となりの奥さん

要介護3の母89歳、娘の私は63歳。 父の死後、4年前から母ひとりの実家に住み込んでワ…

となりの奥さん

要介護3の母89歳、娘の私は63歳。 父の死後、4年前から母ひとりの実家に住み込んでワンオペ介護をしています。

最近の記事

母の居ぬ間に捨てる(ワンオペ介護日記6/22)

計画通りに母をショートステイに預けると、たまった用事を手早く済ませる。 そんな私が次に取り掛かるのは「生前整理」だ。実は、これこそが母を預ける真の目的である。 物のない戦時中生まれの母には「捨てる」ということができない。おまけに買物好きときている。その結果、全ての部屋にあらゆるものが押し込まれパンク寸前になっている。 これまでは「こんなの、もう捨てたら・・」と言おうものなら血相変えて怒り出すので、狭かろうが、カビ臭かろうが、ひたすら我慢して放置せざるを得なかった。 でも

    • ショートステイ前日「明日は行かない」と言い出す(ワンオペ介護日記6/20)

      月に一度3泊4日なのに、きまって毎回「行かない」と言い出す。またかとうんざりする私。これでは「幼稚園に行かない」といってぐずる子どもと同じじゃないか。いい年をしてやめてほしいわ。 ずっと家にいたいのはわかっている。利用している特養は設備もスタッフも良く、預ける側は安心なのだが、知り合いはひとりもおらず、まわりのおばあちゃんに話しかけてもあまり反応はなく、頻繁に意味不明な奇声を発するお年寄りもいるという、なかなかシビアな現場だ。 日中は椅子に座って行儀良くしていなければなら

      • 化粧せずに人前に出れないわ(ワンオペ介護日記6/18)

        誰か家に来るとき母はおもむろに化粧を始める。それは昔からずっと変わらない。半身麻痺だが幸い右手が使えるので、リップをぬりぬりし、パフで粉をはたいて、いつになくシャキッとした顔に化ける。 しかし、元気がなく整える時間がないと人が来るのが気が重い。むしろ来てほしくない。しわだらけのすっぴんも、パジャマ姿も、薄くなった白髪頭も見られたくないのである。 今日はケアマネージャーの月1回の訪問日なのだが、眠剤が効いて午後2時を回っても起きてこない。そのうち、化粧する時間もなくケアマネー

        • トイレを制する者が介護を制する(ワンオペ介護日記6/16)

          母は手すりにつかまって立つことはできるので、トイレに行きたいといえばトイレの前まで車椅子で連れて行き介助してやればいい。しかも、おしっこの頻度は朝 、夕方、寝る前のたった3回だ。たとえ漏れたとしても優秀なオムツが吸ってくれる。仕立屋だった母は 「仕事が忙しいのにトイレに行ってる暇なんかないよ。若い頃から朝晩 2回しか行かなかった。」 と自慢する。そんなことが今になって役に立つとは。それを訪問看護師に言うと、「よく伸びる膀胱ですね。すばらしい!」と強靭な膀胱を褒められた。面白す

        母の居ぬ間に捨てる(ワンオペ介護日記6/22)

          買っても買っても何もない(ワンオペ介護日記6/14)

          母も年金だけが頼りだ。 年金額が少し上がって2ヶ月で30万を少し超えるぐらいになった。持ち家で、介護サービスを利用し、私にヘルパー代と称して22000円ほど配り、食費、光熱費などを引いても月に数万円は貯金ができるような金額だ。今や私の管理下に置かれて無駄な出費がないのが一番の要因なのだが。 母がひとり暮らしの時には貯金はほとんどできず、挙句にキャッシングも重ねていたようだ。脳梗塞で倒れた頃、通帳の残はほとんど 0に近かった。いったい何にそんなに使っていたのか。実は、父が死ん

          買っても買っても何もない(ワンオペ介護日記6/14)

          訪問リハビリはもういいと言い出す(ワンオペ介護日記6/13)

          要介護状態になってから、母の親戚から知り合いは一切寄り付かなくなった。もう普通の人ではなくなったのだ。それに代わって介護サービスの人たちが 出入りしてくれるようになったのだが、母はそのことがもう一つしっくりこないようだ。ケアマネ、リハビリ、訪問診療、ショートステイ等、皆さん若く明るく仕事の出来るプロである。プロの人たちの前で母もきちんとしようと振る舞うが、緊張の中では心は満たされない。ひたすら担当に気を遣って疲れるのだ。そして「リハビリはもういい」などと言い出す。 介護サー

          訪問リハビリはもういいと言い出す(ワンオペ介護日記6/13)

          こんな時間に起こさないでよ(ワンオペ介護日記 6/12) 

          夏場は母も朝のスタートが早くなる。なんと今朝は3時半に起こされた。 1階に寝ている母は、用事があればチャイムを押して2階にいる私に知らせるのだが、0時に眠りについて3時半に起こされたのではたまらない。 ひょっとしてウンチでも出るのか?と心配になり仕方なく降りてみると、澄ました顔で「お腹が空いた」という。 「そんなことで呼ばないでよ! 何時だと思ってんのよ!」と、一応叱りとばす。ここで甘やかすと癖になるからね。 そうくるなら、こういうときのために常備しているウエハースを2枚与え

          こんな時間に起こさないでよ(ワンオペ介護日記 6/12)