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日帰りバスツアー(平戸編)

 2023年の初めての日帰りバスツアーに参加した。2022年に旅行に対する補助が出ることに味を占めた私は、2023年になっても補助金が継続されることを期待していた。残念ながら2022年と同様とまではいかなかったが、補助金は延長された。そこで早速美味しそうなランチに行ける日帰りツアーをHISで探した。というより、いつものようにローカルのテレビ番組で紹介された内容を見て申し込んだというのが実体😅

 今回の行き先は、長崎県平戸市だ。そしてお目当てのランチは、なんとヒラメの刺身食べ放題。白身の美味しいヒラメの薄造りである。うーん、お酒に合いますね。そんな平戸の特徴を少し紹介しよう。

 平戸は現在は平戸大橋という橋で九州本土と繋がっているので車で行けるようになって久しい。以前はフェリーのみだった。平戸は日本でもオランダとの貿易の先駆けとなった島であり、歴史は長崎の出島より古い。というより、島原の乱が引き金となり、それまで何十年もオランダとの貿易拠点として栄えていたのが全ての機能を出島に移されてしまい、平戸での貿易が途絶えてしまった。そんな歴史ある島だ。もちろんキリスト信仰者も多い。ちなみに統治していたのは松浦(まつら)藩だった。

 さて前置きはこのくらいにしてツアーの内容を順を追って紹介していく。


今回のルートと感染症対策

平戸の位置(九州とは橋が掛かっているので車で行ける)

 個人で平戸まで行くとしたら、福岡都市高速に乗り、海沿いに走る西九州自動車道(グレーのルート)を利用する。しかし今回のツアーでは、途中のSAから乗車される方もいるということで、九州自動車道から長崎自動車道を経由する内陸ルート(ブルーのルート)だった。時間的にはブルーのルートの方が15分ほど余計にかかり高速料金も高い。

 政府によるコロナ感染症対策緩和により、バスツアーでの制限も緩和された。車内での飲食も黙食ではあるが解禁になり、マスク着用も任意となった。乗車の際の体温測定も無くなったが手指消毒は継続実施だ。少しずつコロナ感染に対する警戒も緩んできているようだ。


電子クーポン

 今回は旅行クーポンが電子クーポンに切り替えられていた。電子クーポンであれば、紙と違って額面未満の買い物をしても額面の金額がなくなるわけではないので、小額の買い物にはとても便利そうである。だが我々夫婦も含めて事前にアプリをダウンロードしている人はほとんどいない。移動中のバスでインストールすることにはなったが、バスの中でもWiFiが利用できるので通信料金の心配をする必要はない。ただ、スピードはかなり遅い。それでもなんとか初期設定しクーポンも取り込んだ。今回からは平日のバスツアーでは2000円/人なので、我々は4000円だ。去年は6000円だった。


最初の立ち寄り先 - 平戸瀬戸市場

 高速を降りて下道で平戸に向かうのだが、途中でアクシデントが発生した。細い道で国道205号線に出ようとしていたツアーバスは、国道手前の高架になっている線路下を通り抜けようとした。制限の桁下は3メートル。「へー、こんなところ通れるんだ」と思い感心していると「ズリズリ、ガリガリ」という天井を擦る大きな音が聞こえた。「うわー、やっぱり通れなかったじゃん」と思っていると、運転手さんも慌てたようで、ゆっくりとバックした。当然再度「ガリーガリー」という音。本日一回目のトラブルだった。

 道は細くUターンできない。後続車もあり、にっちもさっちもしながら、少しずつバックで下がっている。流石に運転が上手い。かなりバックで戻ったところに幸いにも中学校がありそこへバックで入り、方向転換して戻ることができた。そして交差点に差し掛かり左折。そのまま行けば204号線との交差点に出るはずだ。今度は線路が道路の下に入り込んでいた。高さ制限はない。ほっとするとともになんとか復帰したことへの安堵感が車中に漂った。

 そのまま、無事に平戸瀬戸市場に到着して買い物を楽しんでいた。するといきなり呼び止められた「おい、〇〇(本名)じゃないか」びっくりして振り返ると、一瞬時間が止まり、記憶を辿り判明。高校時代の同級生だった。今は広島に住んでいるらしいのだが、仕事で平戸のそばに来ていてお昼ご飯の弁当を買いに来たとのこと。ものすごい偶然。それに数十年ぶりに会ったのに、よく私だとわかったなぁと感心した。だがツアー途中なのでゆっくりおしゃべりもできず、別れた。残念。

 市場の中に戻り、海産物などを物色しレジに向かおうとしていたら、本日二回目のトラブルが発生した。電子クーポンを利用しようとしてスマホを取り出すと、なんとアンテナが立っていない。もちろんWiFiもない。かろうじてアンテナ一本がついたり消えたりの状態でアプリを起動できず、滞在時間切れ。カゴに入れた商品を元に戻しバスに戻った。市場の外に出てバスに戻ったらアンテナが立っていた。やれやれ。

市場を出た後、平戸島に渡る手前から見た平戸大橋


楽しみのランチ - ヒラメの刺身食べ放題

食事どころの入り口
ボリュームたっぷりのランチ

 日帰りツアーの一番の楽しみであるランチ。今回のメインは「ヒラメ食べ放題」だ。マグロとブリの刺身とともに、綺麗に盛り付けられたヒラメの刺身。このヒラメの刺身がおかわり自由というのが今回の楽しみの一つ。「福鶴」という期間限定の濁り酒を注文し堪能する。ちなみに今回、刺身のおかわりは2回もした。その度にエンガワももれなくついて来た。お得感満載。そして味噌汁になっているのは、なんとうちわエビが一匹丸ごとだ。このうちわエビは隣の市場で同じくらいの大きさで1300円/一匹程度で販売していた。身がしっかりしているので食べやすくはないのだが美味かった。写真では見えにくいのが、味噌汁に隠れているのはヒラメの握り寿司二貫である。そして、手前の味噌のようなものはフキノトウの味噌和えだそうだ。これが美味かった。買って帰りたかったが、残念ながら販売はないとのこと。

 美味しい食事に舌鼓を打っていると、添乗員さんから、ご心配をかけたお詫びにドリンク一杯サービスしますというアナウンス。どうやらバスが天井を擦りちょっと遅れたことへの対応のようだ。すかさず長崎美人という一合で1450円もする日本酒を頼んだ。ちなみに妻は400円のジュースを頼んでいた。ラッキー。そう思っていたら、お店の人が私が飲んでいた濁り酒を持ってうろうろ、どうやら注文を間違えたようだった。「どなたか飲まれる方はいませんか」というので「もらえるなら飲みますよ」という厚かましい返事をしてみたら「どうぞ」といわれ、またまたラッキー。隣のご夫婦と半分こして味わった。

 トラブルも悪くはないなと思った瞬間だった。


酒造会社見学 - 森酒造

森酒造の風格ある入り口
今は使われていない貯蔵樽

 森酒造では、日本酒、焼酎、梅酒、酒粕を使った奈良漬などを販売していた。最初に森酒造会社の説明を聞いたが、今では作った日本酒を樽で貯蔵するということをしていないとのこと。どうしても長い間貯蔵していると味が変わってしまうので出来上がったら全て瓶詰めをして、瓶詰めの状態で保存しているとのこと。それにより、酒を作らない夏場でも上手い酒を味わえるのだそうだ。そのために酒を作る時も小さな樽をたくさん並べて作っているらしい。その上、米、水、人を全て地元で調達するというこだわりを今も継続しているという貴重な話を聞くことができた。

 当然酒蔵なので試飲ができた。日本酒、焼酎を試飲させてもらい、私にはやはり芋焼酎の甘い香りと味わいがいいなと思い、「平戸街道」といういも焼酎を購入した。帰ってから飲むのが楽しみだ。もちろんこれも電子クーポンで支払った。


平戸城 - 島の高台に立つ小城

島に建てられているが故の小さなお城
城から平戸大橋を望む景色
しっかり積み上げられた石壁
お城には、こんな部屋も作られていた

 バスはお城の麓にある図書館の駐車場に停車したので、そこから平戸城までは坂と階段を登って行った。結構傾斜もあり、石段も高さがあるので疲れてしまった。

 平戸城は周りを海に囲まれているため、城壁などの守りのための石垣も最小限で良かったようだ。島にいること自体が籠城しているようなものなので、小さな木造の城でも良かったのだろう。お城から見る海の景色はとても綺麗で、当時はオランダからの船が見えていたのだと思うとなんだかすごい場所だったのだなとしみじみと思う。

 平戸城は最近リニューアルされ、お城の中の各フロアでは映像による紹介がメインとなっていた。時代の流れを感じた。かなり以前に来た時は、古い展示物がよく見るガラスケースに収められていただけだった。映像による説明はふと足を止めてしまう効果もあり、私は好きだ。


松浦郷土資料館 -  抹茶と和菓子

松浦郷土資料館の入り口
展示物の一部 (上は、右から春夏秋冬を表している)
お茶の道具
抹茶と和菓子(天国への道とカスドース)

  またまた階段を登っていく場所、松浦郷土資料館へと足を運んだ。松浦(まつら)家の歴史を垣間見ることができる場所だ。当時使われていた日用品など多くのものが展示されている。文書もあるが、当然読めない。一通り見学をした後、奥にある元書院の部屋で、抹茶と和菓子の振る舞いがあった。館長らしき人がいろいろと説明してくれた。水色のお菓子の方は、コンテストのようなものでオランダの多くのパティシエの作品の中から選ばれたお菓子らしい。青く丸いところは海を表し、表面の金箔はオランダから平戸までの海路をイメージされているとのこと。半分に切っていただいた。うーん、私の口には合わないかな。物足りなさを感じた。このお菓子は、市販されておらず、ツアー参加しないと食べられないとか。なんでも商品として売り出しても手間がかかりすぎて元が取れないのだそうだ。一方、黄色い方は平戸で昔から作られているカスドース。カステラに卵黄を絡ませ砂糖をまぶしてあげたもののようだ。口に入れると砂糖のざらざら感が噛むたびにジャリジャリと音を立てる。甘いお菓子だ。抹茶の苦味には確かによく合う。


最後の訪問場所 - 蔦屋

蔦屋の看板 - 年季を感じる
買って来たお菓子 (牛蒡餅は蔦屋のではない)

 最後の立ち寄り先となったのは、和菓子屋さんだった。元祖カスドースのお店らしい。松浦資料館でいただいたお菓子は、ここで作られているということだった。
店内には、箱詰めされているお菓子も多数あるのだが、バラ売りのお菓子類が所狭しと綺麗に並べられていた。

 そして驚くことが起きた。水大福という季節限定の品が数十個並んでいたのだが、ツアーできていた数名の奥様が手を伸ばし、私たち夫婦の前であれよあれよというまに無くなり、後一個あるなと思い手を伸ばそうとしたら、さっと横から取られてしまった。なんでこんなに人気なんだと思ったら、テレビでコメントされたお菓子だったようだ。これが三度目のトラブルだった。

 それで、他のお菓子を物色し写真のお菓子たちを買って帰ったわけだ。なまどら焼きの半分になっているもの、ケース入りみたらし団子(この中たちは初めてみました)それから、小さな破れ饅頭によもぎ饅頭、などなど。14点購入で2000円程度などでまぁまぁ安いかな。ここで、電子クーポンは全て使い切った


ツアーを終えて

 今回は、トラブルに見舞われた日帰りツアーだった。しかし、終わってみれば楽しい思い出に変わっている。あのバスの運転手は怒られたのだろうかと心配してしまう。添乗員さんもドライバーもよく道を知らなかったようで、時々間違えてはバックする場面が多々あったのも事実である。

 今度は今回買い損なった海産物を買うために愛車で行ってみようかという話をしている。

 お昼にたらふく食べたこともあって、夕食は買って来たみたらしだんごで終わりとしてしまった。この日は結構歩いたので、疲れ果てぐっすりと眠りについた。


 長い記事になってしまいました。お付き合いいただき、ありがとうございました。機会があれば、平戸島に行って見てください。ちなみに、電車で行くと平戸島に渡る手前に平戸口という駅があり、そこは日本最西端の駅になっています。


おわり


2022年の記事は、こちらを参照ください。


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