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夕立ち

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地上に降りて帰れなくなった天使と、 一人、の物語。
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#ショートストーリー

夕立ち(4話)

夕立ち(4話)

部屋の電球が、
2,3回点滅して、
切れてしまった。

真っ暗だ。

このまま暗いままでもいいか、と思ったが、
まだお風呂にも入っていない。
晩ご飯を食べたところだった。

外は土砂降りで、
不思議な生命の気配が漂っていた。

生暖かい夜に、
霊や魂や、エネルギーたちも、
雨に助けを得て
歩き出しているのかもしれない。

時々吹き付けて、
網戸を越えて入ってくる風が、
ふわっふわっと
頬やおでこを

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夕立ち(3話)

夕立ち(3話)

↑このお話の続き

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ごめんください…

部屋の中は真っ暗だった。
あの灯っていた明かりは、もう消えてしまったのかな。
夕日が沈むみたいに。

もう眠ってしまいましたか。
私を泊めてもらえませんか。

扉の近く、水槽のさかながパクパクと口を開いた。

ご主人、電球が切れて、
なぜだか静かになっちゃったよ。

君は迷子かい?
迷子だねえ。

あれ。君天使?天使だね?
珍しいこともあるも

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夕立ち(2話)

夕立ち(2話)

↑このお話の続き。

雨粒の天使

雨は雲を離れ、
地上へと向かう。一粒で。
空中に孤独。

音立てることもなく。

波紋をつくり
地上の水の仲間入りをするまで、
ひとりで。

わたしは、雨みたい。
天の世界から離れて、
地上にたどりついて。

でも、雨みたいに浸みていくことは
できないでいる。

濡れた髪。
ぬれた翼。

私にはつばさがあって、
それはこの場所でも変わらないこと。

翼が折れなく

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