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妻恋う鹿は笛に寄る(自作の詩と散文)

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瀬戸内海に面する小都市で暮らし、働きながら詩や散文を詠んでいます。情景を言葉として、心で感じたことを情景にして描くことを心がけています。言葉の好きな方と交流できたらいいなと思って…
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#存在

完璧

完璧

完璧ではない空が好きだ
果てしなく遠くに暮れてゆく

完璧ではない絵が好きだ
色彩の隙間に余韻の入っていける

完璧ではない主人公が好きだ
脇役の存在がきらりと光る

完璧ではない人が好きだ
どこかで破綻していて落下している

完璧な夏の夕方が好きだ
闇に息づく喪失感の膨らんでいく

ちっぽけな存在にすぎない私たちの心の中

ちっぽけな存在にすぎない私たちの心の中

なんて人生は意味深いのだろうか。自分の思い方次第で、どんな風にでも捉えられる。辛いことが重なっても、その経験が人間を広く深いものにしてくれる。この世界の大きさ、歴史の長さの中で、ちっぽけな存在にすぎない私たちの心の中には、全て詰まっているはず。感じられるはず。それも自分の思い方一つなのだ。それは何か大切な者達に支えられ、助けられ、ここまでたどり着いた大きな流れの中に浮かんでいて、星々の軌道に則った

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