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うつですね。

2022年3月12日にメンタルクリニックを受診した。年末から心身の体調が優れなかったからだ。

腹の下の方にどす黒い鉛が固まらずに液体で溜まっているような感覚が、この会社に入って半年経った頃から少しずつ溜まっていた。

それがいっぱいいっぱいになったのだと思う。

病院に行った時には、会社のあらゆる人達が自分を舐めている。利用している。蔑んでいる。と感じていた。

そして、イライラムカムカ。

それでも仕事は進めなければならない。ずさんな管理、誰が責任者か分からない社内政治を振りかざして、やばくなった案件がすべて僕の所に回ってきた。

僕はアダルトチルドレンだ。
人に嫌われたくない。見捨てられる。自分は誰かの何かの役にたってないと存在してはいけない。

そんな強迫観念があり、断ることができないでいた。

会社は、同族経営の非公開株式会社、オーナー一族がすべてを握る閉鎖的、ワンマン社長の会社である。


部署らしきものは、店舗営業部を中心になぜだか営業がビジュアルの決定権から人事権まですべての決定権を握っていた。

社長の友達、出向、名前だけの部長や重要ポストについている人間は何人もいたが、名前だけの部長もたくさんいた。

予算もなければ決裁権も無い、プライドだけの部長。本社に全てを総括して判断、評価する人もいない。評価する基準も無ければ、評価シートや面談も無い。そんな会社だった。


そこで生き残る人間は、耳障りのいいことを耳打ちし、他人に責任を押し付けて、成果だけを横取りする政治に長けた人間がほとんどだ。

会社に務めていれば、こういう人種が一定数いるのはどこも同じだが、ここはそれが9割を占めていた。

そんな中で、自分の問題も合致し、アダルト・チルドレンであること、見たくない現実から目をそらす為には絶好の場所だった。いつも問題だらけで、日にちがない。体裁を繕うための突発的な仕事ばかり、それをこなしていればあっという間に歳をとる。

できる人と思われたい。大切にされたい。この会社でチームを作って1人ではできなかったおもしろいことがしたい!

入社した時に思い描いていた希望ややりたいことはすべて後回しにするうちに、社内では

めんどくさいことを押し付けていい人。利用しやすい人。


になっていた。


そうやって思考停止した、会社員生活を送って3年半が過ぎようとした時に、異変が起きた。

周りから蔑まれているような雑に扱われている。それが嫌で周りの目線が気になって仕事が進まない。腹の底の鉛が波打って体が重い。何もしたくない。

他人のすべての行動が自分を利用する為にしている。イライラムカムカ。

後輩に頼んだことがやってない。報告がない、勝手に進んでいる。

喉が詰まるような感覚があり、苦しい。

「なんでこんなに他人のことで苦しんでるんだ。他人を無視しよう。自分の仕事だけに集中すれば問題無い。」

無理矢理、そうしようとがんじがらめに本当の気持ちに蓋をして、やってみても1日しかもたない。

短日ではできても翌日にリバウンドのように目線が気になったり、苦しくなる。

それと対照的に上手く仕事が進む後輩。楽しそうにやっている姿に憎しみすら感じていた。


そのままでいたら、仕事で足を引っ張ったり、酷いことをしてしまいそうだった。後輩はただ目の前の仕事を頑張り、結果が出ただけ、会社にとって利益のあることなんだ、俺が止めちゃいけない。


「結局声が大きいやつが勝つんすよ」


自分が馬鹿にされ蔑まれていると感じた。


「んーそれが全てとは思えないけど、、、」


本心ではそれを自由に出来るように、上からの言葉を受け止めて、時間をとり、後押ししていた自分がいる。ネタを提供したり、情報を伝えているチームのメンバーがいる。

これは君だけの成果、数字では無い。チームのみんなでやったことではないのか。


「・・・」

結局、それを吐き出して伝えることができなかった。

完全に舐められていたのだ。蔑まれていたのだ。でも、ふざけるなと言えない自分。


どんどん苦しくなった。




なんなんだこの苦しみは。



口だけで言い訳して誰かに面倒ごとを押し付けて、「あいつがやってません。」という言い訳が通ってしまう会社に憎しみと恨みがつもり、全員が敵のように感じるようになっていた。


すべての人間が裏切る。手のひらを返す。信用出来ない。そういう目線で人を見るようになっていた。

実際にたくさん嫌な思い、手のひら返しを食らってきたのだが、自分のチームや部下にまでその目で過剰に見ていたと思う。


同じ空気を吸いたくない。一緒にいたくない。これ以上、傷つきたくない。

どんどん孤立していた。


「うつですね。」

病院に行った時には、本心を話せる人は誰もいなかった。

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