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ニートが家に住むことになった。

どうも、この度ニートが家に住むことになりました。

(ア)寅女のこれまで

とはいえ突然「ニートが家に住むことになった」と言われても、寅女がどんな人間なのかがわからないまま読み進めていくと一生脳みそには「?」がこびりついたまま、何がなんだかよくわからないことになってくることでしょう。このnoteを存分に心から楽しんでいただくためにも、簡単に自己紹介をかねて寅女がどんな人間なのか、記していきたいと思います。

25歳女。大学生までは地元大阪で生まれ育ち、就職とともにキラキラTOKYOへ。金なし彼氏なし友達なしでスタートしたTOKYOライフ。寂しさと酒に溺れる日々はようやく3年が経とうとしている。酒に酔って騒ぐのは日常茶飯事、酒に酔って男について行ってしまうし、酒に酔って救急車で運ばれたこともある。とにかく酒癖が悪すぎて彼氏なんてほぼできない。営業職という職業柄、「手に入れたい」と思った男は必ず手に入れたいと思うようになり、会社の先輩からはそんな私の男遊び一連の話を「狩猟活動」とまとめられる惨事。無論本当に手に入れられた試しなどない。そんな寅女もようやく「なんかもう一人が気楽でいいのかも卍自由最高卍」と気持ちの平静を取り戻そうとしていたのだった。

(イ)寅女、いつものように合コンを開催する

某日。いつものように友人である「社長」と飲みに行く。合流すると一人見知らぬまるでバンドマンのようなマッシュ男が目に入った。社長の友人である彼は初めましてだったが話は弾み、話の流れで二人から合コンを開いてくれとお願いされ、「オッケー任せろ」の二つ返事で解散。

合コン当日。気づけばその合コンは5対5の大所帯となっていた。メンバー構成としては、女側:弊社女性5名 男側:社長・マッシュ男・マッシュ男の高校の友人であるマッチョ・社長の大学のサークルの同級生であるP・社長と寅女の高校の同級生のガリガリ君というなんとも歪な形であった。

取り急ぎ自己紹介を済ませ、なんとか会を盛り上げなければいけないと思い寅女も「ケトル」発動。「ケトル」とはその名の通り、自発的に狂ったように酒を飲み沸騰し、その場も沸騰させちゃう寅女の得意技である(言わずもがなこんなことばかりしているからいくら出会いがあっても足りないのであるが、汗)。

そんな寅女は「ガリかデブだとデブが好き」という今まで一度たりとも共感されたことがない性癖があり、マッチョ君にロックオン。マッチョ君がタバコを吸いにいくたびについていき2人で話すことにした。とは言え既に「ケトル」を発動させてしまっているので視界がぐるぐるしておりまともに話せない。酒に酔うと自分の声が聞こえなくなってしまうので自ずとボリュームも上がる。男からすると気が狂ったように酒を飲み騒いでいた女が急にピクミンのように後ろをついてきて、座った目と馬鹿でかい声量で話しかけてくる上に狭い喫煙ルームに2人きりだなんて「恐怖」であること間違いなし。なんだかんだ話していると私ではなく違う女の子が可愛いと思うということを耳にし、寅女華麗に惨敗。ここまで恐怖を与えてしまっているのにこれ以上恐れられてしまうと困るな〜と思い、潔くリリース。部屋に戻るとマッチョ君、かなり頑張ってその可愛らしい女の子に近づいて行っていたが、スッと躱されているのを横目に寅女ここでHPが0になり寝ることにした。

(ウ)asobu.

後日。やはりマッチョ君のことが気になる寅女はLINEにて連絡を取る。秒速で返信が来て2人でご飯に行く約束をすることができた。これには少し驚いたが、遊んでくれるならまあいいやと思いルンルンで仕事をこなす。当日、池袋で19時に無事再開を果たすとマッチョ君「どうしよっか〜とりあえずHUBに行って考えよう」と第一声を発す。「とりあえずHUB」なんて幾度となく男と遊んできたが生まれて初めて言われたのでこれは楽しみだと思いついて行った。HUBで腰をかけると次に「俺は今日ビリヤードをしたいからついてきてほしい」と言われる。いいよ〜でもお腹すいたからなんか食べに行こうと言うと、「そうだね」と言いHUBを出てなんだかんだ赤からに行くことになった。

飯を食いながら話をしている中で、マッチョ君のパーソナル情報を多々手に入れることになる。彼は同い年なのであるが大学を2留しており、「新卒で今年入った会社を8月に辞めて、今は実家に住んでいること」「新卒で入ったその会社はゴリゴリ営業会社かつ完全歩合制で、完全実力主義であるその環境がとても良かったが他にやりたいことがあるので辞めたこと」「学生時代はダーツのプロだったこと」「趣味はマジック」「やりたいことがあるということをマッシュ男に相談したところ、社長を紹介してもらえることになり今は社長の協力を仰ぎながら事業を立ち上げようとしているということ」まあ要するに彼の現状を一言で表すと「夢のあるマッチョニート」であることがわかった。

文字面だけだとただのやばいやつであることは間違いないのであるが、寅女は彼の人としての魅力にどんどん惹かれていくことになる。その一面というのは「やりたいと思ったことに対しては無心で熱中することができ、突き詰められる人間である」というところ。寅女は何事においても中の上までしかやり続けることができない、スペシャリスト指向が極めて低い人間。そんな寅女からするとその一面は魅力的で仕方がないのであった。そんな一面を持っているからこそ、話をしている最中「今はまだ道の途中かもしれないけどきっと成功するよ」などとクサイことをほざいてしまうようになった。

赤からを出たあと、予定通りビリヤードをするべくバグースへ。ビリヤードを一通り楽しんだあと隣に卓球台があったので卓球でガチンコ勝負をしたのち、私に確認を取ることなく店員に「今からダーツをしたいのですが変更できますか」と声をかけていた。もちろん元ダーツのプロなのだから、いくらハンデがあっても勝てるはずがない。テキーラを何杯か飲まされた後、寅女ようやく酒が回ってきて千鳥足で店を出た。

店を出ると「もう終電はない」とテンプレみたいな言葉を発するニート。ただ寅女、とても楽しかった模様でもうどうにでもなれ☆と思い、次何するか聞くと「バーに行こう」と言われる。ついた場所は池袋にある「ペンギンのいるバー」なんでバーにペンギンがいるのかが理解できないし店のチョイスなに?!と思っているうちにトイレから帰ってくるとニート会計を済ませコートを着て「いくぞっ」とのことだったのでついて行った。

ホテル着。やることを済ませもう寝るか〜と思っていると朝5時「…やっぱりさあ〜、ラーメン食べたくない?」とのこと。まじで言ってる?と10回くらい確認した挙句ニートを見ると外に出る準備万端だったのでついて行った。ラーメンを食い終わるともう一度ホテルに帰り睡眠をとり、昼の2時に解散した。

ここまで記載して読み返すとただ「ちょっと気になる男について行った挙句ワンチャンした」というだけの文章になってしまっていて少し悲しい。今まで遊んだどの男と比べてもダントツで一番楽しかったということを強く伝えたい。この人と一緒にいると常に予想できないことが連続して起こっていくといういわば『非日常空間』を一生噛み締めて行きたいと強く感じた寅女だった。

その後、「このニートに一生遊んで欲しい」という気持ちがどんどん高まってきて、何度か遊んだ。あの合コンメンツのうちの数人でダーツに行ったりドライブに行ったりした。

そんなこんなで「寅女と所縁のある人々が集う誕生日PARTY」が開催されることになる。そこには合コンで出会った人々や私の仲のいい友人たちが集まり、勿論、社長・マッシュ男・ニートも居合わせていた。

(エ)寅女誕生日PARTY後の朝

いつも通り酒を飲んで潰れた。意識を取り戻すと朝方のすき家にいた。隣を見ると社長とマッシュ男が何やら話をしている。聞いてみると「マッチョニートの今後の行く末」について。何がそんなに問題なのかの話を聞いていくと「アクションが遅い」「仕事の返信がやたらと遅い」「金がなさすぎるくせに死ぬほど遊んでいる」「遊んでいる上に寝すぎて仕事が何も進んでいない」「自分から事業やりたいとお願いしてきたくせにクソみたいに受け身で腹が立つ」など、聞けば聞くほどクソみたいな話が止まらない。なるほどそれはダメだね、と軽く聞き流しているとそのうちに話は「一回寅女の家にぶち込んで性根を叩き直してもらった方がいいのでは」ということになり、二日酔いで頭が痛い私は適当に「あ〜全然いいよ〜むしろやってやるわ〜」と返事をしてタクシーに飛び乗った。

数日後。社長からLINE。

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その後、マッシュ男から説明されたこととしては以下である。

「ニートは進捗が遅いが社長とマッシュ男で毎日進捗を管理するのは限界がある→有識者の元でみっちり学んだ方がいい→マッシュ男も大学生時社長と一緒に暮らしながら事業を一緒にしていった経験があり、その経験でのよかったことを共有→営業マンとして社長と寅女は有能であることを共有(マッシュ男よ、私と一緒に仕事をしたことがないのによくそんなこと言えたな)→社長は彼女と同棲をしているので無理なことを伝える→寅女は一人暮らしだから暇であると伝える(おい)→実際に寅女の働き方とニートの作業風景からのフィードバックをもらうことの重要性を共有→自分に何が足りなくて、どこを直すべきなのか早急に学ぶ必要があることを共有→寅女は女ではなくビジネスマンだということを共有(おいw)→お金の心配はしなくていいことを共有」

兎にも角にも上の通り説得すると即答「わかった、行ってくる」とのことだったらしい。意味がわからない。なぜこんなに当事者以外のところでサクサク話が進んでいるのか、寅女の立ち位置はなんなんだ。色々質問攻めにしたのだがだがもう来ることが決まってしまったのでやるしかない。寅女も一度はニートのことを男として気になり、数回遊んだ挙句肉体関係も持ってしまっているので「まあこれも美味しい経験(?)になるかもしれない」と、脳みそを完全に停止させ現状を受け入れることにした。


そうして、ニートが家に住むことになったのである。





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