言葉のチカラは何よりも強く『本日はお日柄もよく』
言葉のチカラは剣よりも強い。
そんなことを信じたいと思うのは、あまりにピュアだろうか。
原田マハさんの著書『本日はお日柄もよく』はスピーチライターという仕事をとおして政党の戦いについて書いているようで、実はただひたすらに言葉のチカラや可能性について書かれた物語だと思う。
私は読みながら、何度も涙がこみ上げてきてしまった。
話が感動的だとか、切ないとかそんな理由ではない。言葉のチカラが、思いが押し寄せてきて、どうにもたまらなくなったのだ。
私の読書時間は、基本的に移動時間。電車に乗り、「さあ読もう」と本を開くときはいつもワクワク。「降りなきゃ」と本を閉じるときは余韻で胸がいっぱい。顔は緩みっぱなし。
この本、実は2度連続で読んだ。
というのも、1度読み終わったあと、名残惜しくてカバンから出すことができなかったのだ。結局、数日後にまたページをめくりはじめ、内容を知っているというのにワクワクと素敵な余韻で満たされる幸せな日々を送り続けたのだ。
こんな読書体験はひさしぶりだった。
ファンタジー小説にはまっていた中学校1年生以来かも知れない。
私も言葉を扱う端くれとして思う。
いつか私が誰かの結婚式でスピーチをするとしたら、そのときはとっておきのプレゼントになるようなスピーチがしたいと思う。
もちろん、「本日はお日柄もよく」というキーワードを使って。
書籍 『本日はお日柄もよく』原田マハ/徳間書店
http://www.tokuma.com/bookinfo/9784198937065
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