公園、昼下がり
女性:あの、すみません、うちの迷い犬、コーギーのぴゃるりんこちゃんって言います、もし見かけたら、このチラシにある番号によろしくお願いします(迷いペットのチラシを渡す)ご協力お願いいたします!
おばさんA:そう、わかりましたわ、同じ愛犬家同士、協力いたしますわ。
おばさんB:わたしも何枚かいただくわ
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しばらくして
おばさんA:なんで逃げちゃうのかしらねえ、うちは大丈夫よね?ね、ポポちゃん?
犬(ポポ):バウバウ!うううう
おばさんB:ほんとに、大変よね、愛する我が子のいない生活なんてかんがえられないわよ、ね?ペロちゃん?
犬(ペロ):ワウワウ!
おばさんA:あのね、私思ったの、とっても同情するわ、そりゃいてもたってもいられないわよ、このチラシみると5歳じゃない、早く見つかってほしいわ、でもね、でもね、わたし思ったの
犬(ポポ):ううううううう!ワン!
おばさんB:どうしたの、
おばさんA:わたし、気づいちゃったのよ、それは、この迷いペットの問題って、要は、飼い主との絆が問われてるのよ
犬(ペロ):ガルルルル!
犬(ポポ):ブうウゥ、わんわん!
おばさんB:どういうこと?
おばさんA:もしもよ?我が子のポポちゃんが仮によ?なんらかの理由で迷い犬になったとしたら、
おばさんB:そんなことあるわけないわよお、やめなさいよお、、
犬(ポポ):ガルルルルる
おばさんA:うちのポポちゃんだったら、絶対に戻ってくると思うのよ、「ママ、驚かしてごめんね」ってね、ねえポポちゃん?そうでしょ?ね?、
犬(ポポ):ガルルルル
おばさんA:「ぼくが迷うわけないさ、すぐママのもとへかえってくるさ!」って言いたいのね、もうポポちゃんったら
おばさんB:そうよね、うちのペロちゃんも我が家を恋しがって、その日のうちに帰ってくるとおもうわ。ねえ?ペロちゃん?
犬(ペロ):ブほ、ワンワン!
おばさんA:ほらいまペロちゃんが「そうだよ~、帰ってくるよ~」って今言ったわよ、ペロちゃんったら可愛いわね、ま、うちのポポちゃんが一番だけど
おばさんB:そうよね、飼い主との日頃の絆があれば、迷ったりもしないし、すぐにでも戻ってくるわよね。そう考えたら、このリードだって本当はいらないのかもしれないわね、あ~なんだかイイ話ね、キズナとタヅナ、なるほどうまくまとまったわね
おばさんA:そうよ、わたしとポポの間にはそれはそれは太い絆があるんだもの!えへん!ね
犬(ポポ):バウバウ!
おばさんA:こんなリードなんて、なくとも大丈夫よね?ポポちゃん、えい!っと(と言ってリードと首輪をはずしはじめる)
おばさんB:あら、
犬(ポポ):バウバウ!う~……
(一瞬何事かと、あたりを見渡す、ポポちゃん)
おばさんA:ね、ほらね、やはり絆よ、絆。さすがうちの、ポポちゃ………ん、、……え?
ザッシュザッシュ!!シャッシャッシャッシャ!!
(飼い主を背にして全速力で疾走するポポちゃん)
犬(ペロ):バうばふ!(ええなあ!)
おばさんB:あんれ…見えなくなっちゃった…
~~「愛犬が自由を手にしたとき」完~~
ひとつよろしくお願いいたします