言葉が持つチカラ
言葉の持つチカラって良い意味でも悪い意味でも無限大ですよね。
一般的に日本人は、相手に気持ちを伝えることが苦手な人種だと言われます。
「こんなことを言ったら、もしかしたら自分は批判されるかもしれない。」
根底にある「恥」の文化によって、本当の気持ちに蓋をしてしまう。
そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか?
私ももちろん、経験あります
言葉の選び方一つで、相手を前向きな気持ちにさせたり、逆に相手を傷つけてしまうことがあります。
今回はそんな「言葉」について、私がワンピースに転職してから感じた目線でお伝えします。
「モラルでなんとかなると片づけない」
先日、自分が持つスキルをプレゼンし、それがチームにとって大きく貢献されていると認められた場合に「職能給」を支給するという会議が行われました。
最終的には、参加者の投票によって、支給対象とするかが決まるという大事な会議。
しかし、会社のお金を「職能給」としてメンバーに支給する以上、厳しく見なければならないのは当たり前です。
全員が全員本気で臨んでいるそんな重要な会議の中で、投票時に私たちが施した工夫が一つだけ。
それは単に「賛成」「反対」と選択肢を作るのではなく、
・「ありがとう(賛成)」
・「再チャレンジ!」
という二つにあえて言い換えたことです。
前職までの私であればこんなことを考える時間さえも惜しんだかもしれません。
「え、分かりにくくない?シンプルに2択で良いやん。」
きっとこう言っていたでしょう。
当時の私は、十数人という会社の人数に胡坐をかき、それぞれの思う気持ちや感じ方には、あまり目を向けず、
「そんな細かいこと気にせんでも、みんなのモラルでどうにかなるやろ」
と勝手に決めつけて、社内のメンバーと対話することさえしてませんでした。
あえて厳しく言いますが、今思い返すとそんな状況で「私たちは少数精鋭の良いチームだ」なんて当時の私はよく言えてたなと思います。
言い換えることで何が起こったか。
「人は、与えられた役割を演じようとする社会的な動物」というのはスタンフォードで行われた有名な実験の言葉ですが、どうしても「賛成」「反対」というワードは、投票する側のメンバーに「私たちは評価者」であるという無意識的に、思わせてしまうのかもしれません。
ワンピースには、役職も無ければ上下関係も無いので、誰かが誰かを評価するということはありません。
その中で、誰かが誰かのスキルに対して「賛成」する、もしくは「反対」するというものに私はとても気持ち悪さを感じていました。
その中で、生まれた「ありがとう」と「再チャレンジ」という選択肢。
これによって、本当にチームに貢献してくれた人に対して、「ありがとう」という感謝の気持ちを素直に伝えることができるようになったのではないかと私は思います。
それを受け取る側も受け取る側で、参加者全員からのメッセージに心が動いたのか、会の中で発せられた「ありがとう」という言葉(=選択肢)に対して涙を流すメンバーもいました。
また逆に「再チャレンジ」というワードにすることで、候補者に対してどうすれば来年に活きるのかという視点を常に持つことができ、それを素直にフィードバックしようという雰囲気が生まれました。
「再チャレンジ」は決してネガティブなことではなく、
「新たな一歩としてのスタートラインとして応援していますよ!」
そんなメッセージを込められたのではないかと思います。
言葉が持つチカラを、そのチカラを信じるということをワンピースに来て、知ることができました。
なぜ、それができたのか。
それを情熱をもって考えるメンバーが周りにいたからです。
時間がかかったとしても、「どうすればたった数時間の会議が最高の時間になるか」を本気で考えるチームのメンバーがいて、私も一緒に考えて。
チームのみんなで本気で考えて紡いだ言葉だからこそ、自信を持って発信することができるようになるのではないでしょうか。
たった一言、されど一言。
writer:yamashita
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