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飲食店の損益計算書(PL)の読み方・作り方〜基本編〜

PL、BSっていうとなんとなく苦手意識をお持ちの方が多いのではないだろうか?

だがこの動画を見てみようと思ってくださっただけでも素晴らしい!
「ちゃんとやらなきゃ」と思ってるということなので、それだけでハナマルを差し上げたい🙆‍♀️(誰|)

そんな方の為に今回は損益計算書を分かりやすく理解していただき、飲食店経営をレベルアップさせてもらいたいと思う。


損益計算書(PL)はなぜ必要か

損益計算書とは、一定期間での売上・経費・利益を一覧にしたもので、PLとも言う。
これを見るとお店が利益経営をしているかが分かり、何にお金を使っているのかも分かりますので改善点を発見しやすくなるのだ。

飲食店を経営していく上で利益を一定期間で確認するということは必ずやらなければいけないことで、決算や確定申告でも必要になるので損益計算書を作成しないという選択肢はない。

問題は1日単位でみるか、1週間単位で見るか、1か月単位で見るかである。

飲食店は日々の人件費、原価率をコントロールしなければならない業種なので、
できる限り1日単位でみる習慣を付けたいものだ。


金融機関から融資を受ける際の判断材料に使われる重要な資料である。

一般的には税理士さんにお願いして作成してもらうのですが、それでは1か月単位のものしか見ることができない。

さらに3月分を4月の中旬くらいに見るという時間の誤差が出るので、情報が古すぎて実際の経営に役立つようなことはハッキリ言ってないのだ。

1日単位で「ちゃんと見ていなかった」という方がもしいたら、今日からぜひ見るようにして欲しい

これまで多くの飲食店経営者を見てきたが、PLをほとんど見ていない、もしくは月次でしか見ない、見るのは「売上、原価率、人件費率」だけという人が大多数だった。

そうなると経営自体がいわゆるどんぶり勘定になってしまうので、数字の異常に気付くのが1か月半後、これれは手遅れで異常に気づくまでの期間お金をドブに捨てることになる。

逆に日次でPLを見ているお店はすぐに異変に気づけるので手堅く経営出来ている印象だ。手書き計算でも何でもOK。
とにかく毎日「売上・原価・人件費・利益」を集計して見るようにして欲しい

毎日やっていれば利益というものにとても鋭敏になり、売上、人件費、原価率に対してコントロールする意識が芽生えていくに違いない。


税理士さんが出してくれる月次の損益計算書は前月と見比べておかしいな数字の動きがないかエラーを発見するのには役に立つ

例えば「水道光熱費」は売上の4〜5%が一般的とされているが、前月対比で突然上がっている場合、目に見えないところで水道管が破裂して漏れていないか?とか、電気代が明らかに上がっていればスタッフが営業時間外にも店を使っているんじゃないか、など異変に気づくことができる。

また利益が上がらない時はどの経費を削れるか?ということも考えられるので、勘定科目はお店にとって管理しやすいものに変えておいた方が良いだろう

しつこいがとにかく毎日PLを出すようにして欲しい。

最近のPOSレジでは、日次でのPLにとどまらず、時間毎の利益計算まで自動でできるものもあるので、そうしたシステムを使って業務全体を効率化するのも良いと思う。

損益計算書の読み方

ここからは実際にお店で使っている損益計算書フォーマットを見ながら解説していきたいと思う。

飲食店専用PL表

このフォーマットは飲食店経営に必要な指標を見るためのフォーマットになっている。
税理士さんが出してくれるPLは飲食業でも製造業でも建設業でも、税理士さんが扱うどんな業種業態でも同じ勘定科目で扱えるようなフォーマットになっているが、
実はそれだと飲食店が見るべき指標がたいして重要ではない勘定科目と一緒になって見えにくいし、不必要な勘定科目まで入っていたりするので飲食業用に見やすいフォーマットにする必要があるのだ。

どういう事かと言うと、例えばこのフォーマットでの「人件費」、飲食業以外の多くの業界では人件費を固定費として捉えている。

それは従業員の多くが社員や1日働く時間数が決まっている業務委託者で、忙しかろうが暇だろうが働いている従業員の人数は変わらないからだ。

一方でアルバイトスタッフが多い飲食業界などは人件費は変動費になる

経理を1から勉強すると変動費は原価だけで人件費を変動費として教えている本は1冊もない

体感的にはFL60%といった売上に対する変動費として扱わなければいけないことは理解している方が多いだろうが、何故か損益計算書を見ると人件費は固定費の場所にあることが一般的になっているのである。

また、一般的な勘定科目の人件費では社員とアルバイトのいわゆる”給料”しか含まれていない。
しかし飲食店で言う人件費は給料だけではないはず

一般的な勘定科目の給料の他に通勤交通費、法廷福利費、福利厚生費、それから募集費まで、これらの人に関わっている経費は全て「人件費」として計上するべきだ。

ここまで含めた人件費だからこそ飲食店の経営判断になる数字になるのではないだろうか?

税理士さんと相談をして、ご自分のお店で把握するべき数値をしっかりと考えながらフォーマットを作成してもらいたい。

↓当社で使っていた損益計算書フォーマットを欲しい方にプレゼントしているのでページの下部でダウンロードして使っていただきたいと思う。

飲食店専用PL

次に勘定グループと勘定科目の説明をしよう。

勘定グループとは一番左側に書かれている大カテゴリーのことで、「販管費」とか「人件費」に当たるもの、そして勘定科目というのがその下に入る小カテゴリーというイメージで、「販管費」の勘定科目:水道光熱費や消耗品費、「人件費」の勘定科目:給料、法廷福利費などが入るといった感じだ。

勘定科目は好きに設定する事ができる

この勘定グループと勘定科目のカテゴリーの抽象度がごちゃ混ぜにならないようまず注意していただきたい。

そして見るべき勘定グループは、「売上高」「原価」「人件費」「販売管理費」「営業利益」になる。

粗利益とは通常、売上から変動費の原価を引いた金額のことを言うが、飲食業は人件費まで変動費だから上から原価、人件費、もしかしたら家賃までを引いた金額を変動費として見るべきで、
そうすると売上ー原価ー人件費ー家賃=粗利益と捉えることができる。

この粗利益から残りの販売管理費を引いた金額が営業利益ということになる。

ここまでで基本的な読み方はご理解いただけたのではないかと思う。

では実際にご自分のお店で把握すべき数値は何か?を考えてみてください。

その内容については次回の発展編で詳しくお伝えするのでお楽しみに。

損益計算書の作り方

PLの作り方だが、基本的にはみなさん既に税理士さんにお任せしているのではないだろうか。

ただ今回は自分で毎日チェック、管理しましょうというお話なので、一度ご自分でエクセルで作ってみると良いと思う。

PL表作成

私が今日お見せしたフォーマットを使ってみたいという方がもしいらっしゃったら、ページ下部からダウンロードして是非使って欲しい。

POSレジなどでデータ集計ができる方はそこに実際日別単位の数字を入力してみる。
手動でやるのは面倒という方は日次PLが見れるPOSレジを検討してみるのもアリだと思う。

まとめ

今回はまず損益計算書の勘定グループと勘定科目の見方についてご説明しました。

損益計算書がなぜ必要なのか、毎月お店にとって見やすい項目をチェックして異常なことがないか発見する為に活用しよう!

とりあえず「意外と必要な項目は簡単だな」と思ってもらえたら本望である。

そして次回はいよいよ損益計算書(PL)の発展編、
正しく管理したい経営者の方の為に、勘定科目グループを飲食店にとって見やすい項目にする方法や正しい原価の仕分け方・その具体的な指標などなどを詳しく解説するので楽しみにお待ちいただきたい。


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↓↓今回の内容はYouTubeでも公開中!↓↓

【知識ゼロから始める】飲食店の損益計算書の読み方〜基本編〜 見るべきポイントに絞って解説します!

ここまで読んでくださった方はスキをいただけると嬉しいです!
ありがとうございました。


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