心拍変動が高い=良いとは限らない

友人に提案されてから使用しているHeart Rate Variation (HRV)。

HRVはGarminなどのウェアラブルデバイス、もしくは、HRV4trainingなどのアプリを用いて計測する。起床時に座位で測定するなど条件を揃えることで、自律神経活動をより強く反映するようになり、自律神経活動は疲労を反映していると考えられているため、HRVを使用することでオーバートレーニング(練習を体が受け取れない)を回避することが出来、練習の効果をより高くすることが出来ます。

具体的には、HRVの値が平均50 msで いつもの値も±10 msに収まることが多いのに、ここ1週間20 ms程度だった場合、疲労が蓄積しているので休養を取るか、ジョグなどの非常に低強度の練習に切り替えるという判断が出来ます。このようなサイクルでの練習をHRV-guided trainingと呼び、ランダム化比較試験において古典的な練習方法よりもアスリートのパフォーマンスを向上させることも論文で明らかになっている通りです。

HRVの値が低い場合は交感神経活動が活発でリカバリーがうまくいかない危険性があるため、高強度の練習は避けるべきです。

しかし、HRVが異常に高い場合はどのように考えるべきでしょうか?

実はHRVが異常に高い場合にもオーバートレーニングの可能性があり注意が必要です。

https://note.com/neofujipan/n/n7d31bf9dbbe2より。オーバートレーニングやオーバーリーチングについてより知りたい場合は、八田先生の『運動と疲労の科学』を読むといいと思います。

オーバートレーニングは休養を取ってもとっても有酸素パフォーマンスが戻ってこない状態のことを指し、そこに付随する症状により副交感神経優位型と交感神経優位型に分類されます。つまり、副交感神経優位となるオーバートレーニングがありうるわけで、HRVの値が上がってきていても喜んではいけない訳ですね。

もちろん、アスリートのパフォーマンスが向上してくるに従い、HRVは上昇してくるのは皆さんご存じの通りです。

結局、

HRVがずっと高い場合には、

① オーバートレーニングの可能性
≒ パフォーマンスが低下している可能性

② パフォーマンスが向上している可能性

が有り得るわけです。

じゃあその違いはどう見分ければええねん、ということですが、実際に走ればわかりますし、オーバートレーニングやオーバーリーチングと単純な疲労の大きな違いは休養を設けてもパフォーマンスが戻ってこないことなので、HRVが高く休みを取っても全然パフォーマンスが戻ってこないのであれば一度オーバートレーニングを疑ってみてもよいのではないでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?