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世界からマグロが消えたなら

コロナウイルス騒動のせいで、世界からティッシュペーパーとトイレットペーパーが消えたと思った矢先、近所のスーパーからお米が消えた。
お米は辛い。いや、勿論紙類が本気でなくなるのも困るんだけど、気持ち的に「米が食べられない」状況を受け入れられる自信がない。
麺にパンにと主食となる食べ物は多くあるし、とは言え米が消えるなんてあり得ない事なのかもしれないけれど、なにせこの世の中に絶対的なものは少ない。

そんなこんなで、世界からツナが消えた時のために、ツナを作る練習をした。と言うのは大嘘で、実際はオリーブオイルの大瓶をもらって、思い切って何かを漬けたいと思ったのだ。
牡蠣、チーズ、ドライトマト、キノコと色々候補を上げた中で一番面白そうなのがツナ。マグロのオイル漬けだ。
普段からツナを愛しているのかと聞かれれば、なんとなく目を逸らしてしまいそうなくらい私とツナとは浅い付き合いだが、手作りツナとなれば話は別だ。なにせ食べた事がない。興味しかない。思い立ったら吉日。在庫の少ないマスクを2枚重ね付けし、いざスーパーへ。

スーパー到着後、まず紙類のチェック。案の定何も無し。ウムと頷き魚介類売り場へ。マグロはある。良かった。紙類はないがマグロはある。冊のマグロを2つ購入し帰宅。

さぁ、ツナ作りだ!

まずはマグロに塩を振り20分程放置。塩を振る事で余分な水分が抜けるらしい。水と油は分離してしまうし、これは私の予想だが、ここでしっかりと水分を抜かないと臭みや腐りの原因になるのだろう。

次にマグロをしっかり今や貴重となったキッチンペーパーで押さえて水分を拭き取る。キッチンペーパーさん、ありがとう、感謝。

小さめの鍋にマグロを入れ、ひたひたになるギリギリくらいまだオリーブオイルを入れる。チューブのニンニクを2センチ、黒胡椒を小さじ1、ローリエを1枚入れたら極弱火で煮る。この時火を強くしてしまうと素揚げマグロなりそうなので注意。時々裏返して15分程煮込めば完成。マグロが全部オイルに漬かる容器に入れれば1週間程度は問題なく食べられる。

作った直後より数日置いた方が味が締まって美味しい。漬けたオイルを使用してキャベツとツナと塩昆布パスタを作ったが上出来だった。
昨日はツナをほぐしてマヨネーズとマスタードでサンドイッチにしたが、これまたなかなか美味しかった。
何より、すぐに手に入るツナをわざわざ手作りしたという自己満足が大きい。刺身用の美味しい美味しいマグロに火を通すのは少し気が引けて、思わず少しだけそのまま食べたくもなるが、それもまた贅沢をしている幸福感があって良い。
世界からマグロが消える前に、皆さんもお試しあれ。


#コロナウイルス #春休み #おうちごはん
#簡単レシピ #エッセイ #コラム #グルメ

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