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クリエイティブな力を高めるコツ【表現力講師/俳優/CEO小林音子さん】

「クリエイティブな力を高めるコツ」をテーマにした連続インタビュー。
今回お話をうかがったのは、表現力講師/俳優/OrionsbeltGlobal CEOの小林音子さんです。

1996年、俳優としてデビュー。
その後、テレビドラマや映画、舞台、CMなどに数多く出演。
現在は、芸能プロダクションの社長として経営とマネジメントのお仕事をされるとともに、
若い俳優さんやビジネスパーソン向けの表現力指導・コミュニケーション指導の講師を務めていらっしゃいます。
※Orionsbelt GlobalのHPはこちら

俳優。
なんて華やかな響きなのでしょうか!
また、とても興味をそそりますのは、「表現力の講師」をされている点です。
まずは小林さんがどんな子ども時代を過ごされたのか、そこからインタビューをスタートさせていただきました。

◎表現することに取り組んだ日々

私は幼稚園のころから、親戚の集まりがあると 人前で、歌ったり踊ったりして褒められました。
それが嬉しかったんでしょうね。
そのおかげで自信が持つことができ、歌や踊りは、自分の得意なことなんだって思いました。
恥ずかしいっていう感覚はなかったですね。
人前で表現することが自分のできること。得意なこと。
そんな思いを強く持っていました。

中学では新体操、高校ではバトントワリングに夢中になりました。
バトントワリングの団体競技では全国大会で8位に入賞したこともありました。
具体的には、与えられた環境下で、「表現できる場所」に常に身をおいてきました。
大学時代は、体育大学で舞踊(ダンス)を専攻し、芸術論、演出論などを学ぶとともに、バレエ、モダンダンスなどを通して身体表現の研究に取り組み自分ができることに全力で取り組んできました。
振り返れば、ずっと好きなことをしてきたなって思います。

◎今の自分につながるもの

ずっと多種類の身体表現などを勉強してきたこともあり、「表現すること」に興味があります。
自分は表現者でありたい。そう思います。
現在は俳優のお仕事もさせていただいています。
でも根っこにあるのは、「表現」への思いなのかもしれません。
演じることに限らず、ダンスやスピーチ・演出や振付など、多方面から表現を学びたい。
表現力についての知識とスキルを高めたいという想いが私の中にあります。
それが自分のできること。得意なことです。

今思えば、子どものころに培った自信のようなものが大きかったように思います。
親戚の人たちから褒められた経験。
新体操やバトントワリングに、全力で打ち込んだ日々。
全国で入賞できたという喜び。
そういう小さな成功体験の積み重ねが、今の自分を創り上げたと感じています。
そして真剣に向き合ったからこそ、どんな結果でもいいので評価して欲しい。
そういう欲のようなものが、自分の中にはあると思います。
その欲が情熱に代わり、行動の原動力になり、俳優や表現力講師としての今の自分につながっていると思います。

◎俳優という仕事について

俳優は台本をもらってから「役作り」をします。
台本を読みながら、自分の役について台本の意図を理解をする。
そして演じる人物の欲望や思考・心情・行動の意図などあらゆる角度から状況を解釈し、自分がどう演じるのか考えます。
役を演じるには、その人物のキャラクターや物語の役割、身体表現するすべてをつくらなくてはいけません。
自分で考え、表現の形を作り、それを練習して現場に行き、演出家の指示によって表現の調整をしながら、役を作りあげることはとても刺激的な仕事です。
 
私が子供の頃、褒めてもらったように、同じことを演出家に求めているのかもしれません。
「この役作りどうでしょうか?」と演じて「いいですね、それでいきましょう」と言われた時の喜びを褒められたという経験と重ねているのかもしれません。
もちろん「ここはこんな感じの方がいいですね」とアドバイスをくださる時もあり、感性の共鳴を求めて微調整していきます。
この作業もクリエイティブでとても好きなんです。

◎役者の表現力は、自己理解で深まる

役作りには「自己理解」が必要だと考えています。
「自分の中にある情報」に目を向け、理解をすることです。
過去の経験を記憶をたどりながら、思い出し細かく分析していきます。
例えば、「怒り」の感情の一つをとっても、その感情のレベルが違います。
自分はどんな時に「怒り」を感じ、どんな身体表現をしているのか。
そしてその身体表現の強弱やそのまま出すのか?抑えながら出すのか?
表情、声色、体の使い方など具体的にどうなっているのかを自己分析し、自己理解すること
で、表現の方法が変わってきます。
丁寧に自分の中を探りながら、思い出し、理解し、確認をする。
自己理解度が高くなると比例して、表現力や演技の幅が広がっていきます。
少しお話が脱線しますが、表現力は、ビジネスパーソンにも必要なものだと思います。
プレゼンテーション・ネゴシエーション・面接・講演・スピーチやビジネスシーンでの対話など、コミュニケーションが重要視される時代になったのだと感じているからです。
私が表現力講師を務める「俳優・タレント養成レギュラークラス」は、ビジネスパーソンの方にも表現力やコミュニケーション能力を磨くために通っていただいています。
俳優・タレントに必要なトレーニングの中から、ビジネスパーソンを含む、すべての人に必要なコミュニケーションスキルをレギュラークラスにまとめました。
エンターテイメントのプロを目指す人もビジネスコミュニケーションを学ぶ人も一緒に切磋琢磨することで多様性が生まれ、成長率が上がります。
人の気持ちを引きつけるには、表現の力が求められます。
自己理解を深めながら、表現力の基礎を養うことで誰もがいつでも成長できます。
※この講座の詳細はこちら

◎表現力やクリエイティブ力を高めたいと思う方へのアドバイス

表現力や生み出す力を高めたい時には「自分と自分のコミュニケーションの時間を作ること」が大切です。
最初に「自分の意見を伝えること」という目標を立てます。
次に好きなことについて「好きな理由」「好きになったきっかけ」など、できるだけ多くの質問を立てて、それに対しての答えを書き出します。
好きなものに対しての「自分の意見」があることを文章化することで「自分の意見」を明確に自覚します。
そして鏡の前で声に出して練習することも大事です。
「表現目標」を立て「自己理解」し「表現方法の構築」「表現の練習」このような時間を作ってください。

◎「恥ずかしい」と思う気持ちへの対処法

何かに取り組む時、「恥ずかしい」と思うことがありますよね。
恥ずかしさが生まれる原因の1つは、失敗を恐れる気持ちがあるからだと思います。
うまくいかないことを恐れ、表現することに怖さを感じてしまう。
そして行動ができなくなってしまう。
大切なのは、小さな成功体験づくりだと思います。
やってみて、成功した。
または、やってみて、最悪の結果にはならなかった。
そういう経験が必要だと思います。
私は恥ずかしがっている人に、「恥ずかしがっちゃいけないよ」とは言わないようにしています。
「恥ずかしい」という状況を理解した上で、自分とのコミュニケーションを促していきます。
「自信を持って話す表現目標」を立て「恥ずかしいという事実を自己理解」し、「なぜ恥ずかしいのか」「恥ずかしい理由」など、他角度の質問から分析していきます。
そして「表現方法の構築」「表現の練習」
このプロセスは理想の表現方法をするために大切なことです。
ぜひ皆さんも、自分らしい表現の世界にチャレンジしてみてください。

以上、インタビューを通し、小林音子さんからうかがったお話をご紹介させていただきました。

役者という未知の世界。
表現というものに向き合う際の心構えやコツについて、多くの学びをいただきました。
この場をお借りして、心よりのお礼の言葉を申し上げます。
本当にありがとうございました!

小林さんが連載中のダイヤモンド・オンライン


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