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描きたいものを描いて作りたいものを作る

こんにちは金曜お昼になりました。手芸作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターと手芸作家に向けた「仕事とお金の授業」21回目となる本日のタイトルは「描きたいものを描いて作りたいものを作る」です。


はじめに

私を含め、このnoteを読んでくれている方の多くが子供の頃から絵を描くのが好きだったり、物を作ることが好きだった人が多いのではと思っています。作品を見た親や先生から褒められたり友達からリクエストをもらってマンガの絵を模写したりしてませんでしたか?とても楽しかったですよね。

私は少し遠回りしましたが大人になってそれが趣味から仕事になったとき最初はとても嬉しかったのですがある時ふと思ったんです。思ってたよりそんなに楽しくないなと。クライアントから仕事が途切れると不安で辛いなと。

私はそもそも待つ事と団体行動が苦手でした。スポットスポットでいつ来るか分からないクライアントワークや多くの人が関わり長期間拘束される仕事より自分や仲間達で企画を立てて少人数で仕事を進めて行く方が向いていると気づき実行してきました。

今日はこのnoteを読んでいる自分と同じような気持ちを持っていてまだ行動に移すことが出来ていない誰かの後押しになればと思いこれまでやってきた事をいくつか書きたいと思います。

やってきた事

1冊目の手芸本が出た後、カルチャーセンターから誘われ決められたカリキュラムで刺しゅう教室の先生をしていました。生徒がそれほど集まらなかったのと初心者には難しい内容だったのでその仕事を辞めて自分で授業内容を決めた教室を開きました。細い刺しゅう糸では無く極太毛糸を使って誰でも簡単に短時間で作ることが出来る腕時計「毛ーSHOCK」の誕生です。

今見てもかわいいな

当初は100均の腕時計をばらして中に入っていたムーブメントを材料として使っていました。すぐ壊れることを逆手にとってキャッチコピーを「水にも衝撃にも弱い」とうたい宣伝しました。見た目の可愛さと手軽に作れるその内容が大人気になり日本全国で教室を開きました。
最終的に本家カシオのG-SHOCKのデザインを担当することに繋がります。



専用ケース入り!

「毛ーSHOCK」の次にと考えて作ったのは「OLEX」です。高級腕時計をモチーフにクロスステッチで作る俺のブレスレットです。GEISAIで発表したら審査員として来ていたKAWSが気に入って作品をまとめて買ってくれました。KAWSの作品は大金を払えば誰でも買えるけどKAWS本人に作品を買って貰える人はいないと毎回お酒の席で自慢していたら友達が減りました。
後にキタンクラブからガチャガチャになりました。

キャッチコピー「時間はスマホで見ればいい」



幻のベースボールキャップ

ハイプなストリートカルチャーをモチーフにお金の無い自分が手芸で表現することがオリジナルのスタイルだと思ってた頃ヤンキースのロゴをクロスステッチでアレンジしたものを作りました。これまた人気になり沢山作りました。ニューエラの担当者を人づてに紹介してもらえることになり中目黒のオフィスに打合せに呼ばれて行きました。そしたら怒られました。笑
ロゴはいじってはいけないということをその時学びました。


パッケージを変えてまだ売っています。

ラコステのワニが退屈そうに見えたのでちょうどいいサイズのスケボーのワッペンを作り販売しました。パリのコレットに卸したらバズってしまってパッケージのイラストがうちのワニに似ていると本家から怒られました。マジックで上からワニのイラストを消して売り続けました。


子供の頃大好きだったファミコンゲームのファミスタとプロ野球をコラボしたグッズを作れたら面白いのではないかと企画を立ち上げパルコに持ち込み一緒にゲーム会社と12球団の許諾を取って商品化したら爆発的に売れました。北別府さんにまでその情報が届き「きたへふ」バージョンのTシャツを作れたことはファミっ子だった自分にとってとても嬉しかった出来事の1つです。
当時一緒に動いていたパルコの平松さんは最近どうしてるのだろうと調べたらいつの間にか渋谷店の店長に出世していました。平松さんホームランおめでとうございます!


最近だとコロナで暇だったとき無印良品で売っていたジュートバッグにクロスステッチで無印のロゴを刺しゅう(ロゴはいじってはいけないという教えを忘れてる)したらバズって気づいたら刺しゅう仲間達と一緒に無印良品銀座店で展示をしてました。コロナの期間は大変だったけど手芸をしている時は気がまぎれました。楽しかったよね!


今は運営するギャラリーでご一緒する作家さんとこれまで自分が仕事で仲良くなったメーカーや工場とを繋げて新たな企画を作っています。自分が持ってない技術や才能同士を繋ぎ合わせるのがとても楽しいです。かっこよく言えばプロデューサー、しっくりくるのはおせっかいなお見合いの仲人でしょうか。


そういえばギャラリーで今年の春からお手伝いをしてくれているイラストレーターのアイリンさんは趣味の散歩をいかして近隣の地図を勝手に作ってくれたのでお店で配布しています。大人気になりそれきっかけで仕事にも繋がったそう。最近は地図に広告をいれそれで印刷費を賄うまでになりました。すごいぞ!!


ビバ妄想癖

私は何かを始めるときに他人から意見を求めることや他人の目を気にして手を止める事はほとんどありません。描きたい作りたい面白そうと思った衝動を抑えられないからです。もちろん勢いに任せて作ったものを翌朝見て何でこんなもの作ったんだろうと思った事は何度もあります。でもまた思いついたら作ればいいだけです。

お金になるかならないかは始めるときにはあまり考えません。それは別問題だからです。たまにものすごいアイデアが浮かんだ時はこのままうまく行くと億万長者になってしまうかもと妄想し宝くじが当たった人が最終的に不幸になる話を思い出して不安になったりもしますが今の所その心配の必要は無さそうです。今日も元気にギャラリーでレジ番しています。

まとめ

SNSの時代になり以前は無かった他人からの無責任な批判が目に付くようになりました。もしそのことが何かに取り掛かる時のストッパー(不安材料)になっているとしたら少しもったいないと思います。自分が楽しい、面白いという気持ちは他人が決める事では無く自分が決めるものだからです。

大人になってしまった今、子供の頃のように描きたいものを描いて作りたいものを作るだけでは生活は難しいのかもしれません。でも大人になった今だから出来ることも増えましたよね。誰になんと言われようが自分が楽しいと思える事を自分なりにたくさんして行きましょう。

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