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新小4の授業を中止した話【国語教育論】

中学受験の世界では、毎年2月から学年が繰り上がります。
私も先日から新小4生の授業を新たに担当しましたが、
途中で「はい、授業を中止します」という発言をしました。

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こんにちは、たんずです。
私は塾講師歴10年の現役塾講師です。
2020年度の春頃からZoomにて授業を提供しており、そこから見えた受験メソッドをお伝えしていきます。
私の主観が大半、客観的事実が大半、偏見が3%にて構成されてる記事ですので、その点はあしからず。
もし少しでも役に立ったと思ってくれた方はスキとフォローをお願いします。

今回は小学生のお子様をお持ちになる保護者向けの内容を多く含みます。
よろしければ、最後までお読みください。

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初めまして、新小4の皆さん

いつも通りのテンションで、いつも通りの自己紹介(名前を書くだけ)をし、

新年度初回の授業を開始する。

新しい生徒たちに、夢や野望を語り、生徒たちを引っ張り上げていく。

新小4といっても、小学校の学年的にはまだまだ3年生

飴と鞭の両刀を使いで、うまいことやっていこうと思っていた。

余談だが私は、久しぶりに最もベーシックなレベルのクラスを担当した。

勉強が嫌いな子もいるだろう。

勉強が苦手な子もいるだろう。

彼ら、彼女らをどうやって前向きに勉強に向かわせるのか

ということが私の仕事だ。

新小4の教育はここから始めた

まず、今年度の最も厳しくしようと思っていたのが

授業中の姿勢

やっぱり姿勢が悪い子は、成績の伸びも悪い。

「そんなの関係ないじゃん」っていう子に限って

成績があまりよろしくない。。。

因果関係を科学すると、やはり姿勢が悪い=集中力が不足

の図式が成り立つ気がする。

オンライン授業も同様です。

カメラをオフにして「見られている感」が不足している生徒の学習効率が悪いのは明らかです。

※以前の記事にも、この考えはまとめています。

突如、授業は終了となった

授業は普通の学校の授業の2倍程度の長さである。

小学校3年生が集中力を切らさないような様々な工夫を凝らした結果

私が喋っている間は、顔を上げてくれる。

手を動かしてくれる。目線も合わせてくれる。

問題はその後だ。

じゃあ解き方を教えたので、次のページにある練習問題を解いてみよう。
少し本文が長いけど、よく読んで解いてみてね。

そして生徒たちにヨーイドンで始めさせた後

5分後に多くの生徒(特に男の子)の意識が空に還った。

皆が口を揃えて放つセリフは

わかんない。

ちょっと待てぃ!と某番組のMCのようにツッコみたくなったが

堪えた。いや、嘘だ。ツッコんだ。ツッコまざるを得なかった。

まだ5分しか経ってないよ?15分あるんだから、時間いっぱい考えようよ。
まずは文章を最後まで読んでみてよ。さすがにこの時間で全部読める量じゃないよ。まだ、読み終わっていないのに、わかんないはダメじゃないかな。

と私が何度も、色々な生徒に声をかける。

中にはテキストを閉じる生徒もいる。鉛筆を持ちましょう。と指示をしても

手ぶらの子もいる。机にべたーっと突っ伏している生徒もいる。

わかんない。わかんない。わかんない。

はい。授業を中止します。

こりゃあかん、と思った瞬間だった。

現小学校3年生に600文字程度の文を読ませるのは、ここまで大変なのか。

と再認識をしてしまった。

今日はしつけ回にしよう。
もう人物の気持ちとか、場面の変化とかどうでもいい。

そんな気持ちだった。

文章を読める子に育てる

こんなにも文章アレルギーの多い子どもが多いことに驚いた。
私自身、勉強が得意な子の指導ばかりしていたので、
そこにあぐらをかいていたのだろう。反省。

反省をし、子どもたちに語り始めた。

今から文章を読むときのルールを紹介します。
絶対に守りましょう。
①姿勢は必ず前のめりに。教科書を机に置いて、身体を前に倒すこと。
②ペンを持ってください。それで代表者の音読に合わせてペンを進めること。
③大切なところにチェックをするようにしましょう。

 今回は先生がどこにチェックをすべきか、教えていきます。

とにかく2ヶ月は我慢をすることにした。

国語のテクニックなんて、もうどうでもいい。

文章アレルギーを無くして、文章を読める子にしなくては。

そして、授業再開。

上記のルールを守れていない子は直るまで徹底的に指摘をした。

それでも改善はされない。

A君を指摘したら、今度はB君。するとC君が・・・あ、A君も

まるでモグラ叩きです。私はハンマーです。

それでもいいや。

2ヶ月僕はハンマーになるんだ。直るまで叩き続けるんだ。

授業終了時に

ここまで読んでくださった方はお気づきでしょうか。

男の子ばかり登場していることに。

同じ空間には、女の子もいるのに、注意されるのは男の子のみ。

不思議ですよね。同じ学年なのになぁ、と思っちゃいます。

(僕が女の子には甘い!なんてことはないので、あしからず)

授業終了後は、こんな言葉で締めくくった。

今日は授業を中止して、みなさんの読み方や姿勢について
口うるさく言いました。ガミガミしてて嫌かもしれないけれど、
2ヶ月は先生も待ってあげるから、この期間内に正しい読み方をしよう。
ちなみに今日の先生は200回くらい注意したけど、来週は何回にする?

とある生徒がこう答えた

・・・


150回!


・・・


よし。模範解答だ。来週からも一緒に頑張ろうな。


保護者の方に知っておいて欲しいこと

中学受験を希望するのであるならば、

読書の習慣(それも低学年の内から)がその後の成長を大きく左右します。

国語は全ての科目の土台、根幹です。

書いてあることをきちんと読めば正解ができるのに、

「わからない」

は初めから読むことを諦めてしまっている証拠です。

そんな調子なら、算数だって理科だって社会だって

「わからない」

になっちゃいます。

なんでもいいので、一緒に本屋に行き、小説を与えてあげみましょう。

最近は鬼滅の刃のノベライズされた、小学生向けのものが発売されています。

とにかく文を読むという行為へのアレルギーを払拭させてあげてください。

さらにもう一つ。


音読のパワーは偉大です。

うちの子ほんと国語が苦手で〜とお悩みの保護者様。

騙されたと思って、毎日音読をさせてください。

音読をする内容は、なんでも良いですが、できれば国語の教科書

掲載されている文章が好ましいですね。

もしくは、全く問題を解く必要がないので、問題集の文章を音読しましょう。

一度解いた問題の文章でも構いません。

とにかく

文章に触れる機会を増やしてあげてください。

泳ぐことを会得するために、たくさん水に触れるように

文章を読めるようになるために、文字の海に飛び込みましょう。

終わりに

正直、受験生よりも4年生の方が大変だ、と感じてしまいました。

土台を作るところからのスタートですからね。

でも、気長に基礎工事をします。

2ヶ月待ってください。

2ヶ月後にはなんとかします。

2ヶ月後には意識が天に還る子をゼロにしてみます。

まとめ
①低学年の内から読書の習慣を身に付けさせましょう。
②姿勢がその後の成績を占う。
③音読の効果は絶大!やって損なし!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

(今回は長かったなぁ)

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