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卵を買いに

小川糸 2018年

・概要
取材で訪れたラトビアに、恋してしまいました。手作りの黒パンや採れたての苺が並ぶ素朴だけれど洗練された食卓、代々受け継がれる色鮮やかなミトン、森と湖に囲まれて暮らす人々の底抜けに明るい笑顔。キラキラ輝くラトビアという小さな国が教えてくれた、生きるために本当に大切なもの。新たな出会いと気づきの日々を綴った人気日記エッセイ。

・感想
図書館を歩き回っているとき、目に入りました。タイトルと絵が気に入ったことと、読んだことのない作家さんだったため、気になって借りました。筆者の小川糸さんの日常を綴ったエッセイです。ある年の一年間の素朴な暮らしが綴られています。

筆者のラトビアでの取材旅行の話が書かれている章があります。ラトガレ州と言う地域の、昔ながらの伝統的な生活や、国を挙げて行われる歌と踊りの祭典の様子を綴っているところがあります。ラトビアはかつてソ連の支配下だった時代がありました。その時代、昔から代々続く文化や伝統は否定されていました。その後、ソ連が崩壊しラトビアが独立するときに、かつての伝統文化も認められて復活しました。伝統や民族の文化は、その民族にとって特別なものであり、決して無くなる事のないものです。たとえ、それが外部からの圧力で、形が変わってしまっても、根底は変わらないものだと感じました。

この他にも、料理の話や陸路だけで北海道に行く話など、ユニークな話が盛り沢山です。そして、作中では筆者の愛犬「ゆりね」が度々登場し、いろいろなしぐさを見せてくれます。とても可愛くて癒されます。

・書籍情報
この本は2018年に幻冬舎より刊行されました。

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