特許図面を愛でる05~いらすとや編~
※ 本記事はパテントサロン「知財系ライトニングトーク#23 拡張オンライン版 2024 冬」向けに執筆したものです。
パテサロLT(ライトニングトーク)、13連続13回目の参加です。
過去8回は特許料理シリーズ、そして9回目からは「特許図面シリーズ」を開始しました。
特許図面は、発明内容を説明するにあたって役立つもの。おカタい特許文献の中で緩さを醸し出す図面もあり、なかなか味わい深いものです。
第5弾は、いらすとや編。
早速紹介していきます。
1. 特許第6587931号:要支援者確認ツール
出願日:2015.12.25 J-PlatPat リンク
この発明は、認知機能が低下した高齢者や幼児などの自救能力が不十分な人の所在や個人救援情報を確認できる新しい要支援者確認ツールに関するものです。手の爪に形成されるシート状の基材に、視認できる化粧用要素と、肉眼では認識できないが読取装置で読取可能な識別コードが設けられ、この識別コードには身元及び緊急連絡先を含む個人支援情報が記憶されているとのこと。
そして図2には、化粧用要素及び形状のバリエーションが示されており、「いらすとや」さんのイラストも多く活用されていますね。図2(d)左はエジソンでしょうか。
なお、本発明に係るサービス「スマ救」は、出願人のHPに掲載されていました。地域における相互扶助を促すサービスとなりそうですね。
2. 特開2018-74254:生活支援システム
出願日:2016.10.25 J-PlatPatリンク
この発明は、高齢者などに対して、電話機の傍らへの移動を強制せず、リラックスした姿勢での会話を可能にし、安否確認と生活支援サービスを効果的に提供するための生活支援システムに関するものです。オペレーターと、優しそうなお婆ちゃんのイラストが登場しています。簡素なブロック図にイラストが付与されることで、発明内容の理解が進みそうですね。
3. 特許第6872066号:コンピュータを介したコミュニケーションを実施するためのシステム、方法及びプログラム
出願日:2020.7.3 J-PlatPatリンク
情報源:綾木健一郎様 Tweet(リンク)
この発明は、オンライン会議などのコンピュータを介したコミュニケーションを実施するシステムに関するものです。このシステムは、参加者の表情、感情、ジェスチャーなどを認識し、それらを可視化する機能を有するとのこと。「いらすとや」のイラストが活用された図5によれば、参加者11名中、1名だけ怒った表情の人がおり、領域530に「怒り 08%」と表示されています。出願日は 2020.7.3 であり、コロナ禍に入って間もなくの頃ですね。
以上、「いらすとや」のイラストが特許図面に登場する特許3件を紹介しました。
ご覧いただきありがとうございました。
Uchida