特許図面を愛でる01~ジェットコースター編~
※ 本記事はパテントサロン「知財系ライトニングトーク#19 拡張オンライン版 2023 冬」向けに執筆したものです。
パテサロLT(ライトニングトーク)、9連続9回目の参加です。過去8回は、権利化されている特許の内容でお料理をするという「特許料理シリーズ」でした。
9回目の今回からは、「特許図面を愛でるシリーズ」を開始するものとします。
特許図面は、発明内容を説明するにあたって役立つもの。おカタい特許文献の中で緩さを醸し出す図面もあり、なかなか味わい深いものです。
これまで様々な記事で取り上げた図面を中心に、新作も交えつつ再編集してお届けしていきます。
第1弾はジェットコースター編です。
01 Loop the Loop @ Coney Island(米国)
US609164:Roller-coaster
出願日:1898.8.16 発明者:E. Prescott 氏 Google Patents リンク
北米初の宙返りコースター「Loop the Loop(Wikipedia)」関連の米国特許。実機と似た雰囲気の図面であり、レールを支える柱が細くて怖そうである。
02 国内最古の出願案件?
実公昭09-10375:滑走「カー」
出願日:1934.6.5 考案者:林 兩太 氏 J-PlatPat リンク
ジェットコースター関連の特許分類「A63G21/04」が付与されている最古文献が、1934年出願の本件。図面から全貌は定かでないが、あまり怖くなさそうである。図面中の人物も楽しそう。
03 スプラッシュマウンテン @ ディズニーランド
特許第2595424号:遊戯用乗り物
出願日:1992.9.2 権利者:株式会社オリエンタルランド J-PlatPat リンク
水飛沫を上げて落下する乗物に関する発明。側面14の形状等を工夫することで、水飛沫が客席内に入らないようにするという内容。出願日や図面から察するに、1992年10月オープンの「スプラッシュマウンテン」に関連する特許と思われる。
<関連記事>
04 穴あきコースター
特許第3434887号:遊戯用乗物装置
出願日:1994.4.20 権利者:ビイエルデイオリエンタル株式会社 J-PlatPat リンク
こちらは、走行軌道1が欠落部4を有する乗物装置。より一層のスリル感を味わうことができる恐ろしい発明。怖そうである。
ところで本件は、特許庁における審査時に「こち亀」が参照されている。特許出願前に公開されたこち亀にも、似たアイデアが登場していたのだ。
<関連記事>
05 懸垂型コースター
特開2002-18145:懸垂型ロ-ラ-コ-スタ-
出願日:2000.7.10 出願人:富士急行株式会社、豊永産業株式会社
J-PlatPat リンク
最後は懸垂型コースター。着席姿勢ではなく、図のとおり横向きになって走行するコースター。個人的には着席姿勢でさえ「あり得ない」ので、なんて末恐ろしい発明なのかと。人類の飽くなき探究心は凄い。
では、今回はサクッと5件で終了です。
ご覧いただきありがとうございました。
Uchida
記事をご覧いただき有難うございました!