新たな道へと歩み始めた、大好きな監督へ。
度々、記事の中で胸が熱くなって感動の
涙をほろりと、時には号泣を通り越して
激泣(なんじゃそりゃ)の涙を流してきた私。
「良かったね!」とか「おめでとう!」の
気持ちがこもったものが大半で、つい笑みが
こぼれてしまうような、そんな涙ばかり。
そんな私がふっと流した昨日の涙は、
普段とは全然違う、顔がくしゃくしゃになる
ような「淋しさ」からくるものでした。
──工藤公康監督が、退任なされたのです。
あぁ、ついにこの日が来てしまったか。
そう思いつつ、中々監督が退く姿を見届ける
ことが出来ない。……淋しいのだ。物凄く。
野球という競技を「好き」だと意識したのは
今年の夏からなので、ホークスの応援を熱心
にするようになったのもここ数カ月、という
ことになる。まだまだファン歴は浅い。
なのに、すごくすごく淋しい。
身内でも友人でも職場の上司でも無く、
液晶画面の中でしか見れなかった人を想って
涙を流す日が来るなんて。自分でも驚きだ。
◇
少し時間をおいて、会見を観ようと試みる。
再生ボタンを押すか押さないかの間にいる
私は、まるでダチョウ倶楽部の上島さん。
絶対押すなよ!と心の中で思っても、
押してしまうんだ、私は。
──トンッ。
あぁ、押してしまった。
◇
なんでこんなに淋しいんだっけ。
最高の監督だからでしょ、としか言いよう
がない気もするのだけれど、理由はそれだ
けではないことを観ていて思い出した。
私が知っているソフトバンクホークスには、
いつだって工藤公康が傍らにいたのだ。
秋山監督時代はおろか、王さんが監督を務
めていた時代を、私は知らない。
ホークスの優勝が決まった瞬間、九州の番
組は鷹一色に染まる。そこに映し出された
選手や監督の弾ける笑顔をみて、私も幸せ
な気持ちになったものだ。
当時のビールかけの様子なんか、
今観ても幸せな気持ちになるもんなぁ。
中継を観て「母ちゃんありがとう!」と
叫ぶ選手の姿がとても印象に残っていた
のだけれど、数年後に彼が甲斐さんだった
と知ったときには鳥肌すらたった。
4年連続の日本一に、3年振りのリーグ優勝。
優勝にまつわるインタビューだって、
どれを観ても本当に嬉しくなる。
笑顔溢れるチームを観るのが、好きだった。
工藤監督の優しい笑顔が、大好きだった。
そうだ、ずっと前から好きだったんだ。
野球を好きになる前から、好きだったんだ。
だからこんなに淋しいんだ。
そんな気持ちを口に出すよりも遥かに早く、
眼球はじんわりと熱をおび、涙が溢れ出した。
いつもに増してフライングがすぎる涙腺だ。
◇
『始まりがあれば終わりがあると思って
もらえればね』と、諭すように呟く監督。
「これから」もホークスを応援することを
ファンにお願いしたり、感謝の言葉を述べて
深々と頭を下げる監督は、優しさの塊だ。
その温かな優しさを、会見後のインタビュー
でも沢山うかがうことが出来た。
皆さんの思い、そして声援、拍手が
どれだけ僕の力になってくれたことか
分かりません。
ファンに向けてこう語り、
これからはファンの一人として、
ホークスを応援したいなという風に
思っております。
チームを想った後に再び深く感謝する。
優しい人だ。ほんとうに。
インタビュー地であるサロン(食堂)で
『ここで選手たちはご飯を食べて……』と
少年のような笑顔を浮かべて最後まで選手
のことを語る姿を、きっと私は忘れない。
ずっとずっと、その笑顔が好きだったから。
◇
来年もね、こう、共にというか
一緒にというか、優勝目指して
頑張ってほしいなと思います。
新しいホークスが始まっても、私の愛は
これっぽっちも変わらない。
野球の、このチームの素晴らしさを、
大好きな監督が教えてくれたから。
「ありがとう」の気持ちを込めて、
これからも「共に」応援をし続けよう、と
心の中で静かに誓った。
これからは誰かのため、人のために
役に立てるような、そんな人間になりたい。
新たな一歩を踏み出した監督に、
最大限の感謝とエールを込めて。
7年間、本当にお疲れさまでした!
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