地元のバンドシーンって、クソの寄せ集めみたいじゃね?

地方都市のバンドシーンにありがちなことなのかどうなのかは知らないけど、オレの街のバンドシーンについて書いてみる。

少しだけオレの話を。その昔、プロ志向で音楽をやっていた。そのために地元から上京したが挫折。地元に舞い戻ったのが数年前。趣味程度に続けていた音楽。イベントに誘われて足を運ぶうちに知り合いが増えた。ライブに演者として誘われる機会も増え、誘われるままにいいよ〜と出演をしていた。

多い時で月に数回。ライブをやった。そして、ある時に、キッパリやめることにした。虚しいからである。向いてない。演者も、客席もいつも同じような顔ぶれ。身内のお遊戯発表会のようで、順番に出番をバトンしていくようなことが、イベント単位で行なわれる。今回はオレらが演者で、次回はおまえらが演者ね、みたいな。

何のために音楽をやっているか?全然自己満足でいい。自分で曲を作って演奏することが楽しい。それはそれで結構なこと。楽しいことは正義である。

しかし、ライブをやるとなると、入場料が発生する。果たしてオレは自分の音楽を、人からお金を払ってもらってまでやっていいのだろうか?という葛藤。知り合いを誘ったら、断るのにも気を使うよな…というこちらからライブに誘うことへの気後れ。その時点で誘う資格ねぇよな、と自分に対して思っていた。ぜってー楽しませてやるから来いよ!くらい言えなきゃダメ。

一方で、人からお金取ってる自覚が全くねぇよな、というクオリティのライブを悪びれもなく続けるバンドマンたちが、マジで多いんだよな。

正直に言うと、オレは音楽をやろうとするとどうしても承認欲求が絡む。人に良いって言われたい、人から認められたい、たくさんの純粋なお客さんに聞かれたい。そういうの。

だから、知り合いばっかの会場で演奏しても、オレは虚しい。知り合いだからって理由だけで、ライブに来た人たち。もちろんそれはそれでありがたい。お金を払って入場してもらってる以上、手抜きをせずに演奏をする。しかし、どうしても虚しい。知り合いだから来てくれただけ。もちろん、音楽を欲してくれている人もあるかもしれないが、ほとんどそんな人いない。

そして、オレの作品のクオリティや、プロモーション活動の仕方では、音楽で承認欲求を満たせるほどの能力がないことを、よく理解した。もしあったとしたら、とっくにそうなってるはずだから。そうなってない時点で力不足。オレなりに頑張ったけどダメだね。

そうしているうちに、あ、やっぱライブやるの向いてねぇな、となりやめることにした。ガラガラの知り合いばかりの会場で虚しい気持ちを積み重ねるのがいやだったし、そんな気持ちをかかえてライブやってるヤツが人様から入場料を取って、演奏することはオレの中ではアウトだと思ったから。

それ以来は、家で気楽に演奏したり、人前でやるにも無料のオープンスペースでの演奏だけにしている。

そして、シーンの話に移る。いろんなバンドがいて、それぞれに音楽をやっているわけだが、コイツらは何のためにライブ活動やってんのかな?と、疑問に思うヤツだらけで辟易する。

口では「音楽で食っていきたいんだ」と言いながら、そのための行動を全くとっていない。例外的に地道に頑張ってるヤツらがいる。そんなもん。

何年も何年も知り合いばっかの会場で演奏し続けて、「音楽で売れたい」などと抜かす。おいお前、客いつもの知り合いしかいないけど、しかも、もう何年もずっと。どうやって売れるつもり?である。

そう言うやつのTwitterは、ライブの告知だらけ。いや、まず音楽を聞かせろよ、と。音楽知りもしないバンドのライブを誰が見に行くねん、と。ファンの数とは、アーティストが与えたモノの数の鏡である。人々に何も与えられていないバンドにファンはつかない。そして、バンドマンはそれを分かっていない場合がほとんど。

人々が与えられて嬉しいのは、喜びや感動、嬉しい気持ちや安らぎ。ミュージシャンなら音楽でそれを与えることだ。それをやる為にSNSも使えばいい。動画に音をのせて、聞いた人が「なんかいいなぁ」と喜んでくれるような発信をするべき。告知ばっかして誰が喜ぶんよ。まずはファンを獲得するためのことを、少なくとも「音楽で売れたい」ならば、やらなきゃだろ。

淡々と作品を作り続け、そしてそれを、淡々と人々に届けようとし続ける。この積み重ねの中にしか、「音楽で売れる」道はない。オレは自分にはそれができないとわきまえて諦めたが、これをわきまえずにプライドだけは一丁前のバンドマンを見ると、イライラする。

たまに連絡来たかと思ったら、ライブの誘いばっかなのもマジでダルい。知り合いはファンじゃない。いつもと曲も客席を含めた会場のメンツも、変わり映えのないライブにわざわざ金払って行くのがダルい。おまえらは、いい加減知り合いに甘えることをやめて、ファンを獲得する努力をしろよと思う。

そして、ライブ翌日のTwitterには、お約束のごとく集合写真が上がってる。昨日のライブ最高でした!とか言って。いやだから、人が喜べるようなコンテンツ(曲や動画)を発信しろよ。売れるわけねぇじゃん。もう頼むから「音楽で売れたい」とか言わんでくれ。とまあ、地元のバンドシーンを見ていて思うことは多々あるのだ。だ

だがしかし、中には分かってるヤツもいる。淡々と製作を続けて、それを発信しているヤツら。ライブをやったからと言って、対バンの連中と「打ち上げ」と称する傷の舐め合いみたいな毎度の飲み会にも行かない。

そういうバンドのライブは、純粋なファンがたくさんいる。そして、雑魚バンドのライブの時にあるような、客席がバンドマンだらけという、悪夢のような光景もない。彼らは正しく与え続けて、それによってファンを獲得している。素晴らしいことだし、尊敬する。その姿にオレも心を動かされ、誘われなくてもこちらからライブに行ってみようと思える。「売れたい」と口にする資格を彼らは有している。

そしてそういうバンドの作る音楽は、やっぱり良い。そういうバンドは心から応援している。

クソの寄せ集めにはほんとうんざり

あ〜、金麦飲みてぇなぁ