運河沿いはどこもライトアップされている。

やけに色あざやかな一角が・・。

どうやらクラブらしく、老若男女が興味深そうに中をのぞいている。この通りは茶市街という名前らしい。

烏鎮西柵(西側の景区)の西端に近いところにある白蓮寺までくると、猫がいた。

光が強すぎて、エレクトリカルパレードのような様相である。

人の少ないところまで来て、友人がムーディーな曲を流してくれ、三人でしばしぼんやりと物思いに耽った・・のだが、私の脳内ではエレクトリカルパレードの曲が大音量で流れていた。

突然の自分語りになるが、私の頭の中では無意識下含めて何かしらの曲がプレイされていることが多く、10代の頃は流れ続ける曲の音量制御に苦労した(特にラルクのwinterfallが発売された頃は「テスト開始!」という合図とともに毎回「真っ白な時に風は〜」と脳内のhydeさんが大声で歌い出したものだった..これは単に逃避行為だったのかもしれないが)。今でもほぼ常に何かの曲がうっすらと流れており、交響曲の場合は第一楽章から最終楽章まで順に演奏される(なので、家の中では無音で過ごすことが多く、音が必要な家族と時々揉め事が起きる)。

この日の1曲は、エレクトリカルパレードと迷った末に、これ。二胡の音色はどうしてこんなに琴線に触れるのだろうか。