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採用広報などオウンドメディア記事で使っている記事構成パターン

オウンドメディアを運営するようになったことて、インタビューや記事の執筆などを多くやるようになりました。

多くのスタートアップでは、採用広報やブランディングなど自ら記事で発信する必要性があります。しかし、『どう書いていいのかわからない』という声をよく聞きます。

そこで、自分がよく使う構成や考え方をまとめました。
商業ライターさんはもっとプロとして緻密に行なっていらっしゃいますので、僕のやっていることはほんの一つです。

僕はどちらかというと文章を書くのは苦手ですし、そこまで好きでもないです。それでもある一定以上にレベルで、読んでもらえる文章が書けるようになりました。

それは、原則を知っていて、書くコツを掴んでいるかどうかの違いです。

記事を書く際の大原則

まず、絶対に忘れてはならない大原則がこれです。

・読者を必ず意識すること。
・自分が言いたいことは読者が知りたいことではないこと。

企業のオウンドメディアの場合、知ってもらいたいという気持ちから、どうしても言いたいことを言っている記事になりがちです。

でも、言いたいことをそのまま書いたって、読まれません。
大前提として、この2つは最初に決めておきましょう!

①読者:(どんな読者に向けた記事)
②読後感:(読者にどう思ってもらいたいのか)

基本の記事構成

最も基本的な記事の構成はこれです!
「起承転結」でもいいのですが、僕はあまりピンとこないのでこの構成を基本のスタイルとしてやってます。

1 . 書き出し(挨拶)
なぜ書くのか、誰に向けて書いているのか

2 . 序章(イントロ)
前提知識として知っておいてもらいたいことを伝えるパート
この後の本章で出てくる内容を理解してもらえるために、説明を軽くします。NHKの朝ドラで言うところの冒頭のナレーション。

3 . 本章
この記事のメインパート

メインテーマについて記載していきます

4 . まとめ章
記事のまとめや、オチのパート

最終的に何が起きたのか、本章のまとめでもいいし、本章で紹介してきたことが最後は大どんでん返しになる。など。
読後感を決める要素を多く含むのがこのパートです。

書きやすい3つの構成パターン

1. 時系列で書く

最も書きやすくシンプルな構成です。
例えば、こんな感じ。

テーマ:キャリア
幼少期→学生時代→新卒時代→現在→将来

テーマ:プロジェクト概要
開始前→開始直後→途中経過→結果→現在→将来

メリットは書きやすいことと、わかりやすいことです。
ただし、ただ事実の羅列では面白くないので、メリハリの強弱つけたり、臨場感を出すように心がけています。

※こちらは、この構成で書いた参考記事です

2. ビジネスフレームワークを使って書く

少しビジネスっぽくなるのですが、ビジネスフレームワークを活用して書くことも一つです。ただし、フレームワークを使っていることがわからないように、あくまで構成を考える際のツールとして活用するイメージです。

例えば、ある開発プロジェクトの裏側を紹介する際に、時系列だけだと登場人物が多くわかりにくい場合があります。

そのような時には、バリューチェンやサプライチェーンというフレームワークを活用すると構成がわかりやすくなります。顧客への価値提供の過程がバリューチェーンです。

こんな感じです。

メーカー:開発→購買→製造→流通→マーケ・販売
飲食:仕入れ→調理→販売

このバリュチェーンごとに構成を組むとわかりやすいです。
ただし、気をつけることがあります。
バリューチェーンで書く場合は、文章が長くなり、冗長的になる傾向があるので、コンパクトにまとめたり、特に強調するパートを決めることが大切です。

様々なビジネスフレームワークが世の中にはあります。それらはそのまま構成になるくらいに活用しやすいものです。実際の記事の中でフレームワーク感を出さないようにだけ気を付けて使いましょう。

例えば、3C(自社、競合、顧客)というフレームワークを活用したとして、次のような見出しで書いたとします。

新製品の開発裏側
自社の状況
・競合の状況
・顧客の反応

ビジネスプレゼン感がすごい出てますよね。笑
このようなビジネス感を出すべきかどうかは読者や読後感からよく考えましょう。

サプライチェーンの観点などはKIRINさんなどがうまく紹介されています。

3. 読者の興味ポイントに絞って書く

イベント、何かのプロダクト開発の経緯など、時間軸的に長いものをまとめて紹介する場合には、時系列などでまとめると膨大な文量になってしまいます。

そのような場合には、読者が興味持ちそうなポイントやワンシーンに絞って書く構成がオススメです。

例えば、
失敗、苦労、ハプニング、ターニングポイント、奇跡的なこと、最もXXだったこと。など。

ポイントは、大きな変化や生々しさが感じられる部分を取り上げること。
人は、ただうまく行った話は興味がないんですね。どこかで失敗して、苦労して、でも最後に成功したストーリーが好きなんです。(ただの裕福な主人公がそのまま裕福な生活を描いたアニメはほとんどないはずです。)

プロダクトの開発ストーリー構成
・開発しようと思った背景
・一番困った、失敗した場面
・どのように乗り越えたか
・ハプニングや想定外のこと
・やり遂げた今の想い

僕が一番多用するのは、この構成です。構成を頭にイメージしてインタビューをして、記事にまとめる時には読者の興味を一番惹けそうなポイントをまとめます。

5W1Hで疑問をつないでいく

3つの構成パターンを紹介しましたが、最後まで記事を読んでもらうために使えるテクニックを最後に紹介します。

人はなぜ?、いつ?、どこで?、何?、誰?、どのように?(=いわゆる5W1Hというやつ)に興味を無意識に持ちます。
このような疑問を抱かせて、解き明かすように記述していくスタイルが非常に有効だと思っています。

新入社員研修を紹介する場合
・いつ、どんなことをしたのか?
・なぜこれを実施したのか?
・どのようなやり方をしたの?
・どうだったのか?

一番わかりやすいのが、夕方のニュース番組の5分〜10分程度の特集パートとかです。

例えば、「夏休みに小学生向けに50円でたこ焼きを売るお店」を紹介するコーナーと想定して解説してみます。

タイトル:「夏休みの夕方3時間限定、50円のたこ焼き屋さん」

(ナレーション)「夏休みが始まりました。ここ○○町では50円のたこ焼き屋さんがあります。」

→ここで、視聴者はどういうこと?安すぎない?なんでやってるの?とか色々な疑問が湧きます。疑問を抱かせることがタイトルと冒頭では大切になります。

「夏休みの夕方16時〜18時まで限定で、XXの店舗でたこ焼きを焼いて販売しています」

→何が行われているのかをまず説明。

「そこに買いに来るのは、小学生」

→誰が買いに来るのかを説明

「このたこ焼きをやっているのが、XXさん。実は、普段は会社員」

→誰がやっているのかを説明(意外性を少し追加)
視聴者は、"会社員なのになんで?"
どうやって仕事と両立してるんだろ?"など様々な疑問を抱かせます。

「このXXさん。幼少期に両親が離婚し、シングルマザーの母親と2人暮らしで夏休みは1人の時間を多く過ごしたそうです。夏休みは親の不在を特に感じやすい時期。なので、ちょっとでも寂しい思いをしないように何かできないかとたこ焼きを3年前から始めた。」

→なぜやっているのかを説明

「どうして50円なのか?果たしてやっていけるのか?XXさんは儲けは意識しておらず、ギリギリなんとかやれる金額として50円に決めた」

→さらになぜを説明
視聴者は、"50円でやっていけるの?" という疑問が生まれる。

「50円を実現するために、タコは細かく切る。小麦粉も地元の業者に頼んで安く提供してもらっているそう。」

→どのように実現しているのか説明
視聴者は、"とはいえ、実際どうなんだろう?"と思う。

「XXXさんは言います『正直厳しいですよ。笑』」

→実際どう思っているのかを説明
視聴者は、"なんでそこまでするんだろう?"と思う。

「それでも、寂しい思いをする子供を少しでも無くしたいという想いで続けている。それでも原料高騰や自分の仕事の状況もあり、今年で最後にすることを考えているそうです。」

→最後のまとめパート。
続けるのかと思っていたら、今年で終わりの予定という逆転で締められる。

こんな感じです。
何かを説明して、また次の疑問を生み出し、その種明かしをしてストーリーを展開していきます。この疑問を抱かせるポイントが5W1Hというわけです。


ここまで読んでいただきありがとうございました。
僕自身、社会人になるまで文章を書くのがとても嫌いでした。(大学のセンター試験で一番足を引っ張ったのが国語でした。笑)

それでも、基本の型を抑えて、ある程度の数をこなせば文章が書けるようになります。少しでもこの記事の内容が役に立てば嬉しいです。




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