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「僕らの全てがここにある」 BRICK & MORTAR 〔ブリック アンド モルタル〕 村上 周

OPEN MAGAZINE "Based in Nakameguro"では、中目黒エリアに拠点を構える店舗や人を特集し、街の魅力を繋いでいきます。

今回は、中目黒の駅から目黒川を越え、徒歩6分の場所に拠点を構える・BRICK & MORTAR〔ブリックアンドモルタル〕。オリジナルプロダクト・amabroの販売や、アーティストであるオーナーの作品制作のアトリエを兼ねたインディペンデントショップです。この場を手掛がける村上美術株式会社は、デザイン事業とプロダクトブランドを展開し、アートを日常的に取り入れることを様々なかたちで提案しています。

本取材では、「場づくり」の話を中心に、村上美術株式会社の代表であり、アーティストでもある村上さんの「これまで」や「展望について」もお話伺いました。

渦中に身を置く

- - アーティスト活動と並行して、会社の代表でもある村上さんの原点を教えてください。

村上さん:大阪にいた学生時代から、アトリエを構えアーティスト活動を行っていました。そのかたわら、フリーランスでグラフィックデザインの仕事も行うようになって。最初は、友人や知人からのお仕事が中心でしたが、次第に大手企業さんからもお仕事をいただくようになりました。

- - なるほど。はじめは地元の大阪で活動されていたとのことですが、上京に至ったきかっけについて教えてください。

村上さん:大阪でも充実した日々を送っていたのですが、いろいろな情報が集まる東京も楽しそうだなと思って。

- - そこからどのようにして会社の設立・店舗の開業まで至ったのでしょうか。

村上さん:上京直後は、グラッフィックデザインの仕事がメインでしたが、徐々に成果も出せるようになって。大手アパレルブランドの新ブランド立ち上げなど、数年を要する大きな仕事もいただけるようになりました。

そして、アートやデザインを生活の一部として接することができるような、“ART For Daily Life”というコンセプトのプロダクトブランド”amabro”を2006年に立ち上げました。
その流れで、2010年に村上美術株式会社設立し、2014年にamabroの直営店であり、旬のアイディアを、新鮮なまま伝える場所としてBRICK & MORTARをオープンさせたんです。

変化を受け入れて前進する

- - 開業の地に中目黒を選んだ理由について教えてください。

村上さん:実は、以前、先輩がこの物件の隣りに事務所を構えていたんです。
当時、このフロアを利用していた方が退去するという情報をその先輩が教えてくれて。「新しい物件を探している」と相談していたので、いち早く連絡をくれて「ここにしなよ!」って。まぁ、これも運命かなと思って、この場所に決めたんです。

もともと事務所は青葉台の方にあったのですが、今はこの場所に事務所も移して、中目黒を拠点に活動しています。

- - ご縁もあってこの場所で開業されたんですね。では、開業当時の中目黒はどのような街でしたか?

村上さん:当時は、代官山のブームが落ち着いて、中目黒がフィーチャーされはじめた時期だったと思います。人の流れが代官山から中目黒に変わっていく。そんな動きを感じていました。

今の中目黒は、地価の高騰で大手企業の参入ばかり目立ちますが、昔は若者がこぞってお店や事務所を構えたりするエネルギッシュな街だったんです。地価が高騰すれば、街も変わりますよね。でも、これは決して悪いことではなくて。変化を受け入れて前進しなければ、街は衰退していく他ないと思っています。

コトはここから始まる

- - BRICK & MORTARはどんな場所なのでしょうか?

村上さん:ここは僕たちの"ショーケース"のような場所です。
ショップとして自社製品の販売を行ったり、卸先に対してのショールームであったり、アトリエとしてアート作品の制作を行ったり、チームスタッフの事務所でもあったりします。この場所に来れば僕たちの全てが分かるんです。

僕自身、アートもプロダクトも鮮度が大事だと思っています。なので、理想で言えば、生まれた場所で、作り手自身が売ることです。ここがまさに、それを体現できる場所になっています。それに、お客様からの生の声を聞くことができるので、次回作にも活かすことができたりします。僕らのコトは、全てこの場所から始まるんです。

- - この場所に全てがある、ということですね。だからこそ、表現できることや実現できることがあると思いました。では、最後に展望についてお伺いします。

それ以外は、担う覚悟

- - 自身の展望について教えてください。

村上さん:より組織を強くしたいと思っています。これから本腰を入れて、海外での事業展開にもチャレンジしていくところです。

組織運営は、どこか学級運営にも似ている気がしていて。先生という立場の人間がいないと成り立たないようなクラスは決して良いクラスとは言えません。先生がいなくても、一人一人が当事者意識を持って自走するクラスが理想的なんです。

壁があれば、自ずと突破口を探し出し、不足があればチームで補い合い、前進していく。僕らはそんな組織を目指しています。チームスタッフが夢中になって仕事ができるように、それ以外は僕が担う覚悟で、一緒に前進していけたらと思っています。

アートは言葉では伝えきれない、感情や想いを伝える一つの手段です。僕らはそれを武器にして、僕たちらしく、自由な表現をこの場から発信していきます。


BRICK & MORTAR〔ブリック アンド モルタル〕

OPEN = 12:00~19:00〔月曜日-金曜日〕
Adress = 東京都目黒区中目黒1-4-4
Regular holiday = 土日祝
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