「未来の大物」 笑話 その3
試験開始直後。
香地味ひさしげ(カジミヒサシゲ):これ、これを書けばいいんです?
試験官:そうですよ
香地味ひさしげ:あの、ここに名前を書けばよろしいんです?
試験官:そうですよ…あの、もう試験始まっていますよ、質問はしないでください。他の受験生と同じようにしてください
香地味ひさしげ:では、書きますね、香地味ひさしげ!っと!ほう、いいじゃない?名前には魂が宿る、そういった意味では、幸先良し、と言ったところでしょうか…
試験官:あのね?君…さっきから、私語を慎んでください。退場させますよ
香地味ひさしげ:おっと、いけねぇ!いけねぇ!香地味ひさしげの最大のピンチ!どうする?どうなる?香地味ひさしげ、機転を利かせ、ピンチをチャンスに出来るのか?よく考えるんだ!こんなとき、龍馬ならどうする?イチローならどうする?歴史上の偉人ならどうする?さぁ、ここ一番の正念場だぞ!香地味よ!
試験官:君…退場!
香地味ひさしげ:ちょっとだけ待ってもらえます?香地味ひさしげのエキセントリックなこの試験エピソードを作りますから?
試験官:あんたねぇ…早く退場!
香地味ひさしげ:よし!これだ!ウォー!
教室:な、わ~~~!
試験官:君…なにしてくれてんのよ、さっきから…
香地味ひさしげ:試験官さん、そろそろ名前で呼んでくださいよ、ハハハ、ご覧の通りですよ、頭逆さまにして机の裏で試験を受けてんですよ、これで退場しなくてすむでしょ?ハハハ、トンチですよ、絶景、絶景~
未来の大人物、香地味ひさしげ、以降お見知りおきを…
試験官:…。(こいつ、大物ぶってやがる、しかしこいつはわかってるんだろうか?試験はあと85分もあるということを…)
~~85分後
キンコーン
試験官:はい、試験用紙を裏にして、ペンを置いてください
香地味ひさしげ:…ひゅぅ…ひゅぅ…
試験官:凄い形相になってる…根性だけで…なにが彼をここまで突き動かしているのか…
香地味ひさしげ:…ひゅぅ…ひゅぅ
――完――
ひとつよろしくお願いいたします