大森さん

おかーちゃんで、刺繍作家兼保育士。乳がんサバイバーな同居嫁。 熊と狸とカモシカが闊歩す…

大森さん

おかーちゃんで、刺繍作家兼保育士。乳がんサバイバーな同居嫁。 熊と狸とカモシカが闊歩する雪国に住まいする。 好きなものは花や美しいもの。 繊細なもの。古いもの。 苦手なものは朝から機嫌の悪い上司 https://www.instagram.com/oomori83bandou/

最近の記事

不惑にして惑わず

一年の計は元旦にあり。 とはよく言ったもので、大晦日を越えて遅くまで起きていたものは、必然的に初日の出も見ずに眠りこけることとなり、気がつけばもう朝の凛とした空気と言うよりは、普通の日常感漂う時間に起床となるわけで。 そうすると、お雑煮おせちも押してくるし、ほっと一息ついた頃にはあら、もうこんな時間??となるわけである。 合間に見たInstagramの投稿で計画性のある知人たちがしっかり更新し目標を述べる中で、私ったらなんて怠惰なのだろう。 と思うのだけれど、私のいい所は

    • 糸×宝石 わたしの製作秘話

      キラキラしたものが好きキラキラしたものが好きだ。 特に、遊色があるものがいい。シャボン玉を吹いた時に不意に見える紫や緑や黄色……様々な色がせめぎあいゆらゆら揺れている、あの不思議なゆらめきに心惹かれてしまう。 オパールだとか、曜変天目茶碗だとか、そういったキラキラ具合が特に好ましい。 地学好きとまではいかないが、宝石や鉱物が好きで父方の曽祖父が集めていた瑪瑙の原石を譲り受け、飽きることなく眺めていた。 赤と薄い朱鷺色のグラデーションが重なり合い触るとつるりとして冷たく、机の

      • 自分でおしまいを決めてしまった祖母へ

        現世で死者を思うと、あちらの世界では、美しい花びらがその人のもとに降ると言う。 私の祖母は自分でおしまいを決めてしまった。鬱だった。衰えていく体と、しかしハッキリした思考。 このギャップが恐怖だったようだ。介護施設の慰問に三味線を提げて回っていた祖母は、死にたくても死ねなくなる。いっそ殺して欲しいと懇願する方たちがいるのだと話していた。 体が動かなくなるのが怖かったのだ。 鬱という病で無くなったとそう考えなさいと、菩提寺の和尚様に説法を受けて、それで私たちはいくらか心が救

        • 春待ちのロゼット

          春を待つ植物たちの戦略。 雪の重みに耐え、風から体を傷つけぬように、太陽が出た時はたくさんの光を受けられるように待つ姿勢。それがこの上なく美しく見える。 霜の降りた葉の先、糖衣がまぶされたお菓子のようで、どれだけ見ていても飽きない。 お花屋さんの華やかな花も大好きだけれど、こうしてじっと屋外で春を待つひと達の営みを見つめるのも好きだ。 写真は実家の庭先にもう何年も繁茂しているいちごの群生。父が孫のために、適宜肥料をやっているらしいのだが、休眠中の頃は基本放ったらかし。

        不惑にして惑わず

          ファンタジーが現実になるまで

          ポケモン世代。私はそれに該当するか些かあやしい。 人にとってはど真ん中と言い張るだろうか。 ポケモン赤緑が我が家にやって来たのは小学校を卒業する最後の年だった。 それが、何故か妹にポケモン緑だったか赤だったかが与えられたのだった。 経緯は全く覚えていないが、我が家に携帯機のゲームがやってきたのは青天の霹靂だった。 その頃、私は塾と読書、共働きの母を助けるための洗濯、晩御飯の手伝いで忙しくゲームに触る暇などない生活を送っていたのだが、全て終えて子ども部屋で寛ぐ妹のプレイする

          ファンタジーが現実になるまで

          手刺繍アクセサリーOomori83 わたしとわたしの好きなこと

          自己紹介 こんにちは。 刺繍アクセサリー製作Oomori83です。 ここではの中の人の作品紹介や、日々思ったことをつらつらと綴っていこうと思っています。 Oomori83 刺繍作家として活動をはじめてから七年になります。植物と動物が主体のブローチや耳飾りなどを中心に製作。 カモシカとサル、狸などなど生き物の気配が濃厚な場所で生まれ育ち、現在は猪と熊が出没する山裾にくらし、美しいな、素敵だなと感じたことを作品の中に取り入れています。 名前も知らない野草、野の花、朝露の虹色

          手刺繍アクセサリーOomori83 わたしとわたしの好きなこと

          【創作童話】紫の瞳を持つ宇宙ねこのはなし

          紫色の瞳をもつ猫は、失せもの探しが得意でした。 宇宙のあちこちを流れ流れて、さまざまな人々の大切なものを占う猫の神秘的な瞳は、たちどころに、失せものを探し出します。 猫の占いは、タロットよりももっと古くから脈々と継がれてきた、古い形の牌を使うしかし、大変に技術を要する類のものでした。  いつしか、その腕前が遠く銀河を超えた果の空まで広まることとなり、 猫は敬意をこめて、流浪民の透紫眼と呼ばれるようになりました。 そう呼ばれると猫は自分にはそんな大層な、あざ名は必要ない。ただ

          【創作童話】紫の瞳を持つ宇宙ねこのはなし

          戦争を知らない私と祈りの小鳩

          安保理事だとか、平和だとか。 この歳になって、小学生の頃のおさらいをリアルにすることになろうとは思いもしなかった。 ふわっとやったなぁ。国連安全保障理事会。 私は、今までの人生ざっくり半径3mの幸せの中で生きてきたので、戦争は対岸の火事だった。 第二次世界大戦で、戦勝国になった連合国が常任理事国になってるやつ。 日本は負けて、それで戦争は終わりになった。 確か安保理事会って、戦争の過ちをもう犯さないために作られた組織じゃなかったのか?? 今回の当事国、はいってるけど。

          戦争を知らない私と祈りの小鳩