見出し画像

パリの国連で夢を食う。

川内有緒 2017年

・あらすじ
チャンスを掴んだのは31歳の時。2年前に応募した国連から突然書類審査に合格との知らせが舞い込んだ。2000倍の倍率を勝ち抜き、いざパリへ。世界一のお役所のガチガチな官僚機構とカオスな組織運営にビックリしながら、世界中から集まる野性味あふれる愉快な同僚たちと、個性的な生き方をする友人らに囲まれて過ごした5年半の痛感パリ滞在記。(後ろのあらすじより引用)

・感想
フォロワーの方からの紹介でした。題名を目にした時から、どんな話なんだろうと気になって、買いました。

この話は、2000倍という倍率の中から、偶然にも審査に合格しパリの国連施設で働いていた筆者の川内有緒さんを描いたエッセイです。国連職員としての仕事、個性的な友人や同僚が一緒のパリでの生活の様子が描かれていました。現地に住まないと分からないような地域ネタも知れて、とても面白かったです。

パリに来てから徐々に時間が経つにつれて、「私は何がしたいのだろう、私の居場所は本当にここなのか。」と悩むようになり、自分探しのために休職して、遠くに行ったりしている筆者の姿は、多くの人に重なる部分だと感じました。徐々に時間が経つにつれて、職場や周りの環境に慣れていくなかで、誰もが直面することなのかもしれません。自分も、小さなことでも、何かを叶えたり、選んだあとは、「これでいいのか」と思うことは今までもあったし、これからもそういうことがあるはずです。でも、生きていれば、明日が来るからなんとかなる、そのために何か自分から行動を起こすことは、大切な事なんだと感じました。

時に悩み、思い切って決断することも、生きる上で大切なことだと実感する一冊でした。

・書籍情報
この作品は2014年9月に刊行され、2017年6月に文庫化されました。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?