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「大人になること」僕が見つけた、その答えとは【ただのコラム】

子どもは、よく質問します。「大人になるってなに?」と。

大人は、よく言います。「いい加減、大人になりなさい」と。

ようやく子ども向けに、僕の答えを言語化できた。

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こんにちは、たんずです。
私は塾講師歴10年の現役塾講師です。
2020年度の春頃からZoomにて授業を提供しており、そこから見えた受験メソッドをお伝えしていきます。

今回は、ただのコラムです。笑 

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1.きっかけ

あれは先日のことだった。

入試を間近に控えた、小学校6年生を対象に、最後の授業をしていた。

科目は国語。文章の題材は、随筆文だった。

入試問題において、小学生が読む文章は、主人公が学生であることがほとんど。

また、随筆文においても筆者の学生時代を振り返るものが多く、

子どもたちはある程度の共感を持ちながら読み進めることができている。


しかし、この日の文章は違った。

筆者(大人)が、現在の自分について、思考を巡らせている文章であった。

大人のことがよくわかっていない子どもたちは、コテンパンにされた。

よくわかんないよ、と。

そこで私は決めたのだ。

受験前、最終回の授業のテーマは

大人になること、その意味とは。

2.「大人のイメージ」を聞いてみた

「じゃあ今回は大人について授業するわ」

「みんなが持っている、大人のイメージを教えて」

返ってきたのは、ひどい言葉の数々だった。

偉そう、威張っている、口うるさい、などなど。

その大人のおかげで、今の君たちは服を着て、

美味しいご飯を食べて、勉強もできているんでしょ。

と思ったが、グッと言葉を押し殺した。

「じゃあ、なんで大人はそういう態度なんだろうね?」

ある生徒がこう答えた。

「それが仕事だから?」

よくわかっているじゃねぇか。

それこそが本質なんだよ。

私は子どもたちに、こう説明をした。

3.「大人になること」とは

まず、子どもたちには、こう説明した。


前提として、君たちが学校に行きたくない、とか、

勉強をしたくない、と思うのと同様に、

大人だって、可能なら、仕事に行きたくないし、努力もしたくない。

できれば、宝くじが当たって遊んで暮らしたいと思っている人が大半だと思う。


ひどい言葉だ。

だけど、この子たちには、そんな本音をぶつけても十分なほど、

精神的に成熟していることは確信している。


大人だって、子どもと同じじゃないか、と君たちは思うだろう。

本質は元々同じじゃないか。大人も子どもも、同じ人間なのだから。


確かに、という表情で子どもたちは僕を見る。


それでも、どうしてお父さんは会社に行き、お母さんは、ご飯を作ってくれたり、

洗濯や掃除などをしてくれるんだろうね。


それが、与えられた役割だからだよ。


大人は常に何かの役割を与えられている。

働いてお給料をもらい、家族を養う役割。

家の中にあるいろいろな仕事をし、みんなを支える役割。

自分の子どもをしっかりと育てる役割。

毎朝、出勤をする人に飲み物や食べ物を売る役割。

子どもたちに勉強を教え、成績を上げる役割。

そんな具体例を挙げながら、子どもたちには説明をした。


大人になることは、与えられた役割を演じ分けること。

本質は子どもと変わらないが、役割を理解し、行動できるのが大人。


そう、説明を終えた時に子どもたちはスッキリとした表情をしていた。

大人に対する不満も多少は消化されたのであろう。

僕も納得のいく説明ができ、満足だった。

この子達もこれからどんどん成長していく。

その時に自分の役割を考えながら、行動をして欲しい

という願いを添えながら。

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4.あとがき

僕が先輩講師に教わったことの一つとして、

「子どもを子ども扱いしないこと」の大切さがあります。

断言します。

入試は、精神的に成熟している子どもが勝ちます。

間違いありません。

僕は、子どもたちを大人にしてあげようとずっと考えてきました。

でも肝心の「大人になること」の説明はきちんとできていなかった気がします。

ようやく言語化できた、この思考を、下の学年の子どもたちにも伝え続けよう。


そう思った、先日の最終回でした。



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