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クマのプーさん

A. A. ミルン 作 1926年(岩波少年文庫 2000年)
石井桃子 訳

・あらすじ

ディズニーなどで有名な「くまのプーさん」。その起源は1926年発表のA. A. ミルン・著の児童文学、『クマのプーさん』(Winnie-the-Pooh)。プーさんをはじめとした愉快な仲間たちとの日常が10エピソードに分かれ、描かれている。約100年間、世代を超え多くの人に愛されてきたこの作品。2024年GWからは、新作ミュージカル『ディズニーくまのプーさん』として舞台が日本にも上陸、プーさんをはじめ、多くのゆかいな動物たちとのかわいらしい濃密な冒険がくりひろげられる。

・感想

今年のGWから始まるプーさんの舞台を観に行きたいと考えています。そのため、原作を事前に読みたいと思い、今月に入って購入しました。

「おいおい…気が早くないか…。」
そうかもですね(笑)いやーでも、普通に気になるもんで。そもそも、プーさん自体あまり知らないものでして、ちょっとこのぱっぱらぱーな状態で観劇なんかしたら、やばいと思ったので早めに読むことにしました。何回も読み返した方がしっかり分かりそうですからね。

テディ・ベアから着想を受けた「プーさん」、まさにぬいぐるみそのものという姿でした。かわいらしくて、ちょっと抜けているところのある性格に愛嬌があり癒されます。またその周りにいるコブタ、ウサギ、イーヨー、カンガなどの愉快な仲間たちとのマッチングもとても良かったです。もとはぬいぐるみなのに、生きているような錯覚を覚えます。

プーさんが他の仲間たちと一緒に何かを企んだりして、何かするときに後先のことを何も考えずに見つかって追いかけまわされたり、失敗したりしている姿が描かれていました。それがただ面白いというだけでなく、失敗を恐れず何かをやろうとしているチャレンジ精神というものも感じました。失敗を恐れて、最初から何もしないというのはいつも安全かもしれませんが、自分が成長しないですよね。成長することによって時代の荒波にのまれずに済むかもしれませんし。この作品は、そういう考え方をもってほしいと子どもたちに語り掛けているのではないかと思いました。(あくまで個人の意見です)

あとは、クリストファー・ロビンの綴る文字にところどころおかしなところがあって、思わず笑ってしまいました。例えば、「ごよのあるしとひぱてくたさい」とか。たぶん「御用のある人引っ張ってください」だとおもうのですが、「小さい男の子だからまだまだこれからなのでしょうね」とか思ったりしました(笑)

今までディズニーのイメージしかなかった『クマのプーさん』。こうしてしっかりと読んでみると、とても楽しいものですね。大人になってから読むことによって、何か気付ける部分があるようにも感じて、とても良い経験となりました。

舞台の方は、抽選で申し込みをし、先日無事当選しました。今から楽しみです。ですが、作品を読んでみた感じ「ここどうやって表現するの?」みたいなところもちらほら。どんな感じになるのでしょうか、実際に幕が開かれないことには分からないですが、それも含めて、その時まで楽しみに待ちたいと思います。

皆さんもプーさんの舞台興味ありませんか?
もし観たいとお考えの方、今なら間に合います!

2/24 10:00より一般販売開始です!!

ご興味ある方ぜひ
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・書籍情報

クマのプーさん A. A. ミルン
初版刊行
第1版:1956年10月15日
新版:2000年6月16日
刊行元:岩波書店
定価:本体790円+税
ISBN978-4-00-114008-8

備考
「岩波少年文庫」の新版刊行時、『クマのプーさん全集—おはなしと詩』(1997年岩波書店刊)に合わせて、訳文を修正。

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