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「PR・広報」は人生を幸せにする"魔法の杖" vol.8~PRのデジタル化と、今必要なこと~

最近、テレビを見ていると、バラエティでも情報番組でもゲストの芸能人はリモート出演している。若干のタイムラグが気にはなるが見れないほどのことではないように思う。

これまでリアルでなければいけなかったことが、実はリアルでなくもよいといったことが次々に現れている。常識や社会通念といったものが変わっていると言っても良い。

私が企業で行うPR、広報でも大きな変化が生まれている。
みなさんにわかりやすいものが記者会見のようなPRイベントだ。
4月末から5月にかけて、企業は直近1年間の決算発表と、今後1年間の売上などの見通しを発表する。
これまで、この記者会見はリアルな場で行われていたが、今年は3密を避けるためにオンライン会見、あるいは、電話会議システムでの会見がほとんどとなった。PRパーソンはその対応に四苦八苦しただろう。

トヨタの決算発表はオンラインで行われ全て公開されている

私自身、やってみて思ったのが、オンラインで十分良いということ。オンラインで実施することで、実はメリットが多いことに気がついた。

オンラインでのPRイベントのメリット

①どこからでも参加できる
オンラインで実施することで、地理的な制約がなくなる。参加したいメディアの方は、これまでは、東京で記者会見をする場合、東京へ行かないと参加できなかった。関西のメディアや、地方のメディアはなかなか時間的、金銭的にハードルがあった。
これがオンラインになることで、誰でもどこからもでも参加が可能になる。
企業側からしても、より多くのメディアの人に聞いてもらえて、記事にしてもらえることにメリットがある。

②アーカイブになる
これまでリアルな発表の場を、カメラで撮影してアーカイブにしていた。これが配信することで、配信映像をそのままアーカイブにすることができる。後から編集する手間も省けるというメリットもでてきている。

③やりとりが簡潔になる
記者会見では記者との質疑応答がある。リアルな会見と比べて、オンラインの方が質疑応答が簡潔に行われる傾向にあるように考えられる。オンラインなのでわかりやすく、簡潔にコミュニケーションしようという意識がより強く働くのだと思う。

一方で、実行する際の難しさも現れている。

オンラインでの難しさ

①発表者のプレゼン力がより求められる
リアルは発表の場では、オーディエンスの顔が見えるので発表者はリアクションに応じて変えられるのでリズムが作りやすい。しかし、カメラに向かって話続けるのは、なかなか難しい。普段よりも抑揚も大きくしたり、目線を一定にしたりすることが求められる。アナウンサーのような話し方が求められる。

②通信の安定性
通信負荷により安定性がなくなり、聞こえにくい状態になるリスクがある。今はまだあまりないが、動画を流したりする場合は通信負荷が大きくなるので準備がより大変になる。ただ、このような通信上の課題は、5Gによって解消されていくはずである。

このように、メリット、デメリット両方がある。
大切なことは、いかにデジタル技術を活用してうまくコミュニケーションできるようにするかである。リアル→デジタルの流れの中で、デジタル技術をどのように活用していくのか、リスクとともにバランスを見ながら考えていくということである。

リアルとデジタルはどう使い分けされるか

デジタル上でのやり方が普通になっていくことは、世の中の常識が変わっていくことだ。今はデジタル化に必死に対応している段階である。

では、その対応が一段落した時に何が起こるか。

私の一つの仮説は、
「リアルなものの価値基準が変わる。あるいは、高まる」
ということだ。

デジタル上でも、ある程度の体験ができるようになる。
そうなった場合に、リアルな場やモノに何を求めるのか?
デジタルでいいものと、リアルでないといけないもの。
こんな基準が出てくるように思う。

リアルであるべきものの一つには、5感を通して伝えるものがあると今は考えている。5感を通して感じるもの、それは「雰囲気」だったり「感覚」だったりするはずだ。

高校野球の甲子園の「雰囲気」はやはりデジタルで再現しきれない。その場で感じることに価値がある。視覚、聴覚はデジタルで再現できるが、それ以外の触覚、味覚、嗅覚はデジタル化はまだできていない。そこからも、ヒントがあるように思える。

これらから私が導いた傾向がこれである。

ロジカル(論理的な)体験=デジタル
エモーショナル(感情的な)体験=リアル

このような傾向でデジタル、リアルの使い分けが進むのではないかと想定している。

ここまでデジタル化の流れを話してきたが、この流れは、PR、広報に限った話ではない。身近なところでもリアル→デジタルの流れは一気に進む。例えば、キャッシュレスやオンラインでの申請など。世の中の当たり前が一気に変わっている。社会や周囲の人と良い関係を築くためにはデジタル化の波に乗らないといけない。

しかし、まだ遅くはない。今から始めても間にあう。

色々なデジタル的なものに興味を持って、気になるものをトライしてみる。
オンライン飲み会でも、グループチャットでも何でもいい。これまでやったことないものを一つずつやってみること。
この一歩からまず始めてみよう。


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